【読書感想】百年の孤独
百年の孤独 ガブリエル・ガルシア=マルケス/鼓 直
本屋に入るとあれもこれも欲しくなるのが怖いので最近は本屋に寄り付かないようにしていたんだけど、この機会に『百年の孤独』を読むか??と思って購入した。案の定、色んな本が欲しくなって読みたい本リストが増え、用事の時間に遅れそうになった。
文庫化ももちろん読もうと思うきっかけではあったが実は今年池澤夏樹『世界文学を読みほどく』を読んだのも大きい。(読んだのは2005年発行版)
読んだことがある作品がそう多くはないのに時々文学がなんちゃら、なんちゃら文学についてという本を手に取ってしまう。そんななかでも『世界文学を読みほどく』は読んでなくてもそれぞれの作品の概要を説明してくれるので、え?そんなめちゃくちゃな話ならもしかしたら好きかも?読んでみようかなと思わせられた。そしてなんとこの本には『百年の孤独』の家系図が載っているのだ……こんなものまで載せてもらって読まないわけにはいかないという誰目線かわからない沸き上がる気持ちのもと『百年の孤独』の文庫版を購入したのだ。
肝心の『百年の孤独』はおもしろかった。マジックリアリズムって改めていわれるとどんなもんだろうと身構えていたのだけど、これって自分が好きな日常の延長にあるようなないような、否定しきれないものみたいなやつじゃん!となった。……伝わらなさよ。うーん、『世界文学を読みほどく』でも触れられていたけど、もしも自分がラテンアメリカに住んでいてそこでの日常を過ごしていたら、日本に住んでいて吉本ばななの本のスピリチュアルなところを読むくらいの感覚で読めるものなのかなという感覚です、、、
確かに名前がほぼ一緒の人が出てきて性欲の向かう先が絡まりあって複雑といえば複雑だし、めちゃくちゃな話といえばそうではあるけど、不思議とひきこまれて読んでしまう魅力のある本だった。長くてカロリーが高い感じなので1日でどっぷり読むみたいなことは私にはできないけど、話の区切れめごとに休んで読むつまりいつも通りの読書として読む分には大変ではなかった。
結局家系図は文庫にも簡易的なものがついているのでそれを使って読んだ。池澤夏樹版の家系図はより細かいので面白がって今みてる。
そういえば、後半も後半でえ?それはこの人じゃなくてこっちの人でしょ?という間違いを見つけた。ガルシアマルケス自身も混乱してんじゃん……となった。文庫のあとがきか解説かにも本人も後からいくつもの矛盾に気づいていることが書かれていたのだけど、その矛盾の数が40いくつとか書いてあって、!?となる。今はもうお腹いっぱいだけど、またいずれかもう一回読んで、矛盾探しをするのもおもしろいかもしれない。
人がいっぱいでてきて、描いている期間も長いのでどの人が気になるとか、どのシーンが気になるとか人によって異なるのも、話したりしたら楽しいかもしれないなあ。私はやっぱり、ウルスラとピラル・テルネラが推しかなあとか、フェルナンダのあの場面が良かったとか……読書家の友達がほしい……