新茶の香りと幸せのかけら
夕べ、注文していた新茶が届いた。
毎年八十八夜摘みの新茶を縁起物として実家に贈っているのだけれど、今年は恋人の実家と自分達のためにも購入したのだ。
ずっと紅茶党だったわたしは、恋人と暮らし始めてすっかり紅茶を飲まなくなった。今までは朝から晩まで紅茶を飲んでいないと落ち着かなかったのに、今ではすっかり煎茶党。
朝起きてすぐ、届いたばかりの新茶を入れる。
お湯を注いだ瞬間鮮やかな緑が広がって、その美しい水色にうっとりした。
今回購入したお茶は、蒸し時間が長いのだという。渋みが少なく、まろやかで美味しいお茶だった。
入れたてのお茶を飲みながら、休み中の嬉しかったことを思い出す。
例えばこの間のお月様が大きくてまんまるでうんと綺麗だったとか。
それを恋人と一緒に見ることができたとか。
お天気が良かった日、心地良い風に当たりながら、恋人の隣でお昼寝をしたとか。
買い物がてら、2人で少しサイクリングができたとか。
裏路地に入ったら和菓子屋さんが開いていて、出来立ての柏餅が食べられたとか。
朝の気持ち良い時間のうちに、衣替えを済ませることができたとか。
恋人が朝ごはんを作ってくれたとか。
それから、
早速入れた新茶の緑が綺麗、とか。
きっと幸せって、こんな風に日常に散らばる小さなかけらの様なものなのだろう。
小さな小さなかけらも見逃さずに生きていたい。
実家の家族や恋人のご両親にも、ちょっとした幸せを届けられると良いな。
羊羹でも一緒に贈ろうか。
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