見出し画像

「御社での仕事を通じて成長したいと思います」
「自分を成長させて必ず御社に貢献します」

面接試験ではこのように「成長」をキーワードに使う人も多いと思います。

成長には3種類あるということは以前お伝えしました。

1.できることをさらに伸ばす
2.できないことをできるようにする
3.できないことを知る

冒頭の成長は1や2を指しています。
特に1は、自分の長所を活かしてさらに役立つように進化させるという意味では、自分だけの武器を手に入れて唯一無二の強みをつくることにもなるので、成長実感が高いと思います。
また2も、苦手を克服して弱みがなくなるという意味では、自己肯定感や自己有用感が高まるので、大きく自信をつけることになるでしょう。

一方3は、自身の成長という点では物足りないかもしれません。ですが、自分だけでできないことは周りに頼って解決するということなので、周囲のリソースを活用できるだけのネットワーク=人脈が築けるという点では、横への成長とも言えるのではないでしょうか。


さて、いずれにしても自分自身が成長していると感じられる状態=成長実感がある場合はよいのですが、そうではない場合はどうでしょうか?
つまり成長の反対の状態です。

調べてみると、成長の対義語は「退化」「劣化」「衰退」などの言葉が出てきます。成長という言葉は、草木がどんどんと伸びていくことを表しているので、枯れていく様は成長の対義語と言えるでしょう。

でも、成長実感がなく、成長できていないと焦り、これでよいのかと悩んでいるときは、果たして退化や劣化、衰退なのでしょうか?


加藤諦三さんの新刊「ブレない心のつくり方(PHP文庫)」の中で、このように語られています。

大切なのは、「自分の悩みや苦しみの原因は何か」を知ろうとする努力

マズローのいうことを一口でまとめれば、
「成長するということは、通常、人が考えているよりもはるかに困難に満ちたものであることを、わたしたちは知らなければならない」
ということであろう。
まさにその通りである。人間は幸せに慣れうようにプログラムされているわけではない。
生きることを完全に舐めて考えている現代人に必要なのは、人間性の理解である。
幸せになりたいと願いさえすれば、幸せになれると考えている幼稚さである。
基本的欲求が満たされないと、人はなんとしてもそれを満たそうとする。普通の人は、なかなかそれを断ち切って前に進めない。
悩んでいる人にとって悩むことが最大の救いというのは、対抗世級のすさまじさを表している。
悩んでいる人は対抗欲求を満たそうとしている。成長としているのではない。成長することで問題を解決しようとしているのではない。
だから悩んでいることが一番楽である。
悩んでいる人自身が、自分の心の中に隠された敵意や隠された憎しみに気がついて、その処置を考える以外に、悩みの解決方法はない。
人は、「安全を求める気持ち」と「成長を求める気持ち」に引き裂かれている。

加藤 諦三「ブレない心のつくり方 (PHP文庫) 」 2023/6/2
P95-96


成長の対義語は「安全」


つまりはこういうことです。

安全は楽なんです。
今のままほどよく働いていれば心配事はなく、なんとなく生きていくことはできます。自分のやれる範囲のことだけをこれまで通りにやって、嫌なことや面倒なことはやらなくて済むかもしれません。

でも、自身の成長を実感できるわけでもなく、特別に何かをがんばったという経験も得られず、これまで以上に誰かから感謝されるわけでもなく―――心配や不安の波がない反面、喜びや楽しみの波もやってきません。

「退化や劣化はしていなくても、成長の兆しがない」。それが安全の正体だと、わたしは読み取りました。


わたしも安全を望み、挑戦をしていないことも多々あります。
どこかで「このままでいいかな」と思ってしまうところがあるのでしょう。
だから、「がんばってますね」と言われると心がズキッとします。だってがんばっていませんから。
安全を選び、成長を止めていると、褒められても素直に受け取れなくなるんですね。

これは一つのバロメータかもしれません。
いまあなたが取り組んでいることを、誰かから「すごいですね!がんばってますね!」と褒められたとき、素直に受け取れますか?
恥ずかしながらも褒められてうれしいと思えることなら、それは成長できている証です。逆に心地悪くてそんなことはないと思うのなら、それは安全を選んでいる証拠かもしれません。


今日のnoteをまとめてみて、どこかで成長を止めている自分がいることに気づきました。明日からまた成長を実感できるよう、自身の活動を見つめ直してみます!




明日も佳き日でありますように

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?