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NETFLIX公開記念「火花」が1.3倍だけ楽くなるコラム

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NETFLIXで公開中の「火花」、原作のピース又吉さんを15年間ひっそりと見てきたファンが小ネタを交えつつ感想を書きます
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2003年の8月31日に消えた漫才師。

又吉直樹さん原作小説「火花」の芥川賞受賞と、Netflixでのドラマ化によせて、又吉さんの15年来のファンの私が思い出話を交えながらドラマ「火花」について記録しているこのnote。

1話ごとに更新していたらなかなか進まずたいへんな牛歩更新になっているのですが、本日8月31日は又吉さんが以前組んでいたコンビであり、

火花に出てくるスパークスの(おそらくほぼメインの)モチーフである「線香花火」が解

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第3話感想。又吉直樹は「寵愛」されていた。

第3話も、スパークスは戦っていた。小説「火花」の中ではスパークスのコンビの活動はある種「陰」の部分にあたるともいえるためあまり鮮明な描写はないが、当たり前に10年間のある芸人の生活を追っているのだから、神とあがめる先輩との時間以外も、このドラマ版ではしっかりと描かれている。

オーディションはけんもほろろに落選する。事務所の忘年会がその年最後の仕事。やけになった相方は酒に酔いハメを外すし、家族から

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第2話感想。 又吉直樹は歩いている

1話・2話と観てきて、とにかく非常に、徳永が歩いているシーンが多いことが印象に残る。あの頃の又吉さんもやはりいつも歩いていた。実際にその姿を見ていたわけでなくても何故か、ずっとずっと歩いていたのだろうとわかった。

歩いていたということが、ちゃんと、美しく表現されているだけである程度「火花」の映像化は成功している気さえする。

***

―「さっきルミネの出待ちのお客さんにね、走りながら通用口から

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「師匠」の前で青年は永遠に青年だ。烏龍パーク橋本さんを通してみる又吉直樹。

スパークスの徳永の先輩「神谷」。気鋭の人として描かれる彼にもまたモデルがいる。

同じ吉本所属の先輩、烏龍パークの橋本さん。

たしかに「火花」を読んでいる時に、2人がメールのやりとりの最後に大喜利のような一言を添えているような話はどこかでしていて、

橋本さんだと思って読んでいるととてもしっくりいく感じはありました。

烏龍パーク(かつてはバーチャルトーイという名前で活動していた)は、大阪吉本か

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第1話感想。何気ない会話をたくさんしている奇跡

(一応、昔そう呼んでいたので…又吉君と、原君、と表記します。)

第一話を観終わってすごく思ったのは、思っていた以上に漫才コンビ「スパークス」について描いているということ。また、全編を通して原作よりも仲睦まじいシーンが多かったのはとにかく嬉しかったです。なんでもない会話の端々に線香花火を見つけ出して涙し、まだ学生気分の抜けていないじゃれあいのシーンに「たっちゃん」と「まったん」を馳せた。

一話で

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漫才コンビ「スパークス」と「ピース又吉」を結んで、『火花』を紐解く。

漫才コンビ「スパークス」と「ピース又吉」を結んで、『火花』を紐解く。

現在お笑いコンビピースのボケとして活躍する又吉さん。昨年発表した小説「火花」が芥川賞を受賞したことはあまりにも有名。今でこそテレビを中心に大活躍の彼ですが、ピース結成前、食えない時代を過ごした頃の相方は中学の同級生の原偉大さんでした。彼らは漫才コンビ「線香花火」として2000年~2003年にかけて活動。原さんの引退に伴い、コンビは解散しました。

『火花』の主人公のモチーフは又吉さん本人であること

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