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合唱に泣かされて~「音楽」は時間の芸術

生まれては消えていくもの



受験生の娘がいる。

で、先日、高校の説明会に行ってきた。

去年、高校受験の制度説明を中学校で受けたが、昔と違い過ぎてチンプンカンプンで焦った上、親も色々手伝う前提で先生が話すのが驚きだった。

自分の高校受験の時は友達と文化祭を見に行くくらいで説明会などなかったし、受験手続きも基本自分でやっていた気がする。
学区があった昔の方が高校選択も単純で手続きもアナログだったからだろう。


去年の夏休みの三者面談で先生に「もうすでに高校見学に行ってる子は行ってる」と言われて、当時、塾も行かず受験がピンと来ていない娘(&わたし)をしゃっきりさせるためにも、とりあえず説明会に行った。
(予約制のところは埋まっていたためそうでないところを探した)。

当日、端から端まで親子がみっちみちの体育館で(二日間で3000人きたらしい)、学校見学が本当にMUSTなのだと実感したわけだが、説明会の前に吹奏楽部の演奏があった。

こんなこともやるのね~と数曲を楽しみ大いに拍手をした。

そして、今回の説明会。
事前に学校のHPをチェックして、予約開始時間にPC前にスタンバって予約(→わたしが)し、当日は開場と同時に体育館に入り前から二列目センターに座ることとなった。

で、今回は説明会の前に、ダンス部の大会出場動画が流れた後、合唱部の生歌唱が!

わ~い♬


曲はRADWIMPSの「正解」(2018)
(note最後にリンクあり)


…目の前で歌う高校生の姿と歌声で、涙にじんじゃうんだよね。
もう条件反射?

最近の中高生が歌う合唱曲って、歌の内容も曲調もキャッチーで確実にツボ狙ってくる…。

思春期の漠然となんにでもなれる気がする感と、何者でもない気持ちが、表裏一体になっているところとか。
何に悩んでるのかもよく分からない感じとか

(オペラみたいな難曲系の合唱は別だが)

正直、この「正解」の歌詞が紡ぐ世界は美しすぎて自分事としてはピンとこないけど、「ジャンル:青春」のすごさは、にもかかわらず、世代や体験を超えて心がつーっと寄っていくところだ。

この曲は、NHKの行った18歳イベントのために作られた曲で、18歳の人々から募集した動画のエッセンスも加えて作られたらしい。

RADWIMPSは、もともと嫌いじゃないし、ええ曲やなあと思う。
歌い継がれて、2024.2月に公式サイトで合唱用の楽譜が三種類アップされている。


さて、部活の合唱が、やる気のない人もまざるクラス別のものとはレベルが違うのは当然として。

二列目センター席のおかげで、めっちゃ表情豊かに歌う男子生徒たちに楽しくなり、この美声はこの女の子が出しているんだという判別まで出来て、楽し~。

みんな素敵で、たった一曲なのが残念だった…。
って来た目的忘れちゃいかんね。


*    *    *    *

高校生や中学生の合唱に涙がでるのはどうしてかと考える。

合唱の良さは、「みんな」で歌うところ。
いろんな個性があって、それぞれの人生があって、仲の良い子もそうでもない子も、その瞬間は声を合わせて一つの歌を作る。

今回のようなやる気のある部活の聴かせる合唱もいいのだが、やりたくない子、やる気のない子もまざるクラスの合唱も、嫌いじゃない、というか、それはそれで好き。(大人になって聞く側の場合ね。渦中でまとめようと奮闘する子はホントに大変だし)



音楽というのは明確な始まりと終わりのある「時間」の芸術だと何かで読んだ。

生まれては消えていく一つ一つの音を繋げて、今この時の時間の流れを共にする。

クラスが分かれると話す機会もなくなる人、卒業すると会うこともない人もいるだろうが、今一緒に歌っているのは確かなことだ。

そして、音楽と同じで時間は後戻りできない。

一方、彼らの前には、これまで来た道の何倍もの時間や出会いや経験が未来という名で末広がりに用意されている。

これもやっぱり、本人たちより大人側が見るものだ。

瞬間という今の儚さと、儚さの中にある確かな息吹と、その先の多数の選択肢に導かれる未来。

それら全部ひっくるめたものが、自分の過去ともうっすらと重なり、こみ上げてくる。


のかなあ…。




と、高校説明会の合唱一曲で、思ったこと書いてみた。

そして、娘にも10ヶ月後、一年後の未来のために効率的に勉学に励んでほしいと思う…。
と、急に現実的。


吹奏楽部の合唱とのこと↑



娘の合唱コンクール絡みの話↓


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