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このままでは「円」の「信用」がボロボロになる Ⅱ。ー 注目の参院選、与党圧勝に終わって...。

 このままでは「円」の「信用」がボロボロになる。|損切丸|note の続編として。与党圧勝に終わった参院選直後の2つの発言が気になった。

 ①黒田総裁@日銀支店長会議:「(必要があれば)躊躇なく追加緩和」

 世界的「インフレ」の最中、「追加緩和」の発言には驚いた。これでドル円あっという間に@137円台。安倍前首相が銃撃され ”後ろ盾がなくなった” との見方も浮上する中、ご本人のプライドなのか。何故こんなに「金融緩和」に固執するのか不思議でならないが、反面「本音」も垣間見えた

 今の日銀は「財務省の財務省による財務省のための金融緩和」

 「金利は上げたくても上げられない」のである。

 これはもうシンプルに「お金」の話日銀が保有する542兆円もの国債平均利回り@0.21%前後)と財務省が管轄する国債1,200兆円は、+1%の「利上げ」で年間▼10兆円近く "損失" が出る+2%も上げれば消費税@10%による税収が吹き飛んでしまう訳で、身動きが取れない。

 「財務省寄り」と見られる現政権でもそういう共通認識であり、それが黒田発言として現れたと考えるのが自然だ。「お金」をばらまけなくなれば政権与党も困る。いわば「金利」は日本の「アキレス鍵」と化している

 そうなると 「弱いところを攻めろ!」 ー 「資金繰り」が決め手の「信用格差」。|損切丸|note 。マーケットは痛めている「アキレス鍵」をドンドン攻めてくるいくら「円安」に持っていっても「金利」で反撃できないのだから、完全に見透かされている

 困るのは「円」で暮らしている我々「日本人」だ。生活防衛のために真剣に 日本人にとっての「最適投資」は...。 ー 2022年に儲かったのは誰?|損切丸|note を考えなければいけないが、実はこれが結構悩ましい

 ドル ≓ ユーロ ≓ ポンド > 円に?|損切丸|note で対ドルでパリティに近付いてるユーロやポンドでは心許ない結局「ドル」頼みとなるが、実はアメリカも問題だらけだ。

 ”放火魔の消防士” バイデンーパウエルコンビが延焼させてしまった「真性インフレ」という山火事「大幅利上げ」で必死に消そうとするがとても間に合わず、加えて「QT」(量的引締)で延焼しそうな建物も壊し始めた。これはもう辺り一帯壊滅状態になるのは必至の情勢だ。

 「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。|損切丸|note 等の note. でいくつか指摘してきたが、「過剰流動性」で膨れたものは「QT」で必ず縮む。これは「物理現象」であり、株も暗号資産もエネルギーも例外はない「利上げ」が続くなら米国債等のドル金利資産への「投資」もかなり難しい

 この状況で一体何の「ドル資産」を買えというのか

 実際2022年初来、せっかく「円安」で+20%近く儲かったはずなのに、株価の下落「円建NYダウ」でやっとトントンナスダックは▼14%もマイナスビットコインに至っては▼50%と "悲惨" の一言。

 こうなると ”頼みの綱” は原油などエネルギー資産だが、こちらも「物理的下落」を起しつつある。値は上がったり下がったりかなり暴れてはいるが、「量」=「流動性」が減る相場で足掻くのは無駄"消火作業" がいつ終わるのか目処が立たない中、厳しい相場が続くだろう。WTIが@60~70ドルに向かうようなら、「ドル高」も怪しくなってくる

 ②経団連会長:「速やかに原発再稼働を」

 あと3年選挙がないから何の支障もないと言う訳だ。「エネルギー安全保障」と発言しているが、本音は電気代を下げて業績を上げたいだけコストばかり気にする経営者が「賃上げ」などできるのか。本来「エネルギー危機」も「円安」も大きなビジネスチャンスのはずだが「シルバー世代」は「現状維持」が第一。このままでは*「失われた60年」まっしぐらだ。

 電気、ガス代が上がって大変なので100歩譲って再稼働を認めるとしても、この ”地震大国” である。「事故や最終廃棄物の処理費用は全額企業が負担」ぐらいの "覚悟" は示すべき「エネルギー賦課金」なる怪しげな "隠れ増税" でまたツケを回すのは御免被る。 ”科学” などとあやふやなことを言っているが、そもそも半減期が万年単位の物質の処理方法を人類は編み出していない。人の手に負えない "未完の技術" なのである。

 だが実は暗い話ばかりではない。特に日本

 娘と連れだって何年かぶりに大阪の某テーマパークに出かけたが、平日なのに人、人、人**学校帰りの高校生、大学生に20~30代の子連れファミリーが中心で、海外からの来園者もかなりいた数兆円とはいえ「インバウンド」は景気を後押しするし「円安」阻止効果もある

 **変異種による感染拡大が伝えられる中、この10~30代の行動は「もうやってられん!」という事。重症化リスクの高い「シルバー世代」のために我慢を強いられてきたが、もう限界多少感染しても死なないなら、リスクを犯しても自分達の生活を回そうという意志表示だろう。選挙でも4,000万人超という圧倒的数の力で抑え付けられており、これ以上の負荷には耐えられない。一方の「シルバー世代」自分達が上の世代に尽くしてきたのと同じ事を下の世代に求めておりもはや「世代間戦争」の様相双方とも相手に対するリスペクト(Respect、尊重、尊厳)は失われ「和の国」日本の趣もない「円安」の根源はこういう部分にあるのかもしれない。

 お土産が多かったので帰ってきた東京でタクシーを利用したが、やはり東京でも着実に顧客が戻ってきているという。若い運転手の「正規雇用」も拡大しているし、お客さんも「給料が増えた」という話が多い何だか「景気の良い話」だ。筆者は現役の頃、良くタクシーの運転手さんの話を相場に生かしたが、やはり "現場の声" は大事「世代間戦争」さえ解決すれば案外「日本」は「投資」先としていいのかもしれない

 暗く感情的な話ばかり取り上げるのは日本の既存メディアの悪癖であり、それは昔も今も変わらない。ネットもネガティブなコメントで溢れており、どうしても負の側面ばかり浮き立つ。そもそも上手くいっている人達は、忙しくてネットに書き込んだりする暇などない(苦笑)。

 今回久々に外へ出てみて感じたのは、メディアやネットだけでは "FACT" (事実)は掴めないということ「ドル」「投資」するならNYやLAを見て回るのが理想だが、それが無理なら少なくとも "現場の声" を集める努力が必要だ。そうしないと一度上手くいっても、続けて勝つことは難しい。全ての「投資」「相場」に共通する教訓だろう。特に「お金持ち」が "最大の敵" と見做す「インフレ」は対処が本当に難しい。2022年は近代経済史に刻まれる希有な年になるのは間違いない。


 

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