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「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? Ⅲ - 米CPIの中味。
11月米CPI(年率)+7.1% 予想 +7.3% 前月 +7.7%
コアCPI(除.食品・エネルギー)+6.0% 予想 +6.4% 前月 +6.3%
・エネルギー価格 +13.1% 前月 +17.6%
・食品価格 +10.6% 前月 +10.9%
・住居費 +7.1% 前月 +6.9%
・中古車価格(前月比)▼2.9% - 5カ月連続の低下
・サービス価格(除.エネルギーサービス、家賃、前月比)+0.1% 前月 +0.4% 9月 +0.8%
・航空運賃▼3%、医療サービスコスト▼0.7%
続・「米国債」と「米株価」、どっちが正しいの? - 今回のパウエル発言は "とても大事" 。|損切丸|note からの再・続編。
11月の米CPIが "期待通り" 低下し、米国債は特に2~5年債が一時▼0.2%以上低下。「逆イールド」は修正、10-30年も「順イールド」に戻った。
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"ターミナルレート" (FRBの政策金利到達点)は@5%→@4.75%に低下。一部のエコノミストは2月に+0.25%、@4.50%を主張しており、「利下げ」開始時期は2023年後半から年央に前倒しされた(NY前場)。
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CPIは ”過去の結果” に過ぎないのでマーケットの反応はいささか拙速だが(その後米国債は反落 ↓ )、この地合でこの数字が出れば仕方がない。特に運用を迷っていた長期投資家が名目金利が@4%台の2~3年米国債に殺到したのも理解できる。5年超で@3.5%も1つの目安。
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金利水準の切り下げを諸手を挙げて歓迎したのは米株式市場で、一時NYダウが+700ドル、ナスダックが+400ドル近く急反発。ボーナスカットに「首切り」と苦境が続くだけに、この界隈の「株上がれ!」願望は相当強い。低迷していたWTIやBTCも株に引っ張られ、FXでは一斉にドル売り。
ただ当のFRBはどうか。確かに先日のパウエル議長のスピーチ通り「インフレ鈍化」の展開で「利上げ」が最終局面に向かっているのは間違いないが、本当にそんなに早く「利下げ」できるのか?
ベビーブーマー▼4,000万人分の人手不足や住宅等の供給不足を起点とした アメリカの「インフレ」の正体。|損切丸|note を考慮するとマーケットほど楽観はしていないはず。CPIの中味も、ガソリンや食品は落ち着いてきているがまだ高水準だし、サービスや住居費は高止まり。この点は「時間がかかる」と議長も認めていた。まだまだ FRBの「正念場」。- "見通し" 通りアメリカの人手不足は解消に向かうのか?|損切丸|note は続く。
米国債もNYダウ、ナスダックも急騰の主因はショート(売り)の「踏み上げ」「損切り」で、その後相場はだれてきた。 「逆イールド」は苦しみのサイン。- 一方的「金利上昇相場」からの大転換。|損切丸|note を理解している経験値の高いトレーダーなら、*上がった所はきちんとロング(買い)の「利食い」を入れてくるだろう。
*「儲かった!」と浮かれてロングをいたずらに引っ張ると、特に米国債などは「逆イールド」から来る「キャリーコスト」で殺される。油断大敵。
多くの金利投資家も筆者と同じ相場観に基づくなら@3.5%を下回る米国債を買うには慎重になるはず。現時点では2023年中にFRBが「利下げ」に動く確率はまだ5分5分であり、神経質な相場が続くだろう。
さて、ここでユニークなのは ”周回遅れ” の日本。米欧中とも物価の減速がハッキリしてきたのに、こちらは電気代も賃金もこれから上がるという。
”サントリーHD、ベア含め“+6%程度賃上げ”検討”
まず大手の飲料メーカーが動いたが、+6%を超える「賃上げ」は「人手不足」を見越しての対応だろう。他の大手企業にも同様の動きが見える。表向き表明していないが、気になっているのは ”黒船” の動きだ。
”国産先端半導体のラピダス、IBMと「2nm」開発で提携”
経済安全保障に関するニュースと捉えられがちだが、これは「安い日本」に注目した動き。1,000億円を投じて千葉県にデータセンターを作るグーグルもそうだが、「円安」も含め、労働力の質を考えるとにかく「安い」。最近はワクチンを作っている製薬会社もやたらとテレビCMを打っているが、「安い日本」を狙っているのは間違いない。本国の半分近い給料で優秀な人材を確保できるなら安いもの。このままだと国内企業は人材をかっさらわれる。そういう危機感も垣間見える。
マーケットではせっかくドル金利が低下しても本来@0.60~0.70%の10年JGBを「@0.25%」に抑え付けているためメリットを享受できない。「死んだ市場」ではNISAを1,800万円に増やしてもあまり意味が無い。
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さて、ここで問題になるのは政府。 遂に始まった ”切り捨て” の時代と ”返ってきた円安” 。|損切丸|note は酷くなる一方で、復興税(~2037)を20年延ばして防衛費に充てるなどまるで ”ブラックジョーク” 。とにかく「取れるところから取る」で突っ走っている。
首相も財務省を中心に ”X成高校” のお仲間に囲まれて ”洗脳” 状態なのかもしれないが、**「GOTO」「エネルギー補助金」で観光業界、電力会社にばらまいておいて「個人」から無慈悲な取り立てはさすがにあからさま。
**こういう供給サイドに偏った「昭和政策」は既に時代遅れ。その典型が「お金」を借りる企業へ配慮した「低金利政策」だ。ただ今の「金余り」日本は既にそういう状況では無く、もう少し需要サイドへ配慮した政策を展開しないとこの "蟻地獄" から抜け出せない。
いかに選挙の無い「黄金の3年」とはいえ、選挙民を馬鹿にするにもほどがある。次の選挙を危惧する議員からも火の手が上がり、内輪揉めが勃発。支持率が@20%を割り込むようならさすがに無風では済むまい。
海外でも指摘されていたが「失われた30年」は政策ミスの疑いが濃い。給料が+6%上がっても運用で儲けても「増税」でごっそり持って行かれるのではやる気が起きようもない。「失われた50年」にならないよう、選挙民は良く考えるべき。Z世代の発言が的を得ているので参考にすべきだろう。
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