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マーケットは「円キャリートレード」中毒 ー 「金利差」以外儲かる術が無い

 世界は「過剰流動性」中毒。ー 「テーパリング」(薬抜き)は並大抵ではない。|損切丸 (note.com)
 続・世界は「過剰流動性」中毒。ー 「テーパリング」(薬抜き)と「インフレ」という禁断症状の苦しみ。|損切丸 (note.com)
 世界は「過剰流動性」中毒Ⅲ ー  それでも彷徨い続ける「お金」|損切丸 (note.com)  の姉妹編

 まともじゃない ー 最後は「信用」|損切丸 (note.com) まともじゃないⅡ ー 動けば何でも良いのか!?|損切丸 (note.com) と散々ドル円、日経平均先物で仕掛けたが結局失敗。気が付けばドル円はあれよあれよと@147円台まで上がり「円キャリートレード」に逆戻り

 もうこれは一種の「中毒」「金利差」以外に収益を上げる方法が無い

 「損切丸」も投資銀行の一角として「予算編成」に関わったが、年間数十億円もの収益を上げるには「金利差益」は不可欠。銀行なら住宅ローンなどを通して長短の「金利差」を利用できるが、そういうベースの無いヘッジファンド(HF)では通貨間の「金利差」に依存せざるを得ない。極端な「マイナス実質金利」の「円」は借入通貨として "垂涎" の的で、ドルとの「金利差」が5%もあればどうしたって「ドル円」を買いたくなる

 今年の1月もそうだったが、一度@141円台に落ちたドル円がモゾモゾと@147円台まで上がってしまうのはそういう背景があるから。HFの「高ボーナス」を維持するには不可避な現象ではあるが、今度は年初と同じと言うわけにはいくまい。▼20円もの急落で大怪我させられた後だけに恐怖感は残る

 *一度「利上げ」の "牙" を引っ込めた日銀だが「中立金利」≓ @1.0~1.5%への回帰路線はあきらめてはいまいドル円が@150円、日経平均が@37,000~38,000円に接近すれば再度 "牙" を剥いてくる今度は 「円高」のマグマ|損切丸 (note.com) が溜まる前に対処してくるはずで、HFやトレーダーが「円」を売れば売るほど 「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い|損切丸 (note.com) 事になる

 巷では今回の日経平均の動きを「日銀暴落」などと口さがない言葉を吐く勢力も存在するようだがお門違いも甚だしい。ゼロ金利を放置して@170~180円の「円安」を放置すればもっと酷い事になった「円キャリートレード」を起点に膨張していた株価はいずれ "調整" 不可避で、むしろこれで正常化。同じ@36,000円でも銘柄が入れ替わり「真面目な投資」に向く相場に変質した。国のトップは我々が思うより "高い次元" で物事を捉えている

 だから今恐る恐る「円キャリートレード」を走らせていても、暴落前のように ”ほったらかし” ”ガチホ” というわけにはいかないHFの手口を含めマーケットを熟知した前・財務官が内閣に配置されている以上、「利上げ」や「介入」のカードをあるべきタイミングで切ってくる。その警戒感はかつてなく強いはずだ。もう ”介入も利上げも効かない” なんて軽口は叩けない

 そしてもう一つ「円キャリートレード」にとって大きな問題は 続・押し寄せる「利下げ」の "波" ー だが長期国債の「需給」は...|損切丸 (note.com) 8/14には7月米CPI ↓ の発表を控える

7月米CPI(年率) 予想 +3.1% 前月 +3.0%
(前月比) 予想 +0.1% 前月 ▼0.1%
コア  予想 +3.2% 前月 +3.3%
(前月比)予想 +0.2% 前月 +0.1%

 6月のCPIはまあ ”出来過ぎ” だったわけだが、この相場の流れだと9月FOMCでの▼0.25%「利下げ」を否定するような数字は出そうも無い。特に大事なのは「コアCPI」。これが予想の範囲内なら大勢に影響はない。むしろ弱い数字が出れば金利低下に拍車がかかる

 この局面、「利下げ」でやっと「逆イールド」が解消して収益増加が見込める米銀はともかく、益々「円キャリートレード」が難しくなるHFは存亡を賭けた ”剣が峰” になる。無理をすれば "叩き合い" は激しくなり "壮絶" な「サバイバルゲーム」に備えて ー 論点整理。|損切丸 (note.com) 始まった"壮絶" な「サバイバルゲーム」 ー 「資産防衛」3つのポイント。|損切丸 (note.com) の様相を呈してくる。「新NISA」を始め我々日本人も ”巻き込まれ事故” には十分注意したい

 繰り返しになるが「ゼロサムゲーム」≓「誰かの損は誰かの得」HFが「損」してくれるとなら対日本人の構図は逆転これまで散々むしり取られてきた日本人はここからは「得」を取りに行ける立場になる。ずっと歯痒い想いをしてきた「損切丸」だがやっとここまで来た。それもこれも日本人が「投資」の経験を積んで「お金」の勉強をしてきたからこそ。ここからは「投資新時代」が始まる。「新NISA」も有効に利用したい

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