常に必要な ”ブーム” ”バブル” - 1番困るのはマーケットが動かない事。
「今度は1周回ってまた中国株か...。」
「損切丸」を時系列で整理してみた。|損切丸|note 「損切丸」を時系列で整理してみたⅡ。ー「過剰流動性」フローの変化。|損切丸|note 辺りを参考に読んで頂きたいが、とにかく人間は "懲りない動物" 。
「俺たちは "低金利" "過剰流動性" が好きなんだ!」 Ⅱ 。 ー 日米欧、その "優先順位" の違いとは...。|損切丸|note という事になるが、5月にはターミナルレート(FRBの政策金利の到達点)が@3%程度だったのだから、いかに見通しが甘かったか(敢えてそうしていた)が判る。
古くはオランダのチューリップ、日経平均に.com バブル(1999~2000)、最近ではビットコイン(BTC)や中国の不動産もそうだが、 ”ブーム” ”バブル” が常に必要だった。儲かっている内は「ガチホ」「ほったらかし投資」等々、強弁・豪語するトレーダーや投資家が出て来るので余計派手に見えるが、その後訪れる「戦後処理」が大変。「損切り」を吹聴する人は少ないのでひっそり "ご臨終" のケースがほとんどだ。
ここ数年最大の ”ブーム” ”バブル” は 米国債を中心とした 「死んだふり」の金利市場 ー 「嵐の前の静けさ」なのか?|損切丸|note だろう。まさに おかしいのは株価ではない、金利だ!!第Ⅳ部 -「金利上昇」は次の局面に。|損切丸|note 。この中で書いた「エリオット波動」的な米国債金利の分析では、「コロナ危機」発生後の2020年4月から始まった ”長期的波動” ↓ は2年半もの上昇周期を終えた事になり下降周期入り。株価の大幅調整、「ドル高」を含む2022年相場を動かした。
2022年唯一の ”光” だった「インフレ × エネルギー」 ”ブーム” ”バブル” もWTI(NY原油先物)が@72ドルを割り込んで既に「終戦」。今度は「ゼロコロナ」見直しで急反発する中国株に ”光” を見いだそうとしている。
22年に渡る現役時代にも思っていたが、ウォール街やファンドを中心とする投資銀行業界は本当に懲りない。リーマンショック(2008年)後に大変な「資金繰り」を担わされた身にもなって欲しい!(苦笑)。
その後、FRBやBIS(国際決済銀行)などから厳しい「流動性規制」が課され、強制的に長期資金の調達を強いられた大手銀行は一種の ”保険料” として年間1,000億円単位のコストを負っている。まあそのお陰で今回の激しい「利上げ」局面でもかつてのような「金融危機」は起きていない。
しかし今回、”100年に一度” のパンデミックで米政府が100兆円単位の「お金」を大盤振る舞いしたことから「過剰流動性」 ”ブーム” ”バブル” が再燃。今回危機の中心に銀行はいないが、その分「戦後処理」は厄介になる。つまり影響は「インフレ」という形で広く及ぶ事になる。
こうなるとそれを帳消しにしようと目論む輩が出てくる。 アメリカの需要は本当に弱まっているのか? - 裏で進行する「脱炭素戦争」。|損切丸|note でも書いたが、エネルギー価格の高騰をテコに専制国家が起こした「戦争」が最たる例だろう。
こちらも ”懲りない面々” ということになるが、これは生き残りを賭けた戦い。「インフレ」時には「お金持ち」も安泰ではなく、分け合えるパイが減る。だから "奪い合い" が起きて、国同士なら「戦争」、個人レベルでは「凶悪犯罪」が増える。日本も何となく殺伐としてきたのはそのせいだ。
ではウォール街が一番怖れるのは何か - それは相場が動かない事。
今のBTCのようになるのが一番困る。「損切丸」が唯一「首切り」の対象になったのが、2001年~の第2次「ゼロ金利政策」時。とにかく円金利が動かない。JGBや円金利先物のチャートはまるで心電図。横一線に動いたと思ったら、時々3~4ティック上下に動きまた横一線。こうなると相場観もヘッタクレもない。トレーダーは相場が動かないと何も出来ない。
ウォール街が2023年にかけて▼1,000人単位で「首切り」を行うと決めたのは、こういう「動かない相場」を想定してるからだろう。そうなればトレーダーは少ない方がいいし、付随する事務職も減らせる。実際住宅ローンの申し込みも急減してるし、まさに 銀行は知っている。|損切丸|note。
ここへ来て30年米国債金利が10年を下回る「逆イールド」が鮮明になっているが、最悪なパターンは金利の動きが止まってFXも方向感がなくなり、NYダウやナスダックも年間でCPIに相当する+5%ぐらいのリターンしか得られない展開。金利トレーダーは儲けにくく、積極的に動けなくなる。
金利の動きが止まればそこを起点とする株もFXも商品市場もボラティリティー(相場変動率)が失われ、マーケットは "ご臨終" 。
そういう展開を見越して、固定収入を得られる10~30年米国債を買う投資家が増えているのはある意味自然。「逆イールド」は苦しみのサインでもあり、2022年とは違った難しさが待っていそうである。
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