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"BEST" じゃなくて "BETTER" でいいⅡ

 "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい|損切丸 (note.com) の続編

 某大手生保経済アナリスト:” (今回の株価暴落は)日銀が景気がそこまでよくないのに利上げを急いだから” 

 *相変わらず何を言ってるんだか...日銀の「利上げ」後に日経平均が暴落したことは "FACT" (事実)だが、それはタイミングの問題。 「円安」が「円高」を呼ぶ ー 「キャリートレード」だって本当は怖い|損切丸 (note.com) で「円キャリートレード」の巻き戻しをある程度覚悟していた筆者からすれば「利上げ」はきっかけに過ぎない

 *日銀のせいにするのは毎度の事だが、世間の風潮に合わせるだけのコメントは聞くに堪えない。ここで必要なのは今後のマーケットの展望など前向きなコメント。 "当事者意識" が絶望的に無い。経済のド真ん中にいる大手金融機関がこんなだから日本経済は駄目になったと言っていい

 むしろ「利上げ」を先延ばしにしてドル円が@170円、@180円と「円安」に走った場合、日本人が "自家中毒" を起こしてキャピタルフライト(資本逃避)を起こす方が数倍怖い。その時は日経平均もJGB(日本国債)も叩き売られる訳で、その間「新NISA」が10兆円単位で積上がっていれば個人投資家ヘの負のダメージは今回の比ではなかったはず

 さすがに3日間で▼7,000円、1ヶ月で▼11,000円も下落するとは予想できなかったが、これがドル円、日経平均の実態  ≓ 「実需」より「リスクポジション」の影響力が拡大するマーケット|損切丸 (note.com) なのだろう。そのほとんどは「キャリートレード」「信用買い」「アービトラージ」(金利裁定取引)で成り立っている。見た目だけ筋肉質で中味はスカスカ

 「新NISA」はまだ始まって半年。積上がったポジションはせいぜい月2,000億円 × 半年 ≓ 1.2兆円規模。そのうち7割方が「オルカン」や「S&P」というから、日経平均の暴落で被害を被ったのは4,000億円弱

 元財務官の発言を聞いていると "こう言う状況" は日銀も財務省も十分把握していたはず。あのタイミングで「ドル売り介入」+0.25%「利上げ」に踏み切ったのは "BEST" ではないが "BETTER" な選択だったといえよう。実際これだけ下げても ”クライシス” の雰囲気は微塵も感じられない「リーマンショック」(2008)と比べるのは無理がある

 我々が思う以上に日銀、FRB、ECB、BoE等中央銀行は連絡を密にしており、 続・「過剰流動性」の総本山は日本 ー 気になる「円キャリートレード」の行方|損切丸 (note.com) の認識は共有されていたはず。つまり日銀が「利上げ」に動けば「キャリートレード」の巻き戻しが起る事はある程度想定内。だからこそのBoE、ECBの先行的「利下げ」でありFRBの本格的「利下げ」転換。この辺りはタクティクス(戦略)として練られていた

 米国債市場では9月FOMCで▼0.5%の「利下げ」を織り込んでいるので、株式市場の動向次第では市場で噂されているように▼0.25%「利下げ」を緊急理事会で決める可能性はある

 いずれにしろ欧米は金利を▼3~4%下げる余地がある。 「金利」が下がっているうちは大丈夫|損切丸 (note.com) なので、市場のメルトダウンを回避すべく必要な手は前倒しで打ってくるだろう。特に大統領選直前のアメリカでは、場合によってはFRBが▼0.5% × 3回連続のような思い切った「利下げ」を行う可能性もある

 日経平均は未だ 「落ちてくるナイフ」 ー 「金利の壁」も崩壊寸前。|損切丸 (note.com) なので下手に掴むと血だらけになる。ド底をピンポイントで買う "BEST" は無理なので、ここは落下が止まるまできちんと見極めてから動くのが "BETTER" 。東京市場引け後、先物が+1,500円以上上げているが、プライス面の不利は割り切って動くしかない

 繰り返しになるがこれは日銀のせいでもなければ「金融危機」でもない何年もかけて築いた儲けを吹き飛ばしてた投資家には気の毒だが「相場」とはこういうもの「手仕舞い」が甘かったと反省して今後に生かして欲しい。筆者は日本の「インフレ」は続くと考えており、日経平均@4万円超えはまだ十分有り得る。あとは他通貨との比較で「モノの値段」が決まってくる@140円程度ではインバウンドも減るまい

 IMM通貨先物もドル円も日経平均も1月の "振り出し" に戻ったので、ある意味ここからが本当の勝負慌てず焦らずか驕らず、かとと言って人のせいにせず、腰を据えてじっくり取り組んでいきたい。滅茶苦茶な「円キャリートレード」の積み上がりが無くなる分、かえってやりやすくなる

 政府も日銀も「新NISA」もヘッジファンドも いつか来た道 ー 「科学」に沿って果敢にリスクを取った者のみが果実を得る|損切丸 (note.com) "本当の実力" が試される相場になるだろう。筆者は歓迎する

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