![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127876042/rectangle_large_type_2_967bb9707f487cfe99598a2ce530e0f3.png?width=1200)
"BEST" じゃなくて "BETTER" でいい
BEST < BETTER ?
英語の文法が少し判る方ならこの "公式" が間違っているとすぐ気付く。 "BEST" (最良)が "BETTER" (より良い)を上回っているのは当たり前。ただ「投資」ではこの "公式" が成り立つ。"BEST" を求めすぎれば "BAD" (悪い)"WORSE" (より悪い)"WORST" (最悪)も有り得る
「新NISA」で最近話題の*「オルカン」(オールカントリー株式信託)だが年初1日1,000億円なだれ込んだ日もあり、残高は2兆円を突破。凄まじい勢いである。もちろん今の「円安」にも大きく寄与している
*米国60%を筆頭に先進国23カ国、新興国24カ国、計47カ国に為替ヘッジ無しで「投資」されている。日本株も5.5%含まれ、イギリス3.8%、中国3.6%、フランス3.2%( ↑ 標題グラフ)と続く
「円安」に動いてとりあえず年初来の運用成績はプラス、まずは一安心といった所だが、良く見てみると欧米の主要株式市場はほとんどマイナス、中国株はボロボロだ。一番 "成績" の悪いのは韓国市場だが、 "新興国" の中には似た状況の所もあろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1705450971351-qDPOUC20Nc.png?width=1200)
これをどう考えるか?
この動きは当然ウォール街も知っている。なのにNYダウやナスダックが下げているのは、彼ら自身やその主要顧客は「売り」をぶつけてきている事になる。これが何とも気持ち悪い
前稿. 日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?|損切丸 (note.com) でも解説した「グロソブ」がいい例だが、「XXさんも買った」というような ”流行り” に弱い日本人はずっと "利用" されてきた。厳しい事を言うようだが「相場はいつも一人ぼっち」。信じるのは自分のみである
” 「円安」に賭けるなら、筆者は2年以内の米国債かMMF”
こう言う言い方をしたが、FXで単純にドル円を買った人の方が儲かっているかもしれない。何と言ってもO/Nのドル金利は@5.31%もあり一番金利が高いからだ。「円」ベースでみればここまでは日経平均が最強
「円債はやはり買わない」
F生命の財務責任者が記事で述べていたが、昨日(1/16)の5年債入札を見てもテール(入札平均利回り-最高利回り)が長い国債入札が続いており、彼ら「純・円投資家」が札を引っ込めているのは明らか。今でもJGBで▼100億円単位の含み損を抱えており、巨額の運用資金を預かる彼らの「投資」スタンスこそ "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい
ドル建債で数千億円もの損失を出した地銀同様、生損保もそれなりにダメージを負っており**「利上げ」局面での国債運用抑制の必要性は身に染みている。米国で中堅行が米国債の運用失敗で破綻したような事態は極力避けたい。銀行破綻に慣れていない日本で地銀が潰れたりしたら大騒ぎだ
**この2年の「米国債暴落相場」の教訓:金利投資は「利上げ」サイクルが終了してからで十分。特に10~30年の長期債は取り返しがつかない。 "暴力的" な下落相場では「売る」チャンスはサッカーで言えば90分の内3分もない。「守り」に徹するイタリア流の "カテナチオ" (=鍵を掛ける、転じて失点せずに負けないサッカーの意味)しか対処方はない
日銀・財務省とも「利上げ」は嫌だが 「利下げ」に待った! - 日銀に "行動" を迫る「円安」|損切丸 (note.com) が現状。今回は「新NISA」で多くの日本人も ”敵” に回っているのが何とも皮肉。YCC修正等で積み上げてきた「円安修正」気運も完全に元の木阿弥でもう "不作為" は無理。いずれにしても ”行動” を迫られるだろう
![](https://assets.st-note.com/img/1705452857424-hNKDK9Km6k.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1705452873824-IUPzhCvHIG.png?width=1200)
最悪なのは「円安」で「利上げ」に追い込まれるケース。暴力的な金利上昇は様々な問題を引き起こす ↓ 経済の強固なアメリカでさえあの "ザマ" 。30年も "寝た切り" だった日本はなにをか言わんや。日銀・財務省の幹部は1970年代の ”安宅暴落” は知らなくとも1998年の ”運用部ショック” は経験済み。金利急上昇の恐ろしさは身に染みている
① ”安宅暴落” - エネルギー産業の安宅産業(1975年破綻)の「資金繰り」支援の一環として、旧大蔵省(現財務省)主導で銀行が保有国債を売却。JGBの大暴落をもたらした。当時の10年国債は@7~8%台で表面金利を@6%台まで引下げたが、逆に市場では売りが加速し一時@10%台まで急騰
② ”運用部ショック” - 1998年8月、当時国債を買っていた資金運用部(旧大蔵省管轄)が翌年1月から「買い切りオペ」中止を決定した事をキッカケにJGBは暴落。0.7%台だった10年JGB金利は一時@2.4%まで急上昇
そうなると気を付けなければいけないのは「新NISA」勢。今は「円安」だが「お金」が途絶えた途端に "逆流" が来る怖れがある。***ウォール街を中心とした「ドル売り」「株売り」は当然その展開を読んでいる
***「南北戦争」で当初「南軍」優勢と見せかけて株価を急落させ、落ちた所を買いまくったユダヤ人が「北軍勝利」による株価急騰で莫大な財をなしたのは有名な話。現在のウォール街の礎を為している
”投資やトレーディングは人生を何回もやり直すようなもの”
こう表現した事があるが「人生」もまた "BEST" じゃなくて "BETTER" でいい。リスクもあるし色々な事が起るが「最善」を目指して手が縮こまるより少し気楽に構える方が柔軟に対処出来る。 ”やってみなはれ” というのはおそらくそういう事で、その方が「結果」は良くなる。大事なのは自分を納得させることだろう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?