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工業技術系・製造系企業のホームページや事業案内で書くべきこと

ライティングの仕事では、いろいろな業界の企業のテキストを書きます。私の場合、多いのはIT系やサービス、システムに関する仕事についてです。この分野の皆さんは自社サービスを説明するのに慣れている印象があります。

少し勿体ないなと思うのは工業技術系・製造系の仕事に関わるときです。話を聞いていると「その技術が他社の真似できない部分では?」「だからお客様が選んでくれているのでは?」という長所がたくさんある。

でも日々そこへ勤める人とっては当たり前のこと過ぎて、セールスポイントとは思われていないようなのです。

そこで今回は、技術系・製造系の導入事例や事業案内で「これは具体的に書いたほうがいい」と思うポイントを挙げてみます。私にとってベストなのはライティングのお仕事を依頼されることなのですが(笑)ご自身で書くときもちょっと意識してみてください。

技術名や材料名について明示する

もしこんな記述があったらどうでしょうか。よく見かける言い回しです。

お客様のご要望にお応えし、他社にない高い技術力を提供いたします。

この文章には重大な問題があります。それはどんな企業にも当てはまってしまうこと。

どんな企業でも「お客様のご要望にお応え」して「高い技術力」を売りにしています。これだけでは差別化ができません。何が他社より優れていて、何を頼んでよいのか、手がかりがゼロと言っていい状態です。

事業案内や導入事例でのカギは「うちと他社で何が違うか」「なぜうちに頼むとメリットがあるか」を明確に表すことです。上記のような記述はもっと具体性とオリジナリティを持たせなければいけません。

そこで技術系・製造系の企業が持っている武器が、技術名と材料名です。

例)精密な金型製造によって歩留まりの良いプラスチック成形を実現します。
 ↓
弊社が開発した○○技術によって金属の収縮率をコントロールし、μm単位のプラスチック成形を実現する金型を製造します。○○技術を使えば▲▲工程を経ずに加工できるので歩留まりが高く短納期での対応が可能です。

例)あらゆる材料にも対応できる技術力があります。
 ↓
従来なら加工が難しいとされた○○樹脂▲▲ポリマーにも対応、課題だった添加剤の分解冷却時のヒビ割れによる破損を防ぎます。過去には自動車・航空業界の部品でも応用しました。

どちらの例も上より下の例のほうが内容が具体的で「何ができるのか、何をしてくれるのか」が分かりやすいと思います。

そして具体的な技術名や材料名を入れるとSEOで有利です。その単語で検索したときにヒットしやすくなります。「樹脂が破損して困る」という課題がある人は「樹脂 破損 防ぐ」というようなワードで情報を探すでしょう。それを見越した単語を掲載しておくと本当に必要な人へ情報が届きます。

同じ「高い技術力」でもいろいろな形容方法があります。自動車や航空業界の厳しい基準をクリアした実績がある、大手メーカーと一緒に開発して大量に受注している、シェアを占めているなど、その理由も書きます。読んだ人が納得しやすいからです。

できるだけ数値を出す

どのくらい伸びているのか、どんな細かさや大きさで対応できるか、数値で表せるところを探します。数値の絶対値でなくても、前年比など割合を使って表現できる場合もあります。

シェア拡大 → 業界○%/前年比○割増
売上アップ → 金額○○円/前年比○%達成
件数    → 月○件/3年前の○倍になった
取扱単位  → μm・nm/直径○mまで対応/薄さ○mmの加工
納期    → 平均○日を実現/従来より○日短縮

お客様の声を聞いて明文化する

意外と皆さんノーチェックなのが、既存顧客の声です。同業他社からわざわざ自社を選んでくれるのには必ず理由があります。採用や導入の前には他社比較があったはずです。その上でなぜ選んでくれたのか、営業担当者を経由してぜひ直接尋ねてください。

いろんな理由が考えられます。

・難しい形状でも引き受けてくれた
・コーティングの技術がうちに必要だった
・コストが圧倒的に安かった
・担当者の対応が良かった、人で選んだ
・短納期の相談に乗ってくれた
・この材料で他社に断られたが、ここはOKだった
・手続きを助けてくれた

こればっかりは直接お客様に聞いてみないと分かりません。しかし、ここで得た「だから選んだ」という理由は他社にはないオリジナルの強みであり、推すべきポイントです。聞いた後に必ずホームページや事業案内で未来のお客様に知らせてください。

事業案内や導入事例の書き方はここでも紹介しています。

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