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列島考古学

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列島考古学 文字文化の定着-弥生から古代まで-

列島考古学 文字文化の定着-弥生から古代まで-

(約1800文字・購読時間2分20秒)

弥生時代

 紀元後3世紀中頃までにあたる縄文時代の後、水稲農耕を主とした生産経済の時代で、日本の移動史が大きく変革するきっかけとなった時代でもある。大陸から北部九州へと金属器や水稲耕作技術を中心とした生活体系が伝わり、九州・四国・本州に300~400年近くかけて広がったと考えられている。日本に移り住んできた人々が、水田稲作を元にした集落を作り、その技術を

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列島考古学 移動する生活から定住する暮らしへ

列島考古学 移動する生活から定住する暮らしへ

(約1700文字・購読時間2分10秒) 

 日本列島における旧石器時代から縄文時代への移行は、自然環境と人類文化の両側面に見られた歴史的画期と言うことができる。この変化は、全球的な大規模気候変動期である氷期から温暖期への移行期に相当する。およそ2万年前の旧石器時代の平均気温は現在よりも5-7度低かったと考えられている。地球は最終氷期といわれる時代の中でももっとも気温の低い時代にあたっており、陸は

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列島考古学 旧石器時代における細石器の特徴とその製作上の効率性

列島考古学 旧石器時代における細石器の特徴とその製作上の効率性

(約800文字・購読時間1分00秒)

 細石器とは、打製石器の一種で、小型かつ刃の特徴を持つ石器である。日本国内では一般的には旧石器時代後期に分類される。木や骨角の軸に数個はめこんで、ナイフ・槍・鎌として用いた。日本列島の旧石器時代の最終に現れたのが、この細石器を使った細石刃文化である。本州でこの文化のもっとも古い年代は静岡県休場遺跡の14,300年前で、終末は12,000年前にむかえた。北海道

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