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歳時記を旅する16〔水馬〕後*水馬踏まへし水の堅さかな

磯村 光生

(平成五年作、『花扇』)

女子高生三人が、アメンボの新種を六十年ぶりに発見。

「長崎県立長崎西高生物部の三年生三人で構成する研究グループが新種のアメンボを大村湾で発見したとして一日、カナダの国際学術誌ホームページで発表された。
アメンボの新種発見は六十年ぶりの快挙。
生徒らは学名『アクアリウス・ハリプロス』、和名『ナガサキアメンボ』と命名した。
(中略)昨年六月、大村湾に生息する絶滅危惧種の海産アメンボ四種の調査を始めたところ、淡水に生息するナミアメンボにそっくりな個体が海面で群れているのを発見、採取。
『海産アメンボ類は丸っこい紡錘形。なぜ淡水にいるはずの細長い種が海面で生息しているのか』と疑問を抱いた。(略)」
(平成三十年五月二日 長崎新聞社) 

アメンボの脚は水を踏み抜きそうに見えるが、句の通り、水が堅いからと言われれば、簡単に納得するのである。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』「風の軌跡―重次俳句の系譜」令和三年七月号)

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