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浜下り(ハマウリ)の由来話の由来

【御礼】#日本史がすき 応募作品の中で、「【御礼】沖縄の3月3日」が先週特にスキを集めました!とのことでした。
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沖縄の旧暦3月3日は女の節句で、浜下りです。 〈2022年は4月3日)
海辺に足を漬けて邪気を払い、健康を祈願する日です。
主に女性が、重箱などに御馳走を盛り、海辺の砂浜でお重を開いて踊り遊ぶ日なのだといいます。

その由来として広く知られているのは、美男子に姿を変えた蛇の種をやどした娘が、海の潮で払い流したという話です。(*1)

3月3日の節句にまつわる中国の故事があります。

『続斉諧記』に、(略)…漢の章帝の時、平原の徐肇、三月を以て初めて三女を生む。三日して倶に亡くなるに至る。一村以て怪と為し、乃ち相い与に酒を携えて東流の水辺に至り、洗滌して災を去る。…

宗懍『荊楚歳時記』東洋文庫 1978年

漢の時代、平原へいげん除肇じょちょうという女性が3月初めに三つ子の女の子を産んだのだが、3日たってみんな死んでしまった。そこで村人たちは、汚れのせいで祟りがあったのではないかと心配になり、ともに水辺に出てそそぎ洗いし、汚れを祓ったというものです。

浜下りの由来話とこの故事は、女性の出産のことで三月三日に海辺で汚れを祓う、という点では、非常によく似ています。

沖縄の浜下りも、遠く中国からさまざまな変遷を経て各地に定着した上巳の節句の風習の一つのようです。

*1…浜下りの由来話について、e-magazine LATINA さんに文献の記事がありますので、以下、ご紹介します。

(岡田 耕)


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