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「82年生まれ、山田裕子」も絶対いる

ベストセラーだけあるのは共感が共感を呼んで広がったからなのだなと思った。映画よりも小説のほうがより生々しく憤りが感じられる描写が多く「どうして我慢するの!」と思わず怒りが込み上げてくることも何度か。でも、我慢しないといろんな周りの状況・人が壊れてしまうから、今まで努力してきたものが無駄になってしまうと思ってしまうから、我慢という選択になってしまう。ハラスメントを受けても、恐怖心や羞恥心から何もできずに過ぎ去ってしまったことが世の中にはきっと数限りなくある。そして、そのハラスメントはずっと被害者の心に残り続ける。

・セクハラと言われる見て分かりやすいハラスメント
・昔からの常識や慣例からくるハラスメント
この本に書かれている出来事は、大きく分けるとこの2つなのかなと。

正直に言うと、私はセクハラを受けたこともなければ、女性だからと言う理由で嫌味を言われるようなことも無く今まで生きてきた。たまたま。だけど、これから私は(おそらく)結婚をして、妊娠をして、子供を産んで育てていく。その過程でもしかしたらこの本の主人公・ジヨンのような境遇になり、精神的にも落ち込むかもしれない。女性であれば誰しもが同じ境遇・気持ちになり得るな、とこの本を読んで思った。

ちなみに韓国における82年生まれの女の子で一番多かった名前が「ジヨン」だったそう。日本の82年生まれは?と調べたら「裕子」だった。もちろん「山田裕子」は架空の人物ですが、この小説のように同じ思いをした(してる)日本人女性もたくさんいるはず。

というような感想を書いている時にたまたま見つけたこちらの動画。スウェーデンのストックホルムに住むソフィアさんの子育てが映されていた。

スウェーデンでは男女ともに育児休暇を取るのが当たり前で、期間もそれぞれ同じくらいなのだとか。日本に暮らす日本人としては「すごっ!」と驚いてしまう。小説の舞台である韓国でも同じリアクションなのでは?。日本や韓国でも、男女平等の育児休暇が「あたりまえ」になってくれたらいいのに。(そしてソフィアさんの空気感がとても素敵で、終始動画に見惚れていた。)

今は男性よりもライフスタイルの変化に影響を受けやすい女性だけれど、出産は物理的に産休を取るのが正しいが、子育てのために仕事をやめるのも女性が大半であり常識だという現実から少しずつ離れていくといいな。

以前は当たり前のように使われていた「イクメン」という言葉は良い言葉のように感じられていたけれど、今「〇〇のパパはイクメンよね〜」なんて言ったらむしろ「イクメンなんて言葉、まだ使ってるの?」という風潮になりつつもある気がしているのだけど、、、どうなのかな?

スウェーデンに、イクメン的な言葉が存在するのか気になる。

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