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【書評】渡邉大輔、相澤真一、森直人、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター編『総中流の始まり 団地と生活時間の戦後史』(青弓社、二〇一九)

【書評】渡邉大輔、相澤真一、森直人、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター編『総中流の始まり 団地と生活時間の戦後史』(青弓社、二〇一九)

渡邉大輔、相澤真一、森直人、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター編『総中流の始まり 団地と生活時間の戦後史』(青弓社、二〇一九)は一九六五年に神奈川県の六つの団地を対象として行われた統計「団地居住者生活実態調査」のデータを分析する一書です。一九七〇年代からしばしば言われるようになる「総中流」の生活様式が萌芽した時代において、団地という空間で人々がどのような時間を生きたの

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【書評】上田誠二『「混血児」の戦後史』(青弓社、二〇一八)

【書評】上田誠二『「混血児」の戦後史』(青弓社、二〇一八)

 上田誠二『「混血児」の戦後史』(青弓社、二〇一八)は、著者が地域研究の過程で資料に接した澤田美喜の乳児院、小学校、中学校を視座として、主に占領期の米国軍人と日本人との間に出生した混血児をめぐる教育のありようを歴史的に叙述した一書です。澤田は三菱財閥の創業者岩崎弥太郎の孫娘で、夫は外交官の澤田廉三、一九四八年二月に乳児院エリザベスサンダーホームを創設したのを嚆矢に、生涯、混血児の教育に熱意を傾けた

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