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勉強ができるようになりたい人へ

今週Twitterに投稿した記事の中から、やる気はあるのに成績が伸び悩んでいる中学生、高校生、中学受験生、高校受験生、大学受験生に有益なものを一気に読むことができるようにまとめました。

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10月28日

◆医学部受験で思うこと

今でも人気が根強い医学部受験ですが、医学科に入学してしまうと、その後は「暗記と試験」の繰り返しで、国試を経て医者になってしまいます。 患者側としては、他人の気持ちを汲んだり思いやりの心を持ったりすることを医師に望みますが、そういった人間性を育む機会は6年間で事実上ないも同然です。

高卒からいきなり医学部進学→医師ではなく、他の学問分野を修めたり社会を経験したりした人を医学部に迎える方がよいように思います。 ただ、医者の側としては、現状をあまり変えて欲しくない、医師の数をできるだけ減らしたいという事情があり、十年後もおそらくは今のままでしょう。

◆四当五落

かつて「四当五落」という言葉がありました。4時間睡眠の人は試験に合格し、5時間睡眠の人は落ちるという意味で、睡眠時間を削って勉強するよう勧める言葉です。 必要な睡眠時間は個人差が大きく、明石家さんま氏みたいな超ショートスリーパーの人もいれば、毎日10時間寝ないと落ち着かない人もいます

一般的に考えて、十代の子の4時間睡眠や5時間睡眠は短すぎて、長く続けていると心身に不調を来してくるはずです。授業中に居眠りするなどなんらかの代償を伴っている可能性も高いです。 睡眠時間にとどまらず、準備を早めにしておくと何事にもゆとりが生まれ、それがゆくゆくは自信に繋がります。

10月27日

◆東大英語1番の要約文は含蓄深い

東大英語の1番は例年英文の要約問題が出題されます。受験生は問題を解くのに必死でしょうが、ゆっくり読んでみるとけっこう面白いことが書かれています。 私が一番好きなのが2010年前期の問題で、科学の進歩とSFの想像力について論じたものです。市販の問題集でもおそらく簡単に見つかると思います。

◆最後は精神力

高校受験であれ大学受験であれ、受験は最後は精神力に依る部分が大きいです。 私が10代の頃はネットがなかったので、比較的勉強に専念できる環境が整っていました。今はスマホにゲーム、ネットなど誘惑が多くて、昔の受験生よりも初志貫徹する鋼の精神力が求められます。 多岐亡羊にならぬように。

◆どのように「暗記」するかが大切

受験で「暗記」が占める要素は非常に大きく、どの程度効率よく覚えられるかは個人差が大きいです。 私は消費量が見えるボールペンを使いながら、手を使って覚えるスタイルでした。目だけでなく手や身体、感覚などと関連づけていくと、暗記しやすくなることがあります。

◆三平方の定理、5分間できちんと証明できますか?

これまで中学3年生から高校生までいろいろな生徒を教えてきましたが、いきなり「三平方の定理を証明してみて」と尋ねて5分以内に説明できた人はほとんどいませんでした。 こういう基本定理の証明は難問や応用問題を解くときのヒントになることもあるので、決して疎かにするべきではないです。


10月26日

◆定期テストに強い人、模試に強い人

大分県内では中3生向けの全県模試2回目がそろそろ実施される頃です。私自身も遠い昔に受験しましたが、学校の定期テストの成績上位者と模試の成績上位者がけっこう違っていて驚いた記憶があります。

◆努力はいつ実るか?

「努力は実る」。某予備校が看板に掲げていることで有名です。 私の経験では、努力して事を成し遂げたという成功体験は、その後の人生で大きな糧になります。努力無しの成功から得られるものは少ないです。それを若い頃に気がつくか、年を取って気がつくか、その差は人生を左右します。

◆とある男の授業

タイムラインで「とある男が授業をしてみた」というチャンネルが出てきたので見に行ったら、想像以上にすごい方でした。私もこの人が動画投稿を始めた頃に解説動画をYouTubeでアップしてましたが、すぐに更新をやめてしまいました。 10年以上もやり続けているのは本当にすごいです。


10月25日

◆カリキュラム通りには大抵進まない

向陽中学校は大分県内では屈指の人気進学校ですが、私が中高だった頃には存在しない学校でした。2006年に学校運営を再開したので、まだ実質的に15年ほどしか経っていないようです。 学校のサイトでカリキュラムを見ると、中2で中学校の授業が終わり、中3~高2で高校の内容を終える形ですね。

しかしながら、私が指導してきた中高一貫校の生徒を見ると、理系数学を高3の一学期いっぱいで終わらせるケースが多かったです。高2の終わりの時点で数IIIの最後まで行っていた学校は見たことがないですね。 現実には難関理系大学・学部や医学部を狙うなら、高2冬で数3の基礎は終えておきたいです。

◆首都圏の中学受験は頭を使いすぎる

東京都内の大半の有名中学は2/1~2/3の日程で受験日が組まれており、1日目の成績次第で2日目と3日目の組み合わせを決めるので、特に3日目は「念のため」ということで、複数の学校に出願する受験生が多いようです。中学受験は親御さんにも相当な負担がかかりますね。

◆勘を養う

どの科目にも言えることですが、しばらく問題を解いていないと、勘が失われてきます。生徒だけではなく教える側の方も日々努力を怠ってはいけません。 最近は入試問題を公開する学校も増えてきたので、問題を探すのは苦労しなくなりました。自作プリントをネットで公開している先生も多いです。

◆受験で身につくことの9割は大人になって役立つ

受験勉強で身につくこと、例えば無理のない計画を立てて目標に向かっていくとか、規則正しい生活を送ることとか、効率の良い暗記法とか、学生のうちは押しつけられているように感じますが、 大人になるとそれら全てが生きていく上で必要不可欠なノウハウであることが分かるようになります。


10月24日

◆開成中学社会の名物問題

塾の中には有名私立中高の受験ツアーを組むところもあります。開成中はその対策として、東京に住んでいる人しか分からない問題を社会で出します。 御徒町駅のホームの数や三越デパートの前の動物など。

◆灘と筑駒は変人奇人率が異常に高い

私は今までいろいろな有名中高出身の同級生や先輩、後輩、生徒を見てきましたが、際だって変人が多いと思ったのが灘と筑波大附属駒場出身者でした。「普通」であることを許さない校風なのでしょう。 自分の子どもを入学させたいと思ったのは筑波大附属です。今年皇族が入学すると聞いて驚きました。

◆筑波大学附属中高の魅力

筑波大附属に通う複数の子を中学→高校と数年間にわたって教えましたが、高校からは私服になり、大変自由な校風でした。 また、学校の進度は際だって速いわけでもありませんが、小→中→高の内部進学時に全員が上に進めず、生徒のレベルも高いので、それなりに緊張感があります。

◆たまには紙の辞書も悪くない

今でも多くの中学生は紙の辞書を購入しますが、実際に使ったことがある人はほとんどいません。彼らは基本単語にさまざまな意味があることを案外知らないです。 かつては辞書で英単語を引く時間で英語の実力が分かるといわれていました。私は高校の時にジーニアス英和辞典を買い換えました。

◆中高一貫校の補習はけっこう大変

プロ家庭教師としての指導科目は英語、数学、理科(物理、化学、生物)、社会(中学、世界史)ですが、指導依頼の多くは数学と英語です。 英語と数学は多くの参考書や問題集が本屋に溢れており、また補助教材もネット上で簡単に入手できます。案外手強いのが、中高一貫校の理科や社会の補習指導です。

学校の先生が市販の問題集や参考書に沿って授業を進めてくれるのなら、家庭教師の指導も型にはまったものになるので、それほど手強くはありません。 しかし、先生が独自の教材を使い、単元の順番も無視して授業する場合、生徒の多くは混乱し、果ては苦手科目になってしまいます。ありがた迷惑ですね。

◆中学受験経験者はHowを知っている

中学受験を経験した子と高校受験で初めて受験を経験する子の最大の違いは、宿題等で「○○をやりなさい」と言われたときに、「どのように」「どの程度」、つまりHowを知っているかどうかだと思います。 いったん手段さえ分かってしまえば、中受を知らなくても学習の飲み込みは早いです。

◆修学旅行に鉄緑会の宿題を持っていく?

首都圏の難関中高の生徒を指導していた時、何度も聞いた話で印象的だったのが、修学旅行に鉄緑会の宿題を持ってくる同級生がいるというものでした。 周囲が旅行を楽しんでいる中、塾の宿題をバッグに入れて持っていかなければならないという精神的プレッシャーはいかほどのものでしょうか。

10月23日

◆東大でもセンター試験でも出た猫の毛の色の遺伝

今から15年ほど前、東京大学の生物で、猫の毛の色をテーマにした問題が出題されていました。親とは似ても似つかぬ色が現れるので、猫クローンを商業化するのは困難だという話を聞いたことがあります。 また、2019年のセンター試験生物(現在は共通テスト)でも猫の毛に関する問題が出題されました。

◆25年と26年中学受験生はサンデーショックに注意

最近の一貫校ブームで中学受験の世界はますます苛烈になっているようです。 首都圏の中学受験生の間で話題になるのが「サンデーショック」。キリスト教系の学校が日曜日の試験を避けるので例年と違う試験日程になり、併願校の組み合わせが難しくなります。直近だと25年の受験生がこれにあたります。

◆5文型/自動詞他動詞を知らずに英文は読めません

時々英語の5文型を知らない、あるいは塾や学校で習っていないという中学生・高校生に出会うことがあります。 英語を学習する上で自動詞・他動詞の区別ができなければ、英語という受験科目を放棄しているに等しいと言えるくらい、非常に重要であり本質的な部分です。

10月21日

◆若者ほど今の日本に危機感を感じている

最近、海外に出て給料が○倍になった! というニュース記事を頻繁に見かけるようになりました。かつては大卒後に国内大手企業に就職、そのまま定年退職まで働き、老後は退職金元手にのんびり、という人生設計が当たり前でしたが、今の10代の子に昔の栄光を説いても説得力がまるでないでしょう。

もはや英語は受験科目の一つではなく、実際に自分が生きていく上で絶対に必要なもの、もう一つ外国語ができて初めて競争力が持てる、という時代になっています。英語が話せないというだけで職業選択の幅が狭まってしまいます。

◆中高一貫校のカリキュラムは無駄がないが躓くと地獄

入学偏差値が高い中高一貫校は大学受験までのカリキュラムに無駄がなく、学習効率がよいとされています。実際そうではあるのですが、無駄がない分、一度どこかで躓くと這い上がるのに大変な苦労が必要です。学校側は不出来な生徒がいても、ほぼ放置状態。一貫校の授業フォロー需要は意外と大きいです。

◆偏差値が上がるほど放任主義の首都圏進学校

私は東京でプロ家庭教師の仕事をしていた頃、首都圏で最難関とされる中高一貫校の生徒を多く見てきました。開成、筑波大学附属、桜蔭、海城、武蔵、渋谷教育学園幕張、市川・・・。入学難易度が上がるにつれて学校がまともな受験指導をしていないのが非常に興味深かったです。

そんな中、慶応SFCの子を指導したときは、あまりにも「開放的」すぎて驚いたこともありました。その子は親と一緒になって夏休みの宿題を私にやらせようとしたので強くお断りしました。 進学校と大学まで一貫校ではやはり学習に対する生徒の姿勢が全く違います。

10月20日

◆受験校の過去問集は早めに揃えておこう

受験生なら志望校の過去問集(大学受験であれ高校受験であれ)を早い時期に手に入れ、本棚の見える位置に置いて士気を高めるべきだと思います。 しかし、志望校の過去問を全て揃えていないご家庭が案外多いです。過去問集は発行部数に限りがあり、試験日が近づくと入手が困難になることもあります。

◆SAPIX中学部最上位クラスは旺文社電話帳が宿題だった

もう10年以上前の話ですが、SAPIX高校受験部(中3生)では、毎年春頃に出版されたばかりの旺文社の「全国高校入試問題正解」が渡され、夏休み前までに全部の公立高校を、夏休み中に全部の国立私立高校を、それぞれ解くことが課題として出されていました。今まだ続けているのかどうかは分かりません。

◆中高一貫校の先生が好むテキスト

以前と比べると、中高一貫校化が進み、高校入試を実施しない難関私立高校が増えてきました。 中高一貫校の生徒が使っている事実上の教科書としては、体系数学や精解中学数学、A級問題集のことが多いです。 英語はかつてプログレス全盛期がありましたが、最近はあまり聞かなくなりました。


10月19日

◆英語はサバイバルツール化しつつある

外国為替市場は1ドル149.4円台に突入しています。昨日は海外へ出稼ぎに出る若者が増えているというニュース記事が出ていました。以前に増して英語運用能力が「生きていくために」重要になっていくでしょう。

私自身も英語を改めて勉強し直しているところです。受験英語は実用英語にあまり関係ないという声が昔から根強くありますが、外国の知識人と話をしたりニュース記事を読んだりするときは、むしろ受験英語の知識が役に立つことが多いように思います。

◆試験日まで残り◎◎日

23年の大学共通テストの試験日(1/14~15)まで、残り87日になっています。ここからは過去問や模試の問題など実戦形式の演習に取り組んでいきましょう。焦ってくると得意な科目ばかり勉強しがちですが、対策が遅れている科目こそ、もっとも効率的に点を上げやすいです。

10月17日

◆十代の子はデリカシーの塊である

家庭教師の指導経験上、試験日が近づいてくると、「絶対に自分は合格できる」という強い確信がある受験生の方がやはり最後まで集中して勉強に取り組むことができるように思います。逆に、「絶対ダメだ」とか「記念受験だから」と弱気の子は、最後の最後で馬力がききません。

とはいえ、目の前の受験を控えて不安な十代の子に対し、大人が一方的に強い精神力を期待しても、それはさすがに無理というものです。試験が気になってなかなか勉強に手が付かない受験生には、まず心のよりどころとなるものが必要です。

10月16日

◆論理の流れを重視する

数学は論理を重視する分野、計算力を重視する分野、図形の処理を重視する分野など、いくつかの異なる領域から成り立っています。案外見過ごされがちなのが「論理」で、 ・AはBである。なぜならばCだから。 ・AはBである。ゆえにCである。 数学の答案はこの流れが常に意識されなければいけません。

論理の流れを意識するようになると、世の中の政治家や有名人の発言が案外非論理的であることに気がつくかもしれません。 論理学の大家クルト・ゲーデルはアメリカ国籍を取得する審査の席で、合衆国憲法には致命的な論理的矛盾があると指摘し、独裁体制に合法的に移行できると述べた話は有名です。

実は世の中は案外非論理的な要因(発言者の声の大きさや社会的地位、名声、その場の雰囲気など)で成り立っている部分の方がむしろ多いです。 数学の本質はそういった余計なものを取り去ってしまった純粋化された学問であることにある、といえるでしょう。


10月15日

◆英語の出来不出来は将来の収入に直結する

急速に進んでいる円安の影響で、以前に比べて海外で働くこと、海外向けの仕事に就くことの重要性が身にしみて理解できるようになってきました。今後も円安基調は当面続くものと思われます。 今の若者は英語(外国語)ができないというだけで、職業や収入の幅が狭められることになるでしょう。

受験英語はまず単語と文法、それに多読多聞です。 本屋さんに行けば学年やレベルに応じた単語帳・文法問題集が山のように見つかります。暗記物についてはどのルートを辿っても努力が必要ですので、学校や塾指定のものから手をつけるのがよいでしょう。

10月14日

◆勉強は塾、学校は社交の場

首都圏の中高一貫校の場合、入学する難度が高くなるほど(開成、武蔵、筑波附)、学校はほとんど受験対策を行ってくれません。彼らの多くは学校を単なる社交の場として捉え、受験対策は鉄緑会などの塾に任せるという形になります。逆に受験指導そのものは地方の中高一貫校の方が遙かに充実しています。

いくら将来の大学受験のためとはいえ、中学1年生から鉄緑会などの進度が速い塾に通い、かなり窮屈な勉強を強いられると、一部の例外は別として、多くの子は塾に通うのが決して楽しいとは思わないでしょう。 ただ、あくまでもそれは「塾」なので、進度が自分に合わないと感じれば、いつでも辞めることができます。しかしこれが学校ならそうもいきません。

◆学校に逃げ場はあるか?

大分のような地方一貫校の場合、先生方があまりにも張り切りすぎて、生徒が到底こなしきれない分量の宿題を課したり、ついていけない生徒は置いてけぼりだったりというケースが多そうです。私自身も高校時代は勉強していた思い出しかありません。家庭教師に期待される役割も生徒の環境によって当然異なってきます。

特にご希望がある場合は別として、地方の生徒を指導する際は、学校の宿題を効率良く終わらせ、心や時間に余裕を持ってもらうことを最優先にします。受験指導が充実しているのは聞こえがよいですが、学校と塾が完全に一体化していて、一度躓いてしまうと生徒に逃げ道が一切なくなってしまうのです。

鉄緑会並みに進度が速い学校の場合、一度でも学習で躓いてしまうと、”分からない”の負債がどんどん溜まっていき、遅れを取り戻すことすら困難になります。 本当はやる気があるのに、立ちはだかる壁の高さを前に、すっかり自信を失って立ち往生している生徒さんの力に少しでもなれればと願っています。

10月13日

◆過去問を3年分解かずに本番を受けるなかれ

受験生は、志望校の過去問集に取り組み始めなければいけない時期です。試験本番までに最低3年分は解いておきましょう。また、問題を出題する先生が変わらないためか、学校によっては同様の問題がテーマをやや変えながら繰り返し出題される場合もあります。つまり過去問研究が合格への最短路です。

◆今の受験の合否は質より量が左右する

中学生や高校生のお子さんをお持ちの親御さん世代と、今の中高生が置かれている環境は完全に異なっています。2000年代に入り、東京大学を始め多くの学校で入試問題が平準化され、極端な難問奇問は出題されにくくなっています。質より量がモノをいう時代です。いち早く受験勉強を始めた者が勝利します。

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