麺の「隠れ塩分」知っていますか?〜おいしく健康に麺を楽しむコツ〜
こんにちは。おいしい健康 管理栄養士のノアです。
いよいよ夏本番の暑さになってきましたね。
暑くなってくると食べたくなるのが麺料理。
「暑くて食欲が出ない」「汗をかくからキッチンに長く立ちたくない」
という時にも、さらっと食べられて、調理も簡単なので、
麺は夏の食卓には欠かせない食材です。
◆スープだけじゃない?麺料理に含まれる塩分
うどんやラーメンのスープには食塩が多く入っているため、スープを残して、食塩の摂取量を気をつけていらっしゃる方も多いのではないのでしょうか。
ただ、食塩はスープだけでなく、
麺自体にも含まれていることをご存知ですか?
麺類には、食塩が含まれているものと、そうでないものがあります。
そばやスパゲッティは、ゆでるとほとんど食塩が無くなりますが、
そうめんやうどんは、ゆででも食塩が残ってしまいます。
そうめんの食塩相当量は、1人分乾麺75g(ゆで上がり203g)で0.4g。※1
うどんの食塩相当量は、1人分乾麺80g(ゆで上がり192g)で0.6g。※1
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、
1日の食塩摂取量は成人女性で6.5g未満、成人男性で7.5g未満が
目標量とされています。※2
そうめんやうどんをめんつゆと食べたり、他のおかずと一緒に食べると、
さらに食塩摂取量が増えてしまします。
1日に3回食事をとることを考えると、
1回分の食事で摂取する食塩の量は2g程度に抑えるのが理想です。
◆そうめんとうどん おいしく減塩するには?
前述したように、麺料理はどうしても塩分が高くなりがちです。
減塩するためには、めんつゆなどの調味料の使用量を減らしたり、
減塩タイプの調味料に変えたりする必要がありますが、
”ほんの少しの工夫”でおいしく減塩できますよ!
そこで今回は、おいしく減塩するコツを5つご紹介いたします。
①香りのある香味野菜を使う
青じそやみょうが、ねぎ、セロリ、しょうが、にんにくなどの香味野菜や、バジルやパセリなどのハーブを取り入れてみましょう。
香りのあるものを加えると、おいしさがぐっと増しますよ。
②香辛料で味にアクセントをつける
こしょうやとうがらし、しょうが、山椒、カレー粉などの香辛料は、
料理の味にアクセントをつけてくれるので、減塩料理の強い味方です。
塩や醤油などの調味料の量を減らして、香辛料を加えて味を調節
してみてください。
③酸味を効かせる
お酢やレモン汁などを加えて酸味を効かせると、
さっぱりとするだけでなく、料理のうま味が引き立ったり、
味がまとまりやすくなります。
また、酸味を少し加えると、塩味を実際よりも強く感じられるようになるので、減塩料理にぴったりです。減塩料理にぴったりです。
④味にメリハリをつける
全ての具材に味付けをすると、どうしても食塩摂取量が多くなってしまいます。そのため、1つの料理の中で味付けをしっかりとつけるものと、
「切っただけ」や「ゆでただけ」など味をつけないものを組み合わせると、味にメリハリが出て、少ない塩でもおいしく食べられます。
⑤だしや食材のうま味を効かせる
昆布やかつおなどでとるだしは、調味料の代わりになります。ただ、
市販の和風のだしの素には、食塩が多く含まれている場合があるため、
成分表示を確認したり、食塩無添加のだしの素を選ぶようにしましょう。
また、トマトやきのこ、豆乳などうま味の強い食材を使うと、
味に奥行きが出て、満足感が出せますよ。
◆塩分控えめ おいしい#夏麺
「月刊おいしい健康 夏の特大号」では、「塩分控えめの#夏麺」と題し、
夏にぴったりなそうめんとうどんのレシピをご紹介しております。
料理研究家の堤人美さんが、おいしくて減塩に配慮した、
工夫の詰まった夏麺レシピを8つ考案してくださいました。
暑い時期にさっぱりと食べられて、
不足しがちな野菜もたっぷりと摂れるレシピになっています。
8つのレシピの中で、
私のおすすめはトマトとツナのすりおろしつけ麺です。
暑い夏にぴったりの冷やしうどん。トマト好きな私が大好きなレシピです。
トマトの酸味と、ツナの旨みが溶け合ったつけだれが絶品です。
こちらのレシピにも、
おいしく減塩できるポイントがたくさん詰まっています。
今回は、そのうち2つのポイントをピックアップしてご紹介いたします。
1つ目のポイントはトマトです。
トマトはうま味の強い野菜で、甘味と酸味もちょうど良いバランスなので、
おいしく減塩しやすい食材です。
こちらのレシピでは、トマトをすりおろして、つけ麺風に仕上げています。
トマトのうま味たっぷりのつけ汁になり、塩分が控えめでも満足感のある味わいに仕上がります。トマトの酸味でさっぱりといただけるので、食欲がないときにもおすすめです。
特に暑い日は、トマトを冷凍して凍ったまますりおろすと、さらにひんやり感が楽しめますよ。
2つ目のポイントはきゅうりの切り方です。
きゅうりの皮を縞目にむくと、
少量の塩でも水分が抜けてしんなりとなります。
さらに、見た目も食感もおいしく食べられるようになります。
また、こちらのレシピのつけ汁は、
火を使わないで簡単に調理できるのも嬉しいポイントです。
料理初心者の夫もさっと作れました!
今では得意料理の一つとして、何度も楽しそうに作ってくれます。
是非、皆様も作ってみてくださいね!
★トマトとツナのすりおろしつけ麺★
このレシピの栄養価(1人分)
エネルギー .........361kcal
たんぱく質 .........15.8g
脂質 .........11.8g
炭水化物 ..........52.1g
食塩相当量 ...........2.2g
食物繊維 ...........4.5g
【まとめ】覚えておきたい 麺料理をおいしく減塩する5カ条
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・香りのある香味野菜を使う
・香辛料で味にアクセントをつける
・酸味を効かせる
・味にメリハリをつける
・だしや食材のうま味を効かせる
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こちらのポイントは、麺料理以外にも応用できます。
日々のお食事の中で、
ぜひ上記のコツを意識しておいしく減塩を実践してみてくださいね!
おいしい健康管理栄養士ノア
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(第八訂)」
※2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」