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[読書感想文]「ゾウの時間 ネズミの時間サイズの生物学」本川達雄

〈この本の情報〉

タイトル:「ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学」
著者:本川達雄
出版社:中公新書
刊行年:1992年8月25日 初版

〈読んだきっかけ〉

最近、生物にハマっているのですが小倉明彦先生の『つむじまがりの神経科学講義』(晶文社)という本を読んでいたら本川達雄先生の『ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学』(中公新書)が紹介されており気になって調べてみると生物学入門書で理科系読み物の大ベストセラーと書かれていて内容も気になったので買って読むことにしました!
そして、やっと読めたので皆さまにもご紹介させていただきます😊

〈感想〉

本書によると、体のサイズによらず哺乳類なら心臓の鼓動時間も一生の間に息をスーハーと繰り返す回数もほぼ同じ値になるらしい。
心臓は二十億回打ち、一生の間に息をスーハーと約五億回繰り返す。
体のサイズが違いゾウとネズミの寿命が物理的時間で違ったとしても、もし、心臓の拍動を時計として考えるならば小さい動物では、体内で起こる現象のテンポが速いので物理的な寿命が短くても一生を生き切った感覚は、ゾウもネズミも変わらない可能性があるようだ。

これって、ヒトでも心拍の鼓動回数は決まってるみたい。
私、持病で脈が普段から早めなんだけどその影響である程度、寿命が短くなるのかな?
気になる〜。
ま、医学が発展してるから昔よりは長生きできるんだろうなぐらいに考えてます。

でも、個人的に注目したのは、この有名な寿命の話ではなく『第六章 なぜ車輪動物がいないのか』という章です。
私は、外出先で車椅子👩‍🦽を使うのですが本書の(p.70)『あの大変そうに見える車椅子でも、エネルギー的には、歩くよりもよっぽど楽である。ただし、これは平らな良い道を行く場合の話で、ちょっとでも凹凸があると、たちまち難渋しはじめる。やはり車椅子が大変なことに違いはない。』という一文にとても共感しました。
まさか、生物学の本で車椅子の困っている部分に注目して書いてもらえるなんて思っていなかったのでびっくりしました。
著者は、子育てでベビーカーを利用した事で車椅子の大変さも理解してくれていたようです。
車輪動物になるには、構造的にも難しいらしい。
とても、興味深いお話でした。

このような生物学でもサイズと時間についての知識が得られて面白かったです。
計算式とか出てくるけどそこは、読み飛ばしても内容を理解するのには問題無かったですし前半は、一節が短めで文章に慣れてきた頃に一節が少し長くなるのも読みやすくて良かったです。
でも、写真や表はあるけれど圧倒的に文字の方が多いので生物学の本を読み慣れていない人はもっとイラストや図の多い本で肩慣らししてから本書を読むと良いかもしれません🥳

それでは今回はこの辺で( *´꒳`*)੭⁾⁾マタネー


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