見出し画像

「宮 熱田神事」−もっとしれる資料はどこ…−『東海道五十三次』

昨日はゼミが久しぶりにあって、書誌学を実践的に勉強しました。
どのように江戸時代当時の書物を扱うか、どのように時代を考察するかなど基礎的なことを教えていただきました。

神田の古本屋では今でも江戸時代の書物が売られていて、意外と私でも買えそうな値段だったりするらしいので、神田あたりに訪れる機会があったら見てみたいと思いました。

今くずし字の勉強をしているので古書をパラパラとみた時にそのようなことが書かれているのかがなんとなく理解できて嬉しかったです。

そして私は卒論の関係で書誌の調査に他大や美術館に行く必要があるので、非常にいい機会になりました。

そんないいことを教えてもらった今日も広重。今回は『東海道五十三次』の「宮 熱田神事」です。

東京富士美術館

◼️ファーストインプレッション

これまでの『東海道五十三次』シリーズの中では見なかった勢いのある一枚。
しかもメインになる人々の顔は非常に険しく、前のめり。
一頭の馬が進む方向を遮るように人々が全速力で左に駆けていきますね。

副題にあった熱田神事なのでしょうか。
かなり危険な行事ですね。
前後ではっぴの色が違うのは、チームが違うからなのでしょうか。そもそもどんな行事なのかを知る必要がありますね。

広重お得意の近景にものを置いて、遠景にもモチーフを配する描き方を今回も用いているかと思いきや、近景に大きな鳥居を置いているだけ。
でもイメージとしてはかなり初期的な雰囲気すら感じますね。


背景に数人見える人々は意外にもここの騒ぎを気にしていない様子。
焚き火をしている人々はしゃがんで火の方向に集中しています。扉にいる人や窓枠にいる人も騒ぎより焚き火ですね。
歩いている人々はどこを向いているのか定かではありませんが、騒ぎよりもどちらかというと焚き火を見ている?

背景の世界観と前面の世界観の温度差ギャップがありすぎてはてなマークばかりですが、まずはここの騒ぎというか、行事を知ることから始めます。

◼️熱田神宮

この行事が行われている場所は副題にある通り、熱田の神宮。

左上の赤枠が熱田神宮のエリア。
前回の鳴海はグーグルの文字の右あたり。
およそ5キロほどの距離ですね。
意外と短め。

◼️端午の走り馬

この行事を「端午の走り馬」というらしい。

中世末期から尾張地方で行なわれた走り馬行事。熱田神宮端午の走り馬に始まるとされているが、後には大須観音その他の仏閣の行事に伴って祭礼化し、人馬ともに装いが華美に向かったので、しばしばの厳しい取締りを受けた。

日本国語大辞典

ここだけでなく、他の神社仏閣でも行われていたものなのですね。
確かに、装いが華美になっていったというのは想像できます。
今回の絵でも服装がチームごとに揃えられていて、いよいよ馬にも飾りをつけたりしそう。

意外と熱田神宮で調べてもこの走り馬のことは書かれていないことの方が多いです。

参考書には
「五月五日、この地域では「端午の走り馬」または「端午の馬の塔」という行事が行われました。これは、近郷から馬を引いて走らせ、熱田神宮に奉納するものです。」
とあります。
馬を興奮状態にするかはわかりませんが、引いて走らせるのですね、、。
今でもこういう行事ってあるのでしょうか。

熱田神宮のページには現在の催事としては残っていない様子でした。

早稲田大学

『東海道名所図会 三』の熱田神宮です。
右上の題には
「五月五日
熱田鎮皇門
楼上神幸之
祭式」
とあります。
きっと馬の塔とは関係ないけれど、五月五日の行事として載せておきました。

『東海道名所図会』を見る限り、毎月、しかも月に3回くらいの行事があることがわかります。
熱田神宮の中でもいくつかの建物の中で行われる行事があったみたいです。

なんか、図書館いないとネットじゃ限界かな。
頭痛くてパソコン見たくないのでここらで終わりにします、、、、、。


今日はここまで!
#歌川広重 #東海道五十三次 #広重 #東海道 #宮 #熱田神宮 #浮世絵 #端午の走り馬 #端午の馬の塔 #日本美術 #日本絵画 #江戸時代 #江戸絵画 #アート #美術 #芸術


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?