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「芝愛宕山」−お米を煽りにいく広重、、!?−『名所江戸百景』
今日は雨でしたね。バイトに行くのに20分くらい歩いていきますが、いい運動になった気がします。帰りにグミをバクバク食べながら帰ってきてカロリーはプラマイゼロにはなりましたが、、。笑
そんな雨の日も広重。今回は『名所江戸百景』の「芝愛宕山」です。
◼️ファーストインプレッション
昨日と同様に愛宕周辺を描いている絵であることが題名からわかります。建物の高さからしてこの人々は愛宕神社の上に登って来たところでしょうか。
赤い門が構えていて、そこに対峙する老人の図が威厳を放っているように感じます。広重が描きがちな愛宕と小鳥たちは今回は採用されていない様子。
老人の持っているしゃもじのような棒は何かの行事のためのものでしょう。これが何かは私の知識ではわかりませんでした。兜を被っていてミニ扇や葉がいくつか貼られています。もう片方の手には石のようなものでできた棒を持っています。後ろの付き人たちも顔が見えますが、服装の違いから老人が別格の位であることがわかります。
描かれた場所は愛宕神社から江戸湾を見渡せるところですね。
◼️愛宕神社からの眺望
この絵の赤い門と老人以外の背面の眺望は意外と豪華です!
これまでに見てきた『名所江戸百景』各種で登場してきた名所がいくつかあるのです。
しゃもじの左に鋭角の屋根を持つ建物がありますが、それは築地本願寺です。
こちらで築地本願寺が登場しました。
奥の鋭角の屋根の建物が築地本願寺。
異国情緒が特徴的な建物でしたね。この姿になったのは20世紀中盤だったかな。
こんな建物が見下ろせるわけです。
位置関係としてはこんな感じ。まさに青い線で視線が伸びているような描かれ方でしょうね。
◼️強飯式
話は変わってこっち側の話。
この老人がまさにしているのが強飯式というもの。初めて聞きました。
日光の祭礼行事はたくさんありますが、そのうち最も特徴のあるのが強飯式です。
「日光責め」ともいわれ、山伏が三升入りの大椀を持って「喰え喰え」と責める様はあまりにも有名です。
この儀式を頂戴すれば七難即滅・七福即生、運が開けるといわれます。
サイトのイメージを載せさせていただくと、このような大盛りご飯を食え食えと囃し立てられる行事です。
この写真から分かるとおり、山盛りご飯の向かい側にしゃがんでいる一人の男性。彼がまさに描かれている老人と同じ役目の人。この人を毘沙門天の使いという役目であるらしい。
写真のように宴会の席にいる僧たちにご飯を食べることを強いて、神社に戻る人です。
彼の服装は素襖であり、江戸時代の武士の礼服であったものです。
彼が大きなしゃもじを持っている理由がわかりますね。ふざけてしゃもじと最初は言いましたが、本当にしゃもじだとは思いませんでした。笑
大盛りのご飯が用意されているからですね。それに加え、大きめのスリコギは穀物のもみとりみたいな役目のあるものだからでしょう。
この老人が誰をモチーフになって描かれているかについてですが、この風格と風貌からして広重本人ではないかと言われています。
あああ、、、。でも確かにそんな気もするし、違う気もする、。けれどこんなにアップで老人を描いたりスポットが当たる人物として描かれている場合は広重が何か意味を持たせて、人間味を持たせているのでしょう。
こういう本人探しができる絵も面白いですね。
今回は愛宕神社からの眺望、強飯式について見ていきました。
今日はここまで!
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