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「草津 名物立場」−このジオラマ欲しいな−『東海道五十三次』

4日とか、5日ぶりの投稿です。
この投稿していない期間でようやく大学院の院試が終わりました!

やっっっっと解放された。笑

まだ結果は出ていないけれど、一つは合格を頂いたので瀕死で結果を待つことはないのが一安心です。
どちらにせよ、朝起きてから「あれしなきゃ、でもこっちも先にやらないと、、、」と心が詰まることも、一人で何を対策したら良いのかわからない中で読めるものをひたすらに読んで余計にわからなくなることも、寝る前に次の日が来るのが嫌すぎて寝れなくなることもしばらくはないのかと思うと、一般的な大学生らしさ(?)を取り戻したような気がします。

とはいえ、卒論が待ち受けているのであんまり好き勝手していられないなというのが本音。笑

その中でも行きたい展示見に行って、行ってみたいご飯屋さんに行って、読みたい小説読むような生活をしてみようと思います。

毎日noteも書きますけどね!

そんな心が切り替わった今日も広重。今回は『東海道五十三次』の「草津 名物立場」です。


東京富士美術館

◼️ファーストインプレッション

この絵には二つの世界があって、上下でその世界が分けられています。
下の世界では籠持ちと中の客が何やら険しい顔をして走っているように見えます。
逃げてるのかな?笑
反対には少し小さめな小屋のようなものを抱えた男性たちが右側に向かって走っています。
あの大きさの箱に何が入っているのでしょう。
彼らは口を固く結んで黙々と歩みを進めていますね。

騒がしく行き交う人々の様子が東海道という大きな街道らしさを表現しています。

一方で画面上部は大きな店構えの茶屋があります。
こちらの店の名前は「うばもちや」という名前。
姥餅というものが名物なのでしょうか、座敷が多く設けられていて非常に繁盛していることがわかります。
餅を作っている様子やそれを食べているお客さんの様子も描かれていますね。

お店の前に榜示杭があり、しっかりとこのお店が草津の宿場の始まりの目印であることが公認されているかのようですね。
前の集団と後ろのお店の描写がこうして対立したような構図になっている違和感がありますが、この宿場についての情報がてんこ盛りな一枚です。

草津は今では温泉街で有名な観光地ですが、温泉については触れられていないようですね。

今回は草津の位置と、姥餅について見ていきたいと思います。

◼️草津

草津は今では温泉で有名ですが、当時はどうだったのでしょうか。


前回の石部が地図の右真ん中にあります。
ここから地図左の赤ピン集団の草津に差し掛かります。
案外近いですね。

今回描かれているお店が立場というジャンルの店です。
立場とはこんな場所。

(「たてばぢゃや」とも)
江戸時代、街道の途中の休息所にあって、人足や駕籠かき・馬などが休息する掛茶屋。明治以後は、人力車や馬車などの発着所、または乗客・従業員などの休憩所となった。

日本国語大辞典

参考書には参勤交代の大名も利用したと書かれています。
しかし意味としては概ね同じ。
ただのしがない茶屋なだけでなく、いろんな旅人が休憩できるお店であったのですね。

◼️姥が餅

「うばもちや」という店名をしているだけあって、ここで売っているのは”姥が餅”というもの。

餠の一種。近江国(滋賀県)草津の名物。近江の国の郷代官であった六角左京大夫の子孫が滅ぼされたとき、三歳になる遺児を養育するために、寛永(一六二四~四四)の頃、その乳母が茶屋を設けて売りはじめたものという(近江名所図会{1797})。うばがもちい。

日本国語大辞典

遺児を養育するために始めた茶屋が由来なのですね。

こちらが姥が餅と調べて出てきた画像。
白い餅をおにぎりのような形にして丸めたもののようですね。
なんかお雛様のような形をしていてかわいい笑


こちらが『近江名所図会』の「乳母が餅」です。
『近江名所図会』では広重の『東海づ五十三次』よりも人の多さがよく表現されています。
人々の往来がメインに描かれていますね。
乳母が餅のお店も繁盛していて、内部がしっかりわかる描かれ方をしています。
広重もそう描いたので実物もこうして開けた構造だったのでしょう。

上の詞書には姥が餅の茶屋の成り立ちについて記載があります。


早稲田大学

『東海道名所図会』の姥が餅茶屋の様子です。
この絵も同様に街道の往来とお店の繁盛具合がわかります。
内部の様子は『近江ー』よりもぎちぎちに描写されています。
参考書には広重の今回の絵は『東海道風景図会』を参考にしていると書かれています。
確かに店内の配置が非常に似ている。店内だけでなく、店外の籠の配置なども似ているような気がします。
もっと店内を覗きたくなるような気持ちになりますね。

今回は草津の位置と、姥が餅について見ていきました。
人の往来が激しいと、見ていて飽きないですね。
当時の人もこうして浮世絵を楽しんでいたのでしょう。

今日はここまで!
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