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「大橋の三ツ俣」−頼朝を偲ぶ一週間の始まり−『江戸名所道戯尽』

マジで久々に書きます、、。
木曜は友達と韓国料理店とつくねのお店で飲みまくり、金曜は定期的な体調不良で瀕死状態、昨日はTOEIC前日で詰め込んでいました。

今日ついにTOEICが終わりました。
リスニングがいまいちの出来で凹んでいましたが、リーディングはそれなりに解けた気がします。

明日からまた部門別の参考書を新たに買ってコツコツ勉強開始です。
しかしまた論文や本を読み漁る日々が始まります。

そんな切替の今日も広景。今回は『江戸名所道戯尽』「大橋の三ツ俣」です。

◼️ファーストインプレッション

スイカでいっぱいの船はジャンプの目的としてはあまりにバランスが悪くて骨さえ折りそうなくらい物理的に固そうな船上。
なんで人が座れないくらいぎちぎちにスイカを敷き詰めているんだろう、、。
多分橋の上から飛び込みをしている人たちがちゃんと下を描き人せずに飛び込んだところ、スイカでパンパンの船の上だった、、、。という展開でしょうか。

船の船頭もたくさんのスイカを運んでいたところに人が落っこちてきたら驚くし、ふざけんなと思いますよね。船の上で腰を痛めて声すら出ていない様子を見ると流石に苦悶の表情も読み取れますね、、。

橋の向こう側でもおそらく飛び込みである二人が泳いでますが、そっち側に飛び込んでいれば違う運命であった二人が居た堪れないです、、。笑

この橋は題名の通りに大橋というものですが、それは当時の呼び名で、現代は新大橋と呼ばれている橋ではなかったかな?

橋の下に富士山がのぞいている構図はまるで北斎『富嶽三十六景』「深川万年橋下」に似た構図です。とはいえただ橋の下から富士を覗かせているところだけなんですけどね。

◼️深川万年橋下

「深川万年橋下」小名木川がメインリバーでしたが今回は隅田川
ちょっと見比べてみましょう。

北斎『富嶽三十六景』「深川万年橋下」です。
おそらく手前の船のあたりに入れば同じような構図になりそうですね。

広景の描く新大橋は赤ピンの場所です。ここからどうやって富士山を見られるの、、?多分橋の向こうに描いている山は千葉県の山だと思いますが、思い当たる山がない、、。

千葉県の山を挙げてみましたが、どれかなあ、、。
多分この山は広景が背景を賑やかにしようと加えた幻影かも知れませんね。

で、例に挙げた「深川万年橋下」は、二つ上の地図の横に流れる川の隅田川サイドの橋が舞台です。

かなり近い場所を描いていることからやはり北斎の絵を模倣した可能性も否めないですね。

本当は北斎の富士山の描き方の方が写実的なんですね。
広重の門人である広景の方が写実的な血を引いていそうな気がしますが、そうでもなかったようです。

◼️夏の食べ物

本当は西瓜の描かれ方をみていこうと思いましたが、以前太田記念美術館の公式noteアカウントで西瓜の切り方を見ていく特集記事が配信されていたのを見たのでそちらで解決した気がします、、。

なので今回はこの西瓜を売っている水菓子売りに準えて、夏の食べ物を見ていきたいと思います。

歌川国芳『逢身八懐 湯しま暮雪』です。
かき氷にするのか、氷の塊を器に入れて運んでいます。
かき氷は平安時代から高貴な人々に食べたれていたもので、『枕草子』には「あてなるもの」(高貴なもの)として紹介されています。

それはおそらく江戸時代も変わらなかったんじゃないかな。。。
氷を保存する方法が冷凍庫でない限りやはり難しいので、これを食べられる人は限られた階級の人だったんじゃないかとおもいます。
でも、この女性は厚着をしているように見えるので冬で、外から雪を持ってきたのかも知れないですね。
でも冬で、寒い室内でなんのために雪を室内に持ち込むんでしょうか。


こちらも国芳『江戸じまん名物くらべ こま込のなす』です。
ナスは夏の食べ物ですね。その皮を包丁で剥いています。
女性の服も肌が見えいてるので暑いのでしょう。
しゃがみ込んでナスの皮を上手に剥いていますので厨房の光景を描きこんだものと思われます。


歌川国貞『十二月ノ内 水無月 土用干』です。
3枚の続き物の真ん中です。
題名の通り描かれているのは水無月、つまり六月なので旧暦として考えると1ヶ月遅れで七月とか。旧暦のままでも十分暑い現代ですが、当時は七月ごろがちょうど夏として本格的に暑くなってきた頃でしょうか。
そんな暑さに嘆いている女性の傍らに四角にカットされたスイカがありますね。
肩を出したくなるほど暑いのでしょう。周りに人がいなかったら素っ裸になって寝っ転がっていたでしょうに、、笑。
このスイカは丁寧にカットされていますね。まるでホテルの朝食ブッフェに出てくる大きさくらい。
実際スイカ自体は冷たいものではありませんが、水分が多くて、冷やしやすくて冷水に入れて冷やしても味が崩れない美味しさがあるのかも知れませんね。

調べても意外と夏の食べ物を描いた絵は少なくてちょっとショックではありました、、、。

もっと見られるような図録を手に入れたいなと思っています。。


今日の大河ドラマではついに頼朝が亡くなりましたね。
あまりに今回だけで頼朝死へのフラグが立ちすぎている演出でしたが、なんやかんや後二、三回くらいはピンピンに生きているんだろうと思っていました。
ドラマの演出ではありますが、最後の最後にずっと味方でいてくれた安達のおじさんと一緒に居られて人間らしい頼朝が垣間見れた気がします。

最後に聞こえる鈴(?)の音が義時にだけ響かなかったことは次回に回収されるのでしょうか。
「運命に従う」とは言いつつも死ぬ時には誰かに殺されるように目を閉じていって怯えているようにさえ見えました。
なんだか頼朝のいない鎌倉は寂しくなる気がしますが、次回からが本筋で義時の十三人体制が始まると思うとしみじみしていられないなと思ってしまいます。
次回までの一週間は頼朝を偲んで迎えたいと思います、、、。

こちらは以前も紹介しましたが、月岡芳年『大日本名将鑑 右大将源頼朝』です。
放生会の一場面を描いたもので、武将としての頼朝ではなく、捕獲した生き物を自然に返す儀式をするただの人間としての頼朝。
たくさんの人々を殺めてきた頼朝も本当にこのように放生会をしたのかな?

そしたらこうやって鶴みたいに旅たっていてほしいですね。


今日はここまで!
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