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第3回|メローコーヒー亀和田亮太さんインタビュー【前編】

こんばんは。
「大谷でできることを増やす場所」OHYA BASE管理人です。
初回はOHYA BASEの説明、第2回は管理人自己紹介と来て、少しずつ慣れてきたnoteの投稿、第3回目。


いよいよ今回からは、この場所に出入りする魅力的な人たちのインタビューを記事にして参ります。
今回は、週末にだけOHYA BASEに現れるコーヒー屋・メローコーヒー亀和田亮太カメワダリョウタさんのお話。
前編では、メローコーヒーをはじめる前のエピソードや思いなどを語ってもらいました。
それではドウゾ!


「まだ何も始まっていない場所」で始まったコーヒー屋

えー…。
では、いつもの雑談だと思って、カジュアルな感じでお願いします、笑。

はい、メローコーヒー亀和田亮太です。
コーヒー屋をやってます。
OHYA BASEでは、出張コーヒー屋っていうんですかね、週末の金土日だけコーヒースタンド出店してます。

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コーヒー屋、ね。
いつも何て名乗ってる?
「焙煎やってます」とか「コーヒー淹れてます」とか?

僕はいつも「コーヒー屋」って言っちゃってます。
焙煎もドリップも含めて、全部コーヒーなので。
その雑な感じがちょうどいい、笑。

ざっくりひっくるめて「コーヒー屋」なのね。
OHYA BASEに出店しはじめたのは…2020年2月にOHYA BASEが開いて、メローコーヒーは3月からだったかな?

そうそうそう。
でもスタートして間もなく緊急事態宣言が出たりでいきなり休みになっちゃって。
7月には完全に籍を置いて再スタートしてましたかね。

OHYA BASE以前も、自分の屋号で何かやってたの? 

開業届を出したのが7月なので、もう、ほんとにここから、っていう感じです。
それまでは、自分の勉強のために焙煎をしてみて、それを周りの人に飲んでもらうぐらい。
その延長で小さなイベントに出てみたりとか、せいぜいそんな感じだったかな。

OHYA BASEのことはどうやって知ったんだっけ?

OHYA UNDERGROUNDツアーのガイドさんのひとりとたまたま知り合いで。
その人から「今ちょうど動かし始めようとしてる場所があるから、見るだけ見てみません?」みたいな声をかけてもらって。
ガツガツ何かやりたい!というわけじゃなかったけど、自分の活動をこれからどう広げていこう?みたいなことを思い始めた時期だったんですよね。
まだ全く別のアルバイトをしてたりもしたので、そういうのも含めて今後どうしよう、って考えていたところでした。

で、話を繋いでくれたガイドさんから「ちょっと興味持ってくれてたよ」って連絡が戻ってきて。
それで亮太さんに「はじめまして」ってメールして、電話して…。
わたしもまだこの場所のことをうまく説明できなかったけど、とにかくぶわーっと喋って「少しでも興味があれば見にきてください」って言って。
そしたら本当にすぐ来てくれたんだよね。

そうそう、覚えてます!
「ちょうど週明けすぐ、空いてる日があるので」みたいな。

そう、懐かしい。
見にきてどうでした?

場所が、この空間が、とても気に入りました。
ここだったら自分のイメージしてることがちょっとできるかも、って。
お客さんの心をリセットできる場所みたいなのを提供したいっていう思いがあったので。
ここでそれができそうだ、って。
メローコーヒーのコンセプト「忙しい毎日にほんの少しの贅沢を」にすごく合いそう、っていうのが第一印象。

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そう感じてたのかー。
改めて今そう聞けて嬉しいなぁ。
それで後日「設備もまだ整ってないけど、ひとまずお試しでどうです?」みたいにお誘いしたら「じゃあ、再来週からやってみましょうか!」って動き出してくれて。

僕としては、まだ何も始まっていない場所だったことが逆に良かったんです。
自分のやりたいようにできちゃう。
ゼロからスタートして、自分でいろいろ考えながら、お客さん呼んで、常に改善点を見つけながらやっていく、っていうのが楽しみで。

立ち上げたばっかりの場所だから手探りで、ある意味、好き勝手やれる。
それはわたしもここにいながら面白みを感じてます。
余程のことじゃなければNOとは言われない自由度の高さがある。

設備がないっていうのも一見ネックかもしれないけど、逆に捉えれば自分の好きなようにカスタムできる。

まっさらな状態なのをプラスに捉えて上手に自分のものにしちゃう。
さすがだなぁ、というかすごく亮太さん「らしさ」を感じます。
そういうタイプの人でよかったです、笑。

車と一緒ですね。

あぁ、古くてかわいくて手がかかるMINIに乗ってるもんね、笑。

自分で組み上げてくのが好きなのかも。
だから本当ちょうどいい出会いだったな、と。

うん、本当にそれはわたしも思います。
コーヒースタンドを動かすだけじゃなくて、ここのムードを作り出すのにぴったりな人が現れたと感じた。

ちなみにここに出入りする前の「大谷」って何かイメージあった?

何もない、苦笑。
遠足で来て…そのあとは一度二度ぐらいしか来た記憶はなかった。
それも鹿沼に行くついでに通りがかるとか、寄っていくとか、そのぐらい。

じゃあ、大谷に思い入れがあってというパターンじゃなくて、OHYA BASEという場所があったから大谷町に参画した、と。

そう。
僕は良くも悪くも何の先入観もなく、まっさらな気持ちで、ここが気に入ったから働くようになった、ということです。


自分のやりたいことで、誰かを救えたら

メローコーヒーはどんな思いでスタートしたんだっけ?

コンセプトとして「忙しい毎日にほんの少しの贅沢を」っていうのでやってまして。
コーヒーを通していろんな人たちの忙しい生活の中にちょっとしたブレイクの時間っていうか、ほっとできる時間を提供できたらいいなぁ、というイメージで活動しています。
コーヒーを使ってそれを表現している、と言った方が正しいのかな。

コーヒーはあくまでも手段の一つという感じ?

そうですそうです。
もちろん大前提としてコーヒーは好きですが、自分の手札の一つとして今はそれで表現している。
そのために今は、自分で豆を焼いて、淹れて、お客さんに提供しています。

屋号「メローコーヒー」の由来とか込めた思いとかも聞かせてください。

えーっと、僕は海が好きでして。
「メロー」は柔らかい、熟した、甘美な、みたいな意味で。
沖縄の海の波のような感じをイメージしてます。
サーフィンしたりする波じゃなくて、珊瑚が転がるカラカラカラっていう音が聞こえたりするような。
そういう、メローな時間とか空間とかを提供したいな、と。
ちなみにメローコーヒーのロゴにも波のモチーフがちょっと入ってるんですよ。

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始めるきっかけとかって何かあったんですか?
普段あんまり自分語りしない人だから、聞いたことないな、と。

実はメローコーヒーを始める前にちょっと沖縄の石垣島にステイしていた時期があるんです、前の職場を辞めた直後、25ぐらいかな。
前の職場っていうのは、将来自分がお店をやるための修行も兼ねて働いていたカフェなんですけど。
そこで、気づいたら、毎日の忙しさとか目の前のことだけにいっぱいいっぱいになっていて。
働いていたお店がすごくいいお店だったのもあって、そこにちょっと満足してしまっていたというところもありました。
で、その店で徐々に責任のある立場になったりもしてて、それで、まぁ、今思えば、頑張りすぎちゃったというか、重圧に潰されちゃったというか、体を壊しまして。
辞めるかどうか考えながら、それでも休み休み続けていた時期があって。
そのときに「なんで体調を崩したんだろう?」って立ち止まってみたら、これは罰なのかな、と思ったんですよね。

罰!
穏やかな顔と口調で、とても自分に厳しい…!
なぜ罰だと?

目標を決めたはずなのに、それに向き合わず現状に満足してしまっていることへの、何か神さまからの警告、みたいな。
だったら一旦ちょっと離れて自分の将来を考えよう、と。
あとは、体調をリセットして再出発しよう、という思いもあった。
それでそのお店を辞めて、一週間後ぐらいには石垣島にいました、笑。

OHYA BASEでスタートするときもそうだったけど、決めたら早い!
そして思い切りがものすごく良い。

そう、全部決めちゃって、それで辞めて。
もともと沖縄が好きなのと、あと「タラソテラピー」って知ってます?
自然のエネルギーを使って体質改善をしようみたいな、いわゆるデトックス。
それも兼ねて石垣島へ。
僕、ひどいアトピーで。
ぼろぼろになっちゃうとお客さんの前に出られなかったり、実際にお客さんに「大丈夫?」って言われたりっていうこともあって。

で、治療?って身構えて行ったけど、何もしないのが治療だったんですよ、笑。
「心と体を整えてフラットな状態にする」と。
なので、しばらく何も考えずにぶらぶらしていた。
そのとき、激安ゲストハウスみたいな、一泊1,000円しないような凄いとこに寝泊まりしてたんですけど。
そこで、バックパッカーとか、移住してきた人とか、本当いろんな人といろんな話をしまして。
そういう話を聞くうちに、やりたいことをやるのが一番だなというのが固まってきて。
じゃあ、自分のやりたいことは?と考えたときに、やっぱり今まで勉強してきたコーヒーが浮かんだのと、自分自身もそうだった「忙しい毎日でそれだけに追われて潰れてしまう」っていう場面で、僕の作ったもので誰かが救われたらやる意味があるかも、と。
それで、帰ってきて、焙煎機買って、勉強をして。

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なるほど。
別のカフェにまた就職するんじゃなくて、目指してることに自分自身で向かってみようということだったんですね。
焙煎は誰かに習ったの?

独学ですね。
焙煎機のメーカーに都度連絡してちょっと相談するぐらい。
あとは自分の感覚。
ちなみに味についても「メロー」をひとつの指針にはしています。
個性的なコーヒーもおいしいけど、誰が飲んでもおいしいと思えるコーヒー。
攻めたガツンとしたのよりも、マイルドで優しい味わいに仕上げています。
そう仕上げても、自然と豆の個性は出てくるし。


特別じゃないけどそれだけで美しい、自然が好き

じゃあ、ちょっとコーヒー以外のお話も。
お仕事を離れると、趣味とか興味があることとか、何かある?
自然が好きで、鳥とか虫とか生き物にやたら詳しいのは、非常によく伝わってますが、笑。

うん、やっぱり自然が好きですね。
自然の中にいるとカッコつけなくていいし、きばんなくていいので。
あと単純にきれい。
身の周りに目を向けると、すごいきれいなものがたくさんある。
それだけで十分。

妙におじいさんぽいところあるよね、笑。

険しいところまで行ったりしなくていいんです。
いつも通りの、特別じゃない自然
海の音、鳥の鳴き声とか、山に生えてる花とか、葉っぱの匂いとか。
季節の匂いとか、雨の匂いとか。
それだけで気持ちいい。

子どものときから自然とか生き物とかが好きみたいだよね。
ご家族から聞いた話だと「用水路で魚を捕ってた」とか「1日中ダンゴムシ眺めて過ごしていられる子だった」とか。

傘を魚を捕るための「受け」にしてたみたいで、月1本ペースで壊してたらしいです、笑。

なんでそんなに自然とか生き物が好き?

父の影響が少なからずあると思ってます。
もともと父が生き物大好きで、ちっちゃい頃から身近に面白い生き物がいっぱいいて。
トカゲとかカメとか、でっかいヤモリみたいなのとかいたり。
当然のように、自分でかわいがってお世話して、とかもやってて。
中には、頑張って育てたけど死んじゃったりとかそういうのもいて、命って簡単に終わっちゃうんだな、という感覚も自然と身についたというか、学ばせてもらった。
そしたらなおさら、生き物ってきれいだなぁ、いいなぁ、って思うんです。

あとは、田舎だったから、遊ぶのは必然的に自然の中だった。
周りの子がゲームにハマっても、もちろん一時期は自分もやるんだけど、やっぱり外で遊んだ方が全然楽しいや、っていう子どもだった。

小さい頃から自分の「好き」に正直な人なんだなぁ。

あ、でも僕、一瞬グレたんですよ、笑。
その時はどうしようもなかったですけどね。
「自然なんてクソだ!」みたいになって、今まであんなに好きだったものを「ダセぇ。」とか言って。
典型的な中二病。

想像できなさすぎる、笑!
「黒歴史についてはコーヒー飲みに来て直接聞いてください」とでも書いときます。

…と、おもしろくなってきたところですが、前編はここまでッ!
後編ではメローコーヒーのコンセプトをそのまま具現化したような「夜喫茶」についても語ってもらいます。
【後編】は11月中旬アップ予定です。
乞うご期待。

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