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食後の薬は食後でないといけないの?食事の影響があるくすり、ない薬

食事と薬

■「食後」と書かれている薬は必ず食事を摂ってからじゃないと飲んではいけないもの
■「食後」と書かれている薬は食後じゃないと胃に負担がかかるもの

病院の先生のお薬の出し方にもよりますが、一般的にお薬は食後服用の指示で出されるものが確かに多いです。

そのため、いつもお薬をお渡ししていると『薬は食後で服用しなくてはいけない』と考えている方が多いように感じます。

では本当に食後の薬は食後に必ずのまなければいけないものでしょうか?食後飲み忘れたらのんではいけないのでしょうか?

答えは

No!です

どうしても食後でなければいけないお薬は少ないです。

むしろ、食後服用がいい薬よりも、食前もしくは空腹時での服用がいい薬の方が多いかもしれません。

食後服用がいい薬は?

熱を出した時、痛みがあるときに服用する『解熱鎮痛薬』と呼ばれるお薬は、一般的に食後服用がいいと言われている代表的なお薬になります。

有名なところでは、ロキソプロフェン(ロキソニン®)やイブプロフェン、アスピリン(バファリン®)、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン®)などがあります。

聞いたことがある薬もあるのではないでしょうか?今はドラッグストアの店頭にある頭痛薬や風邪薬にもこれらの成分が含まれているものが増えています。

食後服用がいい理由としては、痛みを抑える働きをするときに、あわせて体にいい働きをしているモノの働きも抑えてしまうからです。

その結果、胃の血流量を低下させるとともに、胃の粘膜を守るはずの分泌液も減らしてしまい胃酸から胃を守る手段を減らしてしまいます。

「胃に負担がかかるから食事をとってから飲んだほうがいい」というのはこういった薬そのものの働き(作用)からきているため、何でもかんでも食後服用がいいという訳ではないのです。

解熱鎮痛薬は可能な限り胃に何か食べ物を入れてから服用するようにしましょう。

ところでもう一つ、熱が出た時によく処方されるお薬として「アセトアミノフェン(カロナール®)」がありますが、お薬の説明書の中ではこれも ”空腹時の服用は避けること” と記載されています。

しかし、アセトアミノフェンだけの服用では胃潰瘍を発症するリスクは高くならなかったという報告もあることから、「空腹時の服用も可能である」と言われています。

胃潰瘍のリスク:ジクロフェナクナトリウム >イブプロフェン >アセトアミノフェン

また、アセトアミノフェンは、炭水化物(ご飯やパンなどの主食)が多い食事と一緒にとると、くすりが最初に吸収される速度が低下すると言われているので、より早い効果を期待するときには空腹時の服用がいいのかもしれません。

薬はなぜ食事の影響を受けるのか?

副作用をおさえるために食後での服用が必要な薬もあれば、食事を境に、薬の服用タイミングによって効果に差が出てしまう薬もあります。

ではどうしてそのような差がうまれるのでしょうか?

なるべくわかりやすい言葉を使って説明したいと思いますが、わかりにくかったらすいません。

1つのポイントは【薬の吸収の速さ】です!

【薬の吸収の速さ】が身体の中で大きく低下したとき、あるいは大きく増加したときにはじめて薬の効果に影響がでてきます。

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食事により効果が強くなる
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✓ 食事をとると食べ物を消化しようと、胆汁から胆汁酸が分泌されるので、脂溶性が高い薬(脂に溶けやすい薬)は吸収される量が多くなります。

✓ 胃の蠕動運動で食べ物を十二指腸⇒小腸と運びますが、胃から出ていくのが遅くなると、胃で吸収されやすい薬は吸収される量が多くなります。

✓ 胃酸の影響により普段は酸性に保たれていますが、食事をとることによりアルカリ性側に傾きます。薬の性質にも酸性のもの、アルカリ性のものがあるので環境によってその溶け方や吸収のされ方に影響が出てきます。
(胃内pHの変動)

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食事により効果が弱くなる
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✓ 食事中のマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分や飲み物に含まれるタンニンなどの成分と薬が結合することで吸収が低下することがあります。

✓ 胃の蠕動運動で食べ物を十二指腸⇒小腸と運びますが、食事が先に入って薬が胃から出ていくのが遅くなると、小腸で吸収されやすい薬は吸収量が少なくなります。

✓ 胃内pHの変動(酸性、中性、アルカリ性など)※食事により効果が強くなる項と同じ

どんな薬が食事の影響を受けるのか?

薬効群(くすりの効果別)毎に食事の影響を受ける薬をあげてみたいと思います。

・睡眠薬
・糖尿病薬
・抗ウイルス薬
・抗菌薬、抗真菌薬
・骨粗鬆症治療薬
・アレルギーの薬
・血圧の薬
・片頭痛の薬
・脂溶性ビタミン剤
・抗がん剤
・免疫抑制剤

他にも影響を受ける薬はあり、また薬効群の中のものもすべてではないですが、この中の一部の薬では食事の影響を受けるものがあります。

もしどうしても効果が強くなる、効果が弱くなる可能性があるけれど、その時間で服用しなくてはいけない場合には毎日決まった時間・服用タイミングで定期的に服用しましょう。

そうすることで薬の効果の変動が抑えられるかもしれません。


無題

こんな質問をされると、薬局の薬剤師はちょっと驚くかもしれません。

最近では薬の説明書の中にも『食事の影響』という項目が必ず設けられるようになるくらい、身近な薬の中にも食事の影響を受ける薬は増えています。

もし自分が服用している薬で気になるものがあれば、是非薬局の薬剤師に気軽に聞いてみてください。

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