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かぜの予防には何が一番?6つの予防法を検証

11月に入り急に寒さが厳しくなってきました。

この時期に入ると、溶連菌感染症、インフルエンザの流行などが話題にあがりますが、それとあわせて風邪症状で来局される患者さんも増えてきます。

今年はコロナ禍ということもあり、感染予防のための手洗い、うがいが例年より徹底されていると思うので、どのような流れになるでしょうか。

いずれにしても、予防策はあるに越したことはありません。

私が厳選した6つの予防法について検証していきたいと思います。

✅亜鉛
✅ビタミンC
✅プロバイオティクス
✅睡眠
✅うがい
✅エキナセア

かぜの予防に亜鉛は?

亜鉛を毎日とることで風邪の症状の悪化とその期間を軽減する効果があると言われていますが、はっきりしない部分も残されているようです。

亜鉛1日75mg以上の服用で、風邪の持続期間を約2日間短縮したという報告もありますので、試す価値はあると思いますが、1日75mg未満の服用量では効果があまりなかったともされているので、亜鉛上限量と亜鉛過剰のリスクを考えると悩ましいところです。

参考までに、日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日の摂取の推奨量は18~69歳の男性で10㎎(上限40~45mg)、70歳以上の男性で9㎎(上限40mg)、18~69歳の女性で8㎎(上限35mg)、70歳以上男性で7㎎(上限35mg)となっています。

ちなみにネイチャーメイドのサプリメントは、1錠10mgです。

子供でも5ヶ月間の予防服用で、風邪をひく頻度が1/3ほど減り、学校の欠席率が低下したという報告がありますが、亜鉛過剰症のリスクもあることから難しいところです。

副作用としては、味がおいしくないこと、吐き気などがあります。

医療用の亜鉛の薬(ノベルジン®:酢酸亜鉛水和物)の服用でもまれに吐き気がみられることがあるので、量が多くなると出やすい副作用なのかもしれません。

1日10mg程度の摂取でも効果があったとされる報告も一部あることから、日本で販売されているサプリメント程度の量であれば継続して摂ってみてもいいかもしれません。

かぜの予防にビタミンCは?

ビタミンCは風邪予防にいいとして広く知られていますが、過去の報告をみるとビタミンCサプリメント(少なくとも200 mg /日)を定期的に服用しても、風邪の発症率を減少させなかったという報告があります。

風邪の期間はわずかに減少(8%)させたようですが、関連性は明らかではなかったようです。

ただし、厳しい環境下(マラソンランナー、スキーヤー等)におかれた人では風邪の発症率が50%減少したという報告もあることから、服用すること自体がまったく無駄ということはないような気がします。

かぜの予防にプロバイオティクスは?

プロバイオティクスといえば乳酸菌が思い浮かびますが、インフルエンザではよくR-1が話題として出てきます。

風邪に対するプロバイオティクスの効果は?というと、急性呼吸器感染症(せき、発熱など)の症状を経験する人数を減らす効果があったという報告がありますが、風邪に対する効果としてはまだまだ検討の余地が残されています。

かぜの予防に睡眠は?

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風邪予防にも、風邪をはやく治すためにも寝るのが一番いいと言われますが、本当にそうなのでしょうか?

睡眠時間が風邪をひくリスクに影響を与えるかどうかを調べるために、ある臨床試験が行われています。

風邪のウイルスとして多くみられる「ライノウイルス」を実験的に接種し、5時間未満の睡眠をとった人と7時間以上の睡眠をとった人で風邪の発症率を比較しています。

5時間未満の睡眠時間の人の方が、風邪を発症する可能性がほぼ3倍高かったという結果が出ていますので、睡眠は大事ですね。

かぜの予防にうがいは?

うがいに関しては、冬になると特にイソジンのうがいをまめに行う人が増えます。

有名な話で、イソジンうがいでも、水うがいでも効果に差はない、むしろある報告では水でうがいをした方が風邪の発症率を減らせた(かぜの発症率を36%減らした)というものまであります。

この研究の中でのうがいの方法は

「1回あたり20mLの水で15秒間3回続けて行い、これを1日3セット以上」

のように少しハードなものになっています。

うがい自体に予防効果があるかどうかはまだはっきりしていない部分もありますが、うがいをするなら水うがいで十分だということだけは言えそうです。

かぜの予防にエキナセアは?

エキナセアは風邪予防に期待されているハーブですが、その効果はどうでしょうか?

風邪の予防にエキナセアを使用した試験の結果では、その効果は明らかではないものの、有効性がありそうな傾向が各試験でみられています。

飲まないよりも飲んでいた方が、効くかもしれないという感じですが、薬との飲み合わせが悪いものもあるので、沢山くすりを服用している方は服用前に医師に確認した方がいいかもしれません。

さいごに

ここまで6つの予防法についてみてきましたが、結局どうなの?と思ったかもしれません。

すこしここで簡単にまとめておきたいと思います。

1.亜鉛
効果はあるが、高用量になると吐き気も心配
2.ビタミンC
風邪予防には「?」だが、健康にはよい
3.プロバイオティクス
効果判定は不十分でまだまだ検討の余地あり
4.睡眠
年齢に応じた必要な睡眠時間はとった方がいい
5.うがい
やるなら水うがいを徹底してやる
6.エキナセア
どちらかというと効きそうという印象あり

こんな感じです。

確実な感染予防としては、手指衛生(手洗い、手指消毒)が一番と言われているので、まずはそこを徹底して行う。

プラスアルファで、十分な睡眠をとり、「1回あたり20mLの水で15秒間3回続けて行い、これを1日3セット以上」のうがいを行い、亜鉛サプリメントをとりながら、服用薬剤との飲み合わせに注意しながらエキナセアを摂取してみる。

これが現段階での有効かもしれない予防策という結論です😊


最後までお読み頂きありがとうございます。

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