見出し画像

同時代から離れると死んでしまう文学

大江健三郎はかつて同時代から離れると死んでしまう文学を書きたいと言っていた。時論を書くという意味にも取れるが、文学の役割として政治的な立場をはっきりとさせ、社会への影響に責任を持つという意味もあるのだろうか。

『戦後フランス思想』という本を読んでいて、その中にサルトルの紹介があり、サルトルが作家は社会への責任があるというようなことを言っていて、サルトルと同じようなことを大江健三郎も言っていたのかもしれない。

作家は芸術至上主義にならずに現実社会への時論も発表していくべきというのは作家の政治参加みたいで訝っていたのだが、同時代へ積極的に発言していこうという姿勢の意味がわかる気がしてきた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?