見出し画像

鷲掴み |エッセイ

なぜ、吊り革に掴まらず
電車の揺れに耐えれる人がいるのか。

車内がスカスカなら
足も広げられるし、
全身を使ってバランスを取ることができるが、
満員となると
他人の重圧がのしかかり、
自分の体を支えることなど到底できない。
吊り革がないと、私には絶対に無理だ。

潔癖だから〜という方もいるかもしれないが、
揺れてちゃそうも言ってられない。

意外にも自分くらいしか
掴まる人間がいなすぎて、
たまに吊り革を取られると、
「おっっっと?!珍しいね!掴まる派?」
と挨拶したくなってしまう。

正直おしみも絶対に掴まらない派だと思う。
ずっと謎だったのだが、
おし氏には謎の安定感がある。

旅行に行き、ついうっかり、
山道を歩く羽目になったときも、
彼女はサンダルでスタスタと歩いていた。
山中にある心霊スポットに向かった時にも、
道なき道をビルケンで切り開いていた。

それに比べ、
私はVANSのスニーカーのくせに
山は滑るわ、
電車でもひっくり返りそうになるわで、
自分が情けない。


実は、
掴まりを怠ったことで
一度だけ大やらかしをしたことがある。

大学時代、インドの電車のような人口密度の
スクールバスで大学に通っていた。

決して広くはない一本道の途中を
左折したところに大学があり、
バスが最後ぐりんっと頑張って
90度左回転するコースとなっていた。

しかも左折した瞬間坂になっているため、
急アクセルにも耐える必要があった。

インド且つとんでもない
急カーブ&アクセルが待っているので、
私は絶対にどこかに
掴まるようにしていたのだが、

その時だけは、
「挟まっているから、
 バランスの崩しようがないかʅ(◞‿◟)ʃ」
と掴むのを怠ってしまったのだ。

私がどの位置に乗車していたのかというと、
バスの出入り口の階段の下だ。

インドにより、
ドアが開かない限り
絶対に足が抜けないような状況だった。

グレー箇所には、人がわんさか

しかし最後、バスが90度回転した時に、
とんでもないことが起こった。

床に置くタイプのサンドバッグを蹴った時を
イメージしてもらいたい。

足は全く動かないが、
体はバスに合わせて
大っっっきく回転したのだ。

わかりづらいが、まじ大回転

ソーナンスのように体が回転した私は、
咄嗟に、何かに掴まらなければ!!!
と思い近くにあった何かに掴まった。

その後も急アクセルが続くので、
必死に掴み続けた。

ようやく到着し、
ドアが開く手前で自分の手元を見ると
鷲掴みにしていたのは
誰かのロングスカートであった。

怖さと、人口密度から
後ろに立っている人物の顔を
見ることはできなかったが、
恥ずかしさもあり、本当に小声で
「スミマセンッ…」
とだけ言い、バスを降りた。

バスを降りてから、
流石にちゃんと謝るべきか…
と思いバスの出口を凝視したが、
顔を見ていなかったため
鷲掴みにしてしまった人物が
どの人かわからずに終わってしまった。

これを読んでいる人の中に、
あの時掴まれました。
という人はいるだろうか。

また、サハラに掴まれた!
と怒っていた人は周りにいなかっただろうか。
いたら、本当に謝罪したいので、
一報ください。

これらは、
体幹を鍛えれば解決するのだろうか。
どうすれば吊り革とスカートを
鷲掴みにしない人生が送れるのだろうか。
アドバイスがあったらお願いします。
チ〜ン…ʅ(◞‿◟)ʃ

さはら
1997年9月生まれ
ハーフ
座右の銘は晴耕雨読
万年フリーター

前回の記事👇

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?