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手探りではじまった場「あいだす」、1年目で見つけた「らしさ」

現地に来てくださった方々には説明をしていたので共有している部分もあったのですが、あいだすが結局どんな場所なのか記事がなかったので、オープン当時どんな場所にしたかったのか、考えていたことも含めて、振り返りとして書くことにしました。


1年目でつくりたかった景色

オープン当時目指していたのは「地域の人が、公園のようにふらっと寄れる場にすること」(人がいる状態をつくること)

地域のスピード感に合わせて一緒に育てていく方法を模索し、まずは興味を持ってもらうため新聞をつくって配り歩きました。左側は1年後、こんなあいだすになってほしいという思いを共有するためのビジョンを載せました。

左が未来の記事、右がオープン当時の記事


そしてそのビジョンは見事、達成することができました!
その中であいだすとして理想的な出来事を紹介します。

地域の方にとって畑は、暮らしの糧であり、生きがいの一つだと思います。そんな畑が、あいだすの「みんなの農床(のうとこ)」を通して、ここに滞在しに来る人たちと地域の人たちの交流の場として機能しました。
野菜を育てるだけではなく、人と人が関わる場としての畑
がとてもあいだすらしい気がしました。

今では日常になりすぎて、景色に溶け込んでいるくらいですが、こうして記事を書いていると改めて美しい光景だなと感じます。

外から来た人と地域の人が農を通して交流した
いつも自分の畑のように見守ってくれている


活動する人を増やし、次の問いを探していた

自分たちだけで静かにやっていてもなかなか新しいことを見つけるのは大変でした。そのためここで活動してくれる滞在者を募り、自分たちだけでは見えないものを発見する機会をつくりました。(何かしている人を増やすこと)
1週間〜2週間くらいの滞在で、数人が活動してくれました。

マツダ財団の助成金が採択されたこともあり、滞在費と交通費を出せたため全国から様々な分野の人たちが集まってくれました。

Instagramで募集

募集内容は下記のページにあります。
https://www.instagram.com/p/CfJnDZHPCTi/

それぞれの興味や活動はとても面白く、
滞在者のレポートはまた別の記事で紹介したいと思います!

(人が常にいる状態をつくること)(何かしている人を増やすこと)は1年目やってみて、まだ「常に」という状態は達成できていませんが、日常的に人が訪ねてきたり子供たちが遊びに来てくれるようになりました。
地域の人からしても、ここは外から人が来ている場所だという認識になっていて、活動する人も居やすかったのではないかと思います。

やってみて見つけた、あいだすらしさ

「あるものからはじまる場」

地域の方がみかんコンテナを椅子にしたり、テーブルにしているのを見て、大きいスーパーやコンビニが近くにないこの場所だからこそ、その場にあるものを別のものに見立てたり、工夫することができる。
初めにここに来たメンバーが暮らす中で見つけた久比だからこそのあいだすのコンセプト。
このコンセプトのおかげ?で訪れた人はあるもので色々工夫していてそれをみているのも面白いです。笑

「不便と未完」が関わる余白をつくっている

完璧じゃない、完成されていない、何もない場所だからこそ、自分たちが主体的に何かをつくったり、積極的に関わっていくことができる。
これは便利になりすぎた現代人が忘れてしまった大切な感覚と、そこから得られる学びがたくさん詰まっていると思います。

あるもので移動式黒板を作ってくれました


不完全さが「受け手を読み手」にする

ガラクタを使い、ものづくりをしたり見立てたり大喜利のようなことをした「ブリコラージュのワーク」から発見した、完璧じゃないものが、受け手だった人を積極的にするということ。
これはどうやって使うのか、どうしたら面白くなるのか?と積極的に考えさせ、その人を読み手にする。
クオリティを求めがちである「つくること」から少し離れ、つくることを通して私たちは何ができるのか?と、思わずはっとさせられる発見になりました。

ブリコラージュのワークについてもまた別で記事を書きたいと思います!

音の鳴る缶を見つけて楽器を作りました


手探りではじめる「独学」だからこそ面白い

この記事のタイトルでもある「手探り」は、特にキーワードだなと思っています。
自分がやってみたいやり方、ペースでとりあえず手を動かしてみる。が本当に大切で、意外とやってみたらそれなりにできてしまったり、できなくても次はどんな風に試してみようかなと模索できる。
その試行錯誤の中で出てくる問いと、手を動かしているということがとても意味があると感じました。

地域の人から椅子の発注を受けていました


ラベルを貼らずに「個」として関わる

子供だから、お年寄りだからと決めつけず、その人自身とちゃんと向き合うことで関わり方が変わる気がしました。それは自分の気持ち、思考まで変えてしまう。
そのため、あいだすでは子供やおじいちゃんおばあちゃんではなく名前で呼びあっています。

よく散歩に行ったりします


当たり前や常識を疑う「美しさ」がある

見た目が綺麗だから美しい。だけではない、美しさがあると思っています。
なぜそうあるべきなのか、考える機会は大人になればなるほど少なくなっていきます。今あるルールに従っている方が考えなくて済むからです。
でも納得できないのにそれをやる意味はあるのか?と考えはじめると、意外とそうでないものもたくさんあります。
(もちろん逆もあります。いろんな人が失敗してきた結果この形になっているとか。)
時間という概念がある以上、最短を考えると今ある常識を考え直すことは無駄なようにも感じますが、それに疑問がある限り、遠回りしてでも確認することで納得した方がよっぽど豊かだと思います。

その当たり前や常識を、考え直した時にこそ発見があるとこの1年間で気づくことができました。

いろんな人のいろんなものが落ちている


2023年はどんな年にするか

あいだすの色をつけていく
ありがたいことにいろんな方がものをくださいました。おかげさまでボードゲームや楽器、テーブルなどあったら良さげなものは揃っています。
子供たちもよく遊びに来てくれるので、片付けられなければごちゃっとしたままです。しかし、今年はあいだすらしさ(ここはこんな場所かも)と言われるような色を出していきたいなと思います。

もしかしたら、それによって今よりつまらない場所になったり、人が来なくなる可能性もあります。ですが、自分たちが運営を続けていくにあたって、自分たちがこの場所に問い(興味)を持ち続ける必要があると思います。

更に外にアプローチをしていく
・滞在型のワークショップをやる
・コミュニティや場づくりに興味がある人を集める
・中高生が来れる動線をつくる
の3つをなんとかかたちにしたいと考えています。

以上です。
今年は昨年よりも、この場所が地域にとって本当に必要な場所か?試される年になるのではないかと思っています。
2年目で、何がどのように変わり、何が変わらずに残るのか。また、運営メンバーも次にどんな発見があるのか楽しみです。

これまでのあいだすに関する記事まとめ

greenzさんに取り上げていただいた記事

photo by Rikuo Fukuzaki

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