高みを目指してもいいし、自分の好きだけをやってもいい
「わたし雪山登山はやらないです。」
アウトドアギアのお店、山と道研究所にて。スタッフの方に、はっきりとそう答えた。
◇ ◇ ◇
山登りをやるからには、いつかやってみたいと憧れる雪山登山。白の世界にずっとずっと憧れがあったが、スッパリと諦めた。体質的に人より寒さを感じやすく、凍傷にもなりやすいと分かったからだ。
わたしの寒がりぶりは異常で、それは還暦を超えた母以上である。カナダのイエローナイフで友人とオーロラを見たときは、わたしだけ軽い凍傷になってしまった。
以前はそれをも克服したいと、寒さに耐えうる重い荷物を運ぼうと思っていた。自分に負荷をかけて挑戦したい。ただ、それで本当に楽しめるのだろうか。
◇ ◇ ◇
好きを追い求めると、その先は果てしない。わたしは登山やハイキングが好きだけど、追求すればするほど、それは底無し沼のように深い。日帰り登山が山小屋泊になり、それがテント泊、そして雪山やクライミング、海外高所登山。やりだしたらキリがない。
昔は雪山登山やクライミングもやりたかったし、富士山に登ったら次は富士山超えを目標にしていた。実際に東南アジア最高峰のキナバル山や、台湾最高峰・玉山にも登った。
一 もっともっと、その先へ行きたい。技術を身につけたい一 そう思っていた。
でも今は、その気持ちはパタリと止まっている。自分の好きを因数分解してみると、高度な山の技術が欲しい訳ではなかった。
わたしはただ、自然のなかを歩ければそれでいい。そう分かった時、肩の力がふっと抜けた。
以前、こんな記事を書いた。
ジョンミューアトレイル(JMT)を歩いている途中に出会ったハイカー。ジェーンは怪我のため、途中でリタイアを決めた。悔しい思いももちろんあるだろう。でも、彼のJMTの物語は確かに存在していた。
スルーハイクのみが全てじゃない、歩ければ何でもいいじゃないか。そう思った。
一BACK TO HIKE一
ただ歩くこと、原点に戻る。
「山と道のコンセプトがまさしくそれと合致するよ」スタッフの方がそう教えてくれた。
目標をもつことは素晴らしいことだ。高みを目指す人、挑戦する人は、無条件に応援したくなる。ただ、そうではないハイキングや登山があっても、もちろん良い。自分が本当にやりたいことは何なのか、それを知り楽しむことが一番だと思っている。
(山と道、知れば知るほど共感できる、、自分の好きなハイキングスタイル。大ファンです!)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 もし気に入っていただければ、スキボタンを押してくださると嬉しいです。スキのお気持ちが、毎日書く励みになります。 (アカウントなくてもスキは押せます) サポートは泣いて喜びます。