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【読書】 限りある時間の使い方

最初に

人生には約6,400週間しかないと言われており、昔のメソポタミア文明をから人間の歴史はおおよそ30万週間程度しかないことには少なさを感じずにはいられない。
地球の歴史と比べると、人間という認知された存在はほんの一瞬しか存在していないと言えます。

そんな短い時間の中で、私たちは時間的な自由を求めて頑張っているはずですが、その自由がなくなるほどの構造になっているのは皮肉なものです。

時間をコントロールしようとするほど、
そのコントロールが失われていくように感じます。

毎日、時間がないとイライラし、ウェブサイトの読み込みや電子レンジの待ち時間が耐えられなくなり、物事がスムーズに進まないことに憤りを感じています。
映画の2時間すら億劫に思うようになってしまったのは時間の感覚が狂わされていると言っても過言ではないかもしれません。


時間の概念

そもそも時間はどうやって一般化したのか。時間の概念は産業革命をきっかけに成立した一説があります。

それまでは日の出から日の入りまで働くといった抽象的な時間でしたが、工場での労働においては、休憩時間がバラバラだと業務の流れがストップすることによる生産性が低下することが問題でした。

そこで、決まった時間に働き、決まった時間に休むことで生産性を上げる施作として時間という概念が生まれました。
働く時間と休憩する時間を決めその分の給与を出す、いわゆる時給の概念もこの頃にできたのではないかと言われています。

しかし、時間単位で物事を決める生活に意味があるのでしょうか。何時に何をして、やることに追われ、遅れれば皺寄せが後にくる。
頑張って時間を確保しようとしても、終わればまた次のするべきことが降ってくる。

それを毎日のように全て完璧にこなしていくのはしんどいです。息が詰まります。自由とはかけ離れた状態になっているのに、果たしてそのまま頑張り続けたとして本当に「自由な時間」は手に入るのか。
手に入れることを先延ばしにして、確実に保証されたものなのでしょうか。

きっとそうではないです。

本当は気づいていても気づかないふりをしているだけの人もいるでしょう。手に入らないとわかっているけど、見て見ぬふりをして自分が傷つくこと避けているだけです。


時間の確保とは

だから、世間とはおおよそ外れたことを言いますが、いくら頑張ったところで「理想」を叶えることはほぼ無理であると認めてしまった方がいいです。そうすると心は途端に楽になって、「頑張らなくていい」を思えた瞬間に自由だと感じれるのではないでしょうか。

自分のできることに集中し、無理なことは無理だと認めて妥協することも大事だと思います。

全てをこなそうとするのではなく、選択と集中をして、手の届く範囲で頑張る方が有意義な人生を送れるのはほぼ間違いないでしょう。時間に追われないためには、時間を生産的に効率よく使うことをやめて時間を確保しようとすることです。

世の中には優れた人や効率を上げる方法が無数に存在しますが、時間は限られているのに仕事は増える一方で、全てをこなすのは到底不可能です。

「7つの習慣」の中で有名な話があります。ある教師が授業で大きな石と小石を使って、どうすれば最も多くの石を瓶に入れることができるかを説明しました。
その際に大きな石を入れた後に、砂や小石を入れることでより多くのものを入れられると教えましたが、現実世界では、そううまくいません。

そもそもその便のお話は全て用意されたものであり、いわば解決できることが前提になっています。しかし、現実は準備されたものばかりではなく、むしろ準備が整っていることの方が少なくトラブルもつきものでしょう。

大きな仕事や重要なことに優先して取り組むことが大事だということだが、現実はそう単純ではありません。

まず行うべきことは、大きな仕事を片付けるのではなく自分の時間を確保することです。他人と関わる仕事を除き、自分がやりたいことを行うための時間を最初に確保してください。

その中でも優先順位をつけ、トップ5の項目に集中し、それ以外は捨てる覚悟を持つことが大事です。全てが中途半端ではうまくいかないし、本当にやりたいことに取り組む時間がなくなってしまいます。

時間を有効に使いたいのであれば、本当に重要なことに集中し、それ以外のことを切り捨てる覚悟が必要です。

現実を受け入れ、限界を理解し、無駄なことを捨てる勇気を持って、自分の時間を有効に使うことが大切になってきます。


無駄を楽しむ

無駄なことはできないという思考から抜け出すには、目的のない行為が重要です。つまり無駄だと思えることをあえて行うことです。

生産性のないことに没頭することは、真の休息であり楽しい瞬間になります。普段の生活で効率を追求するあまり、心のままに行動することが疎かになりがちですが、たとえ他人から見て生産性がないとされる行為でも、それがストレス発散や解放に繋がることがあります。

現代社会では、目的を持たない自己中心的な楽しみを追求することが特に大切だと思います。

でも一体どうして人は急いでしまうのか、という疑問が残りますが、この本では、「分からないという不安や不快感を解消したくて、安易な解決法や他人に当たってしまうことがある」と述べられています。

普段の生活では、分からないことがあってもたいして考えもせずに飛ばしてしまうことが多くないでしょうか。

わからないと言う状態から早く抜け出したくて、はやる気持ちを抑えることがなく把握するべきことも飛ばしてしまっている。本当なら少し時間をかければ解決するようなことにもです。

やってみると意外と簡単で、どうして自分があんなところでつまづいていたのか馬鹿馬鹿しくなったこともあるでしょう。ですが必要なのはそれです。

少し時間をかけてストレスや不安感に向き合うことで、案外問題が大したことではないと気づけるのです。

一見無駄に思うようなことも、実際にしてみればそれほど無駄なことではないと気付ける。無駄を楽しむためには時間をうまく使おうとできるだけ効率良く使おうとするのではなく、時間をかけることが正解になるのかもしれません。


まとめ

たいそうなことを話してきましたが、時間の問題も地球や宇宙の歴史と比べれば、その悩みは小さなものです。そう考えると、少し気は楽にならないでしょうか。

集中したり焦ると問題を大きく見せてしまうこともあります。
しかし、視点を変えることで問題が小さく感じられることもありますし、時には立ち止まって自分の状況を見つめ直すことが大切です。

何もしない時間は心や体の休息に役立ち、ストレスを軽減します。
環境や社会の変化に対応し、自己成長を求められ続ける現代において、何もしない時間は新たな視点や発想を得る機会となります。

そのような時間を設けることで、どのように過ごすべきかや焦点を見直すことができ、自己成長や人間関係、効率向上につながります。

時代の流れや環境の変化に対応しつつ、自分のペースを守り、バランスの良い生活を送ることが重要です。そのためには、何もしない時間を大切にし、自分が行いたいことに集中して、少しの勇気を持ってストレスや不安感に立ち向かうことでより充実した人生を送ることができるでしょう。













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