見出し画像

YOUTRUSTの事例から学ぶ、ヤバいマーケティング戦略!キャリアSNSの過去&未来に迫る

こんにちは、高橋舞伎(@maiki_shovel)と申します。

これまでスタートアップのマーケティング責任者を担当し、現在はBtoBマーケティングに関する新規サービス立ち上げを行なっています。

今回は1年で売上10倍など、急成長中のキャリアSNS「YOUTRUST」のマーケティング施策についてまとめました。

調べれば調べるほど、「マーケティング戦略がヤバい」と声を漏らしてしまったので、ぜひご紹介させてください!


<記事概要>  気になる内容から読んでみてもOK

スクリーンショット 2021-11-24 18.26.20


■1.創業期&シード期(2017年12月〜)

①株式会社YOUTRUSTを設立

代表の岩崎氏はDeNAに新卒入社して採用を担当した後、子会社のペロリで経営企画を担い、独立して2017年12月に株式会社YOUTRUSTを設立。


②YOUTRSTローンチ

2018年4月に副業・転職のリファラル採用プラットフォームとして『YOUTRUST』がローンチされる。

この事業を始めた背景には、採用業務の担当時や転職検討時に感じていた「転職市場への違和感」があった。

転職エージェントのビジネスモデルは、入社した方の年収の何割かを成功報酬でもらうことになっていて、紹介の偏りや誘導などが起こり本質的でフェアな転職の実現が難しい。

そこで、新たにスタンダードとなる転職チャネルを作ることを決意して周囲に構想を伝えると、転職よりも副業のニーズが高まっていたことから、副業を入り口とした形でスタートした。


③数千万円規模の資金調達

TLMおよび個人投資家の中川綾太郎氏から数千万円規模の資金調達を実施したと2019年1月に発表された。

この時点では、ユーザーアカウントは4,000人、リクルーターアカウントには120社が登録。


■2.プレシリーズA期(2020年1月〜)

④プレシリーズAラウンドで1.1億円の資金調達

株式会社デライト・ベンチャーズ、STRIVE、TLM、エンジェル投資家の赤坂優氏、古川健介氏、西尾健太郎氏らから総額1.1億円の資金調達を実施したと2020年1月に発表された。

※ここで加わった事業経験の深い投資企業・投資家との、企画や相談が事業成長に役立ったことが想像できる

口コミを中心に広がり、この時点での利用ユーザーは8,000人以上、累計導入企業は180社を超えた。


⑤「キャリアSNS」としてリブランディング

「副業・転職のリファラル採用プラットフォーム」から、「副業・転職のキャリアSNS」にリブランディングする。

2019年10月からプレシリーズAの資金調達に向け「どうやって市場を変えていくのか?」「勝ち筋はどこにあるのか?」を改めて模索。「信頼される人が報われる転職市場に」というミッションを掲げているが、果たしてそれをどう成し遂げるかが議論された。

自分たちは"採用メディア"なのか?"リファラルデータベース"なのか?"SNS"なのか?結局何者なのか定まっていない状況。在庫(求人票)の数や、営業部隊の大きさなどで競っても他社サイトに及ぶはずもない。

そんな中、YOUTRUSTは通常の転職サイトと比べて圧倒的にアクティブ率が高く、グローバルでキャリアSNSとして名を馳せるLinkedInすら上回っている可能性があることに気づいた。

<月間アクティブ率の比較>

画像1

画像参照:https://note.com/youtrust_lab/n/n381ac8c8938b

単に求職者や求人の規模を求めるのではなく、SNSとして他の媒体には登録していない人も含めて活発に利用されるプラットフォームになることができれば、最終的には市場自体を変えることができると。

<詳細を知りたい方はこちら>
半年でDAUが2.4倍に成長!これはただの採用媒体ではない、SNSなのだ。


⑥プライシングの変更

YOUTRUSTローンチ当時は副業人材を採用している企業が少なかったので、「企業の登録社数」に課題があったが、2020年に入ってコロナ禍で世の中の価値観が大きく変化した。

経営における固定費を減らす観点でも、業務委託での採用が急増して、その流れに乗るためにまず最初に行ったのが、顧客企業に対するプライシングの変更だった。

具体的には、「月額0〜3万円+成果報酬60〜90万円」の価格体系を、「月額7.5万円〜のみ」に変更したことで、解約率が半分になって、1社あたりの客単価が2倍になった。

画像2

画像参照:https://markelabo.com/n/n4d07949d143d

これは、月額で安くない金額を払うと「使わないともったいない」という心理になり、ちゃんと使われるようになったことが大きな要因である。スカウト送信数が3倍、マッチング数(スカウトへの返信数)も5倍になった。

<詳細を知りたい方はこちら>
使わないともったいない価格心理で客単価が2倍に。キャリアSNS「YOUTRUST」が語る価格プラン変更で「顧客アクション」が変わった話と、今年副業ニーズが伸びた理由


⑦スタートアップ向けの登壇・メディア露出

プライシング変更に伴う営業活動では、「副業人材の採用意欲が高いスタートアップ企業」にサービスがマッチしやすいことが分かってきた。

そのため、より多くのスタートアップ企業に認知してもらうために、2020年5月頃からメディア露出を増やしたり、スタートアップカンファレンスで結果を残すことに注力。

著名な経営者・ベンチャーキャピタリスト・投資家が集い、その場で投資や業務提携が決定する、国内最大級のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit 2020」内のLaunchPad本番ファイナリスト選出まで進めることができた。


⑧すごい副業・かなう副業

登壇やメディア露出のかいがあって企業の登録社数は増えてきたが、今度は顧客のニーズに対してユーザー数が足りないという状況になり、2020年8月から新規ユーザーの獲得に舵を切った。

すごい副業」という企画は、副業という形で業界を代表する方の隣で一緒に働いたり、レアな体験をしたりできるというもので、事業のブレイクスルーに繋がった。

newn代表の中川氏から始まり、DeNA代表取締役会長の南場氏などが募集した「すごい副業」の数々がSNSでのバズを生んだ。

画像3

画像参照:https://markelabo.com/n/n4d07949d143d

Facebookやツイッターの広告に出したところ、通常のYOUTRUSTの広告と比べると、「すごい副業」の広告は1ユーザーの獲得単価でいうと、1/2〜1/3になった。

また、すごい副業が「人軸」の企画だったのに対して、2020年10月からD2Cブランドといった「企業軸」で副業人材を募集する「かなう副業」の企画も開始した。

画像4

画像参照:https://seleck.cc/1466

アパレル・ケーキ・カフェ・アートなど、この企画には「小さい頃やりたかったことを副業という形でチャレンジして、夢を叶えよう」というコンセプトがあった。

すごい副業には応募する自信がなかったという方でも、かなう副業であればエントリーしやすいようで、新規ユーザーの獲得にはかなう副業の方が寄与しているとも語られる

そして、2020年10月末には登録ユーザー数が累計2万人を突破したと発表された。

<詳細を知りたい方はこちら>
「すごい副業」はバズ狙いじゃない。YOUTRUSTの小さく始め、大きく実らせる企画の裏側


iOSアプリリリース

2021年4月にiOSアプリリリースを行なった結果、ユーザーを中心に盛り上がって「日本のキャリアSNS」がTwitterトレンド入りし、翌日にapp storeで特集され、新規登録者数も過去ギネスを突破した。

画像5

画像参照:https://signal.diamond.jp/articles/-/833

2021年4月の昨年同月成長比は、ユーザー数 5倍超・売上 約10倍となっている。

さらに、YOUTRUSTアプリの正式リリースを受け、新規で登録したユーザーも2020年12月末の3万人突破を発表して以来、約3ヶ月半で2万人を超える新しいユーザーの登録があった。


■3.プレシリーズB期(2021年8月〜)

⑩プレシリーズBラウンドで4.5億円の資金調達

株式会社デライト・ベンチャーズをリードインベスターとして、STRIVE、W ventures、ANRIから、シリーズBラウンドで総額4.5億円の資金調達を実施したと2021年8月に発表された。

YOUTRUSTが強いチャネルはSNSであり、SNSのタイムラインをざっと見る人たちに対して、伝えたいメッセージをいかに伝えられるかが肝になるため一番にプレスリリースのOGPの方向性を決めた。

※OGP…SNS上で表示される見出し・本文・画像などの情報のこと

実現したいことは何か?を徹底的に議論した結果、今の日本型キャリアに警鐘を鳴らすことがポイントとなり、「日本型キャリアを、ゲームチェンジする」を新しく浸透させたいパーセプション(認識)として、プレスリリースのタイトルやOGPにも載せた。

画像6

画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000040832.html

<詳細を知りたい方はこちら>
広報PR×マーケティングでプレスリリース価値最大化へ。YOUTRUST資金調達の裏側とは。


⑪OOH(駅広告)

駅広告を行い、資金調達やその他の施策とも組み合わせて、新規登録者数 380%(前月同期間比較 )が実現された
※CPA(広告費用 ÷ 新規登録者数)は105%とほぼ横ばいで維持

施策前に定量調査をした結果、「すごい副業」などの企画打ち出しで認知獲得は進んでいたものの、サービスの認知のされ方が「副業のサービス」になっており、副業ニーズのない方に登録する理由がないことが課題だと分かった。

そこで、YOUTRUSTの認知未利用層をターゲットに「YOUTRUSTは、副業や転職を探してる人以外も使えるキャリアSNSである」と伝えることを目的とした。

「YOUTRUSTにはすでに多くの人が登録していること」「YOUTRUSTは、新しい仕事以外の、情報にも出会える場所であること」を印象づけるため、ユーザーさんの実際の投稿を利用して、SNSでも拡散された。

<詳細を知りたい方はこちら>
YOUTRUSTが資金調達リリースからやってきたこと裏話


3.9キャンペーン

スクリーンショット 2021-11-24 14.19.56

画像参照:https://lp.youtrust.jp/campaign_202112_thankyou

これまでの感謝と12月28日のユートラ4周年に向け、様々なコンテンツが毎週追加予定!YOUTRUSTから感謝を伝える1ヶ月間がスタート

<詳細を知りたい方はこちら>
ユートラ3.9周年 #ユートラサンキュー


■おわりに

「YOUTRUSTの事例から学ぶ、ヤバいマーケティング戦略」はいかがでしたでしょうか?

実は、いま担当している事業では立ち上げにあたりデザイナーを見つけるために使ったのが、YOUTRUSTでした。

その存在がなければ、今の自分がなかったかもしれないので、デザイナーの方とYOUTRUSTへの感謝「#ユートラサンキュー」の意味も込めて、記事を書かせていただきました。本当にありがとうございます。

トップを目指して「日本型キャリアのゲームチェンジ」を仕掛けていくYOUTRUSTを応援していきたいと思います。

今後も、成長サービスやマーケティング事例を広めるため、今回のような記事をお届けしていきますので、寄稿・執筆をご希望する方はこちらのアカウントにお気軽にご連絡ください。

\フォローしてるだけで、マーケティングに詳しくなれる/
高橋 舞伎@シャベル代表/マーケター(@maiki_shovel



■参考

「すごい副業」はバズ狙いじゃない。YOUTRUSTの小さく始め、大きく実らせる企画の裏側

「お試し転職・副業」はミスマッチを防ぐ一手になるか。YOUTRUSTから見る新たな転職のカタチ

副業メンバーの受け入れは人手不足の会社にチャンス? 実践企業が語るメリット

友人の転職・副業意欲からスカウトできる「YOUTRUST」が資金調達、TLMと中川綾太郎氏が引受先に

半年でDAUが2.4倍に成長!これはただの採用媒体ではない、SNSなのだ。

副業・転職のキャリアSNS「YOUTRUST」が、プレシリーズAラウンドで1.1億円の資金調達を実施

使わないともったいない価格心理で客単価が2倍に。キャリアSNS「YOUTRUST」が語る価格プラン変更で「顧客アクション」が変わった話と、今年副業ニーズが伸びた理由

日本最大のキャリアSNSをつくる

Infinity Ventures Summit 2020「LaunchPad」ファイナリストに、YOUTRUSTが選出されました!

1年間で累計ユーザー数は5倍増──急成長のキャリアSNS「YOUTRUST」、運営元が4.5億円の資金調達

広報PR×マーケティングでプレスリリース価値最大化へ。YOUTRUST資金調達の裏側とは。

YOUTRUSTが資金調達リリースからやってきたこと裏話

日本のキャリアSNS「YOUTRUST」が累計ユーザー数5万人を突破

日本のキャリアSNS「YOUTRUST」がシリーズBラウンドで4.5億円を調達「日本型キャリアのゲームチェンジ」を仕掛ける存在へ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?