アメリカ南西部1600マイルのロードトリップ③ ~アンテロープキャニオン編
アメリカの原風景を巡る、子連れ珍道中。
セドナ、モニュメントバレーの次は、いよいよ旅の目玉:アンテロープキャニオンの絶景を目指して、レッツゴー!
モニュメントバレーにあるザ・ビューホテルからアンテロープキャニオンまで、片道120マイル(=190キロ)を2時間かけて走ります。
再び「何もないな 誰もいないな」の道が、永遠に続きます。
アンテロープキャニオンに向かう途中、ヒッチハイクおじさんを目撃しました。約10時間後、帰り道でも同じ人を目撃したのですが、この何もない世界の真ん中で、彼はいったいどうなってしまうのでしょうか・・・。
話を戻して!
アンテロープキャニオンって、なーに?
全貌を知らないまま、アンテロープキャニオンに行ってしまった私たち。目的地付近の岩山を見ては「あれかな?いや、こっちかな」とか言っていたんですけど、ぜんぜん違いました(笑)。
アンテロープキャニオンは地表と同じ高さにあって、イメージとしては大地の切れ目、あるいは、超狭くて天井が開いている洞窟。雨水や風などが、何百万年もかけて砂岩を削り、美しくも複雑な曲線のアートを創り上げた・・・とでも表現しましょうか。
モンスーンの季節は、川の水がここから氾濫したり、鉄砲水も発生するそうで、キャニオンの形は今もなお変わり続けているそうです。
この景色を見るためには、ナバホ族が主催するツアーに参加しなければなりません。昔は個人で訪れることもできたようですが、鉄砲水は予測が難しく、過去に酷い事故もあり、現在ではツアー参加が必須だそうです。
この日は12月31日。観光客が普段より格段に少なく、我が家に専属のガイドさん(トニー)がついてくれました。ラッキー!
トニーが片手で運転するごっついピックアップトラックに乗って、凸凹道をゆられること10分。入り口に到着しました。
この入り口らへんで写真を撮って終了~かと思っていたんですけど(何度も言いますが、予備知識ゼロww)、ここから小一時間、岩と岩の切れ目をゆっくりと歩いて進み、この世のものとは思えない景色を堪能したのでした。
アンテロープキャニオンの絶景集!
3歳が「抱っこー!抱っこー!」になってしまい、私は一切写真を撮ることができませんでした。でも、ガイドのトニーさんに私の携帯を渡したら、超絶テクで写真をたくさん撮ってくれたので、結果オーライです♪
コロラド川が大地をエグる、ホースシューベンド!
アンテロープキャニオンまで来たら、ここも抑えておきたい場所、だそう。コロラド川がグルッと急カーブして、馬蹄の形をしていることからその名がついた絶景スポットです。
駐車場から、往復1.5マイルのハイク。平坦な道で、ベビーカーや車いすでもアクセスできるそうです。
柵はないそうで、すべて自己責任!お尻がぴくぴくするほどの高さで、風も強かったので、けっこう怖かったそうです。
・・・なぜ伝文調かというと、私は行かなかったから(笑)。
3歳児が移動中にお昼寝してしまったので、車内で一緒にお留守番。夫と娘だけで絶景を楽しんでもらいました。
さて!
訪れるべきところは、すべて無事に訪れることができました。あとは来た道を戻るだけ!まずはモニュメントバレーからセドナ経由で、330マイル(=530キロ)走り、フェニックスで1泊。翌日さらに360マイル(=580キロ)を完走して家にたどり着きました。
旅のこぼれ話、食事編。
我が家のロードトリップは、炊飯器持参です。
食べ慣れていない、食べたくない、食べ物が売っていない、そんなトラブルをイッキに解決してくれる、最強の相棒!
なので外食はあまりしなかったのですが、そんな中でも感動したメニューがありました。ガイドのトニーさんが紹介してくれた、ペイジという小さな町にあるRanch House Grilleの絶品チリ♬
チリといえば赤い色なんですけど、こちらの名物はグリーンチリ。
トッピングに生のオニオンとチーズがたっぷり、いろんな辛味が絶妙なハーモニーで、めちゃめちゃ美味しかったです。
旅行中、寒いのになぜかずっと「アイスが食べたい」と言っていたキッズ。帰路に寄ったスコッツデールの可愛いアイスクリームパーラーで、絶品サンデーに在りつきました。大人はキャメルバック・ソーダ♬
アイスクリームとソーダを混ぜた飲み物で、上にアイスも乗っていて、横にはお代わりソーダ付き。これがまた、めちゃうまだった・・・。将来アイスクリームパーラーを開店することがあったら、名物メニューにします。
旅のこぼれ話、ネイティブアメリカン編。
今回の旅で訪れたのは、アメリカ最大規模の先住民族、ナバホ族の保留地(リザベーション)です。
調べると、開拓者(=アメリカ政府)とネイティブアメリカンの歴史は、なかなか酷いもので。。ナバホの人々は土地を奪われ、何日も歩かされた挙句、縁もゆかりもない土地に強制収容された(=ロングウォーク)、なんてことも。
ナバホの子供たちを寄宿舎に集め、学校教育を通じてアメリカ人化させる、という政策もあったそうです。現在では政府も反省し、民族の歴史、文化、言語を後世に残す様々な取り組みがあるようですが・・・。
ガイドをしてくれた方々、お土産屋さんやレストランで接客してくれた方々など、ナバホの人たちと接する中で「幸せそうだ!生き生きとしている!」と、感じることができなかったのは、なぜだろう?
アンテロープキャニオンを案内してくれたトニーさんは、「家ではナバホ語、子供たちに言葉と文化を残すのが使命」と言っていましたが。でもそれって、多くの人が当然のようにやっていることだったりします。いやでも、民族の人口が少ないと、一人ひとりにものすごいプレッシャーがかかるのでしょうか。
お土産に、ネイティブアメリカンのことわざ集を買って読んでいるのですが、日本人と通ずるものもあれば、意味が全然わからないものも。感覚が違うのでしょうね。自然の一部として生きて死ぬ、正直であること、多くを語らないことが美徳、そんな文化を持っている人々が、テレビやインターネットを通じて別の価値観に触れ続けるって、なかなか複雑です。
・・・最後はちょっと神妙になってしまいましたが。
1600マイルのロードトリップ、アメリカの原風景に触れる、素晴らしい時間になりました。完。
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