21世紀の経営に必要な「アスピレーション」とは?ビジョンとの比較から紐解く
ビジネスの世界では、「アスピレーション」と「ビジョン」の二つの言葉が頻繁に使われます。
これらの言葉の意味は、一見すると似ているように感じられるかもしれません。それぞれの言葉が持つ意味と、それらがどのように関連しているのかを確認してきましょう。
そもそもビジョンとは何か?
まず、「ビジョン」について考えてみましょう。
ビジョンは、個人や組織が将来達成したいと考えている具体的な目標を指します。具体的で明確な形を持っており、言語化することが可能です。ビジョンは、時代の変化や自分自身の成長、人生の局面に応じて変化することがあります。ビジョンを設定することで、目指すべき方向性が明確になり、行動の指針となります。
では、「アスピレーション」とは、どういうものなのでしょうか?
アスピレーションは個々人が持つ強い願望や向上心を指します。アスピレーションもビジョンと同じ要素を持っていますが、内容によっては形がなく、言語化することは難しいかもしれません。しかし、アスピレーションは、外的・内的要因に変化があっても変わらないもの、いわば死ぬまで変えられない/変わらないものと考えられます。アスピレーションは、個々人の哲学的意味あいがあり、キャリア選択のための軸というよりも、人生の普遍的軸といえます。
なぜ、21世紀の経営には「アスピレーション」が必要なのか?
ビジョンは、具体的な目標を設定し、それに向かって行動するための指針を提供します。一方、アスピレーションは、自分自身が何を追求し、何を達成したいと考えているのかを理解するための基盤を提供します。したがって、ビジョンとアスピレーションは、それぞれが異なる役割を果たしながら、相互に関連しています。
では、近年なぜこの「アスピレーション」の必要性が説かれているのでしょうか?
ひとつは産業構造の変化です。従来は、いわば会社のYESマンであればよかった時代でしたが、今の環境変化を踏まえると、自分で創造して仕事をしなければいけないように変わってきたのが大きな要因です。企業家だけでなく、社員でも、個人の志や情熱が会社にとても大きな意味を持つようになってきています。
もうひとつが、企業の業歴との関係性です。仕事をするうえで、個々の能力が会社全体の業績に影響を与えるのは当たり前のこととして捉えられるようになりました。この観点から、個々の意識が低ければ業績も上がらず、作業効率も悪くなります。アスピレーションが高いことで、従業員の主体性が高まり、結果的に会社の業績も向上するため、改めてアスピレーションの重要性が注目されているのです。
アスピレーションは、個々の従業員が持つ強い願望や向上心を表し、それが組織全体のパフォーマンスに直接影響を与えます。今後の経営においても、ビジョンと同じく、アスピレーションも重要な要素となることでしょう。
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