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人事業務のBPR、どんな視点で考える?

リスキリング、人的資本の情報開示、タレントマネジメントーー経営環境の変化を踏まえ、人事はさまざまなテーマに取り組まなければなりません。

そのため、常にビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)に取り組む必要がありますが、業務の棚卸しをどの視点で行うべきか迷うものです。

今回は、人事業務のBPRに着手する際、どのようなポイントを考えるべきか見てみましょう。




BPRの始まりは、人事業務の特徴を知ること


BPRを取り組むにあたり、まず、人事業務の特徴をより理解しておくことが大切です。たとえば、次のような特徴を持っていると言えるでしょう。

① 少量多品種型であること
人事の仕事は、評価、配置、育成、報酬などさまざま存在するが、一つひとつの仕事は数が決して多くない

② 固有性が高く、内容も変化しやすいこと
各企業ごとに独自の要素が含まれ、法改正やテクノロジーの進化などにより内容も変わりやすい

③ 従業員起点で始めること
仕事は従業員からの問い合わせに基づいて発生するため、受け身の姿勢になりやすい

④ 規定には明記されていない例外ケースも存在する
限りなく明文化しようと試みているが、実際には規定には明記されない例外ルールも存在する

人事業務にはこれ以外にもいくつかの特徴がありますが、重要なのは、自社の人事業務がどのような特徴を持っているかを理解することです。

特徴を把握したうえで、どれを対象にするかを決定するのは、BPRを進める上での最初のステップです。


人事業務のBPR成功のための5つの問い


人事業務の変革を検討する際、すべての業務を一から見直すことは現実的ではありません。そのため、何かの基準を持ちながら、取り組むべきかどうかを検討することが大切でしょう。たとえば一例として、5つの問いをご紹介したいと思います。

問い① 標準化・自動化の可能性はるか?
BPRの初歩として、業務の標準化や自動化の可能性を検討することが重要です。どれほど固有性が高くても、創意工夫によって標準化できる可能性があります。

問い② 業務の頻度・ボリュームはどの程度か?
BPRの成功には、業務の頻度とボリュームを正しく評価することが不可欠です。例えば、年に一度しか行われない業務は変革の効果が限られるため、優先度を見極めることが重要です。

問い③ 専門性や複雑性がどの程度求められるものか?
人事業務には専門性が高く複雑な業務も存在します。これらを積極的になくすのか、それともあえて属人化させるのかは会社ごとの判断になりますが、こうした性質を持つ仕事にどうメスを入れるのかも検討することが大切です。

問い④ 影響範囲はどの程度か?
BPRの対象になった際、変革がどの範囲に影響を及ぼすのかを見定めておくことが重要です。例えば、本社だけでなくグループ会社にも影響が及ぶ場合、関係者と認識を合わせる必要があります。

問い⑤ 現場はどこまで協力してくれそうか?
BPRの成功には従業員の協力が欠かせません。変革プロセスに従業員を積極的に巻き込み、彼らのフィードバックやアイデアを取り入れることで、変更の受容性を高めることができます。

これら以外にも向き合うべき問いは存在しますが、大切なのは何に答えるべきなのかを正しく捉えることです。

ここまで人事業務のBPRについて見てきましたが、新しい業務プロセスを実装するだけでなく、それを支える組織文化や従業員のマインドセットが重要になってきます。人事業務のBPRは、企業の競争力を高めるための重要な施策です。ぜひ、これらの視点を参考に、あなたの企業の人事業務のBPRを進めてみてください。

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