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目的逆算思考「コーゼーション」の限界とは?

目的を定め、目的を達成するのに必要な手段を考えるアプローチのことを言います。

ビジネスのあらゆる場面でこのアプローチが採用されていますが、環境変化が激しい時代、限界も見えてきています。

コーゼーションはどんな前提が揃った場合に有効なのでしょうか?


コーゼーションが成立するための2つの前提条件とは?


「コーゼーション」とは、目的を達成するために逆算的な意思決定を行う手法のことです。

このアプローチが有効に働くためには、幾つかの前提条件が揃っていることが必要です。これら前提条件を明確に示した研究はあまり見当たりないものの、さまざまな書籍や記事を読む限り、次の2つに集約されるものと思います。


①  環境や状況が変化しにくいこと
自身を取り巻く環境や状況が大きく変化しないこと

② 将来がある程度予測可能であること
調査や試行の繰り返しなどによって、将来の見立てが予測できること


ほかにも「自身の行動による環境や状況への影響が限定的であること」や「そもそもの目的が明確であること」なども挙げられますが、この2つは共通要素と捉えても違和感がなさそうです。


コーゼーションが通用しなくなっているのは何故なのか?


コーゼーションは、これまで広くビジネスの場面で採用されてきました。たとえば、企業経営では「年間売上100億円」や「シェア率1位」などの目的を掲げ、市場調査を通じて戦略を練り、その目的を達成するために動いていく場面が多いでしょう。同様に、皆さんの日々の実務でも「新規顧客10社獲得」や「作業効率10%向上」といった目標を設定し、計画を立て、実行に移していると思います。

しかし、さまざまなところで言われているように、今は環境変化が激しい時代です。特にスタートアップなどを経営すると、予測通りにいかないことの連続であり、目的から逆算して進めていくことの難しさに何度も向き合うことになります。そのため、未来は予測するものでも、見つけるものでもなく、「つむぎ出す(fabricated)」ものだという立場に立ち、「エフェクチュエーション」という考え方が注目されています。

エフェクチュエーションは「cause and effect(原因と結果)」から着想を得たものです。バージニア大学ダーデン経営大学院のサラス・サラスバシー教授によって提唱された概念です。

この考え方が注目されたのは、コーゼーションが通用しなくなっている場面が増えてきたためでしょう。

コーゼーションは未来を予測可能だとする立場を取りますが、未来予測が外れた場合、修正が必要になります。微修正ならまだしも、特に大規模な組織であれば、急な変更は難しく、それに伴う損害も大きくなります。

また、これまでのように、目的設定に時間をかけすぎることへのリスクも存在します。たとえば、目標を設定するプロセスで情報収集や分析に時間がかかり過ぎたために、ようやく目的が定まったときには状況が変わっていることがありえます。

このような事態が起こるのは、年々、環境変化が激しくなっていることは明らかでしょう。もちろん、全ての場面でエフェクチュエーションのアプローチを取るべきだということではなく、自社が置かれている環境を適切に把握し、どのアプローチが適切なのかを考えることが大事だと思います。

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