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SDGsを達成するための最後のピース「IDGs」とは?

サステナブル経営を支える人材育成法の新しいグローバルスタンダードであるIDGs(Inner Development Goals)の存在を知っていますか?

今後、SDGsを実現するための人材育成の新たなフレームワークとして注目されています。内容を見てみましょう。

SDGsを達成するための最後のピース


IDGs(Inner Development Goals)とは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、人の内面成長の要素をフレームワーク化したものです。

現在、さまざまな国がSDGs達成に向けた取り組みをしていますが、目標の達成にはまだ遠いとされています。その取り組みの中でわかってきたのは、私たちの内面の成長や意識レベルの向上が不可欠であるということです。それをまとめたのが「IDGs」なのです。

「IDGs」は、SDGsの実現に向けて必要な内面成長の要素を提供する枠組みであり、2020年からの議論を経て、2022年に誕生しました。IDGsを作り上げるにあたり、50以上の学術機関や企業が参加、有名な著名人や企業もプロジェクトを支援してきました。こうしたさまざまな人々の協力を得て、IDGsで心理的安全性や成人発達理論、学習する組織やシステム思考などの概念が取り入れられています。


IDGsの5つのフレームワークとは?


「IDGs」のフレームワークには、以下の5つのカテゴリーがあり、それぞれが内面成長に必要な要素を網羅しています。

  1. 自分のあり方(Being):

    • 自分自身との関係性に焦点を当てます。

    • 自分の価値観や意識、身体との繋がりを重視し、意図的に行動できるようになることが目標です。

    • パーパス(なぜ働いているのか)の重要性や、内発的な動機からくる意欲が強調されています。

  2. 考える(Thinking):

    • 認知スキルに焦点を当てます。

    • 情報を正しく認知し、ロジカルシンキングだけでなく、システム思考や長期的な視点、バックキャスティングなど複雑な問題に対応する思考スキルが求められます。

  3. つながりを意識する(Relating):

    • 繋がりの感覚を重視します。

    • 他者や異なる価値観、動物や自然との関わり方が問われます。

    • 心理的安全性や組織の自律分散型開発などが重要視され、他者とのつながりを育むスキルが求められます。

  4. 協働する(Collaborating):

    • 社会的スキルに焦点を当てます。

    • さまざまな価値観を持つ人々を認め合い、協力して新しい動きを生み出すことが必要です。

    • コレクティブ・インパクトやダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンなどが取り上げられています。

  5. 行動する(Acting):

    • 行動が変化を推進する要素とされます。

    • 不透明な状況や未知の中で行動し続けることが求められ、チームや個人が変化を推進するスキルが重視されます。

これらのカテゴリーは、「IDGs」の23のターゲットスキルをサポートするものであり、個人および組織が持つポテンシャルを引き出すためのガイドとなっています。

「IDGs」を組織に導入する際には、組織で起きている課題や事象を明らかにし、組織の状態や人の可能性を把握することから始めることが強調されています。適応課題に対処するためには、ダブルループ学習が必要であり、体験をベースとしたワークショップが有効であると述べられています。組織のリーダーシップが「IDGs」のエッセンスを取り入れ、組織の実態に応じた人材育成施策を構築することが強調されています。

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