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「日本が好きな外国人達の話」イギリス・ブライトン

ブライトンに来て一番驚いたことは、以外にも日本文化の事を好きだと言ってくれる人たちが多いことだ。好きというほどでもないけど興味はあるとか、言ってみたい国として必ず上がる。ブライトンに来て、海外の文化を学ぶ一方で、日本の文化を改めて考えることが多くなった。

この記事ではいくつかの体験談を書きたいと思います。多分面白いです。

街中


まずはブライトンにやってきて初めて外に出たときのことだ。一週間の隔離生活が終わり、まずはブライトンがどんな街なのか一日かけて歩き回った。やるべきこともいくつかあったので、並行して済ますことにした。まずはsimカードの発行。イギリスのスマホ事情は日本と異なっていて、基本的にはスマートフォンはどこかのショップで購入し、simカードは別の通信会社で購入する形になる。日本のようなキャリア制度は存在しない。

僕はthreeというイギリスでも大きな通信会社の契約をすることにした。大きい会社だし、30GBで月額2500円と日本に比べるとかなり安い。なぜここまで安いのかというと、日本と比べて通信環境に資金を投入していないからだ。なので街の中だと通信は安定するが、地下や店の中に入ると接続が結構悪くなる。日本は通信料金は他国と比べると高いけれど、その代わりに高品質な通信を使用できているのだ。有難いですね。

というわけで、僕はチャーチルスクエアというブライトンで大きなショッピングモールに行き、契約をした。担当してくれた女性店員はとても親切で、ちぐはぐな英語でも優しく対応してくれた。

契約が終わった後、僕に向かって「もしかして日本人ですか?」と尋ねてきた。「そうです」と答えると、彼女は「GAKUTOって知ってますか?私、彼のファンなんです」と質問してきた。まさかこんなローカルな場所でGAKUTOの名前が出てくるとは思ってもいなかった。その後少し話していると、どうやら彼女はyoutubeで彼の動画をみて興味を持ったらしい。そしてボーカロイドのファンだそうだ。インターネットの時代では遠く離れた場所でもGAKUTOが認知されうることに驚いだ。

僕がパブでビールを飲んでいるときにも出会うことがある。hove&ruinというライブ&DJができるパブで友達を待っていた。この日はパブでイギリスのDJがCITYPOPを流すというので、これは逃すまいと思ったのだ。オメガドライブや大橋純子などの日本の曲がブリティッシュパブで流れる光景は新鮮だった。

その時、アフリカ系のイギリス人と偶然同じ席で話すことになった。彼は子持ちの夫さんで、機械系のエンジニアをしながら大切な家族を支えている。彼は僕達にもわかりやすい英語で話してくれたりと気持ちのいい人だった。
その娘がいま17歳で日本が好きで東京に一度行ったことがあるんだと言っていた。「僕は娘ほど日本の事が詳しくないけど、彼女はよく日本の事を僕に話すよ。それくらい好きなんだろうね」と言っていた。僕たちはビールを飲みながら、日本のいい場所とイギリスのいい所を教え合った。

学生と先生

学校の中の学生にも日本好きな人は多い。
まずは僕のクラスメイトのクエート出身のアマール君とサウディ―君の話。

彼らは初めての授業で、軽く会話をしている時に僕に「へい、この言葉を知ってる?(Hey Tatsuki. Do you know this word?)”お前はもう死んでいる”」と言った。もちろん『北斗の拳』だ。遠く離れた中東の土地の人がこのセリフをしっている事と、あまりに唐突なキラーワードだったから僕は思わず笑ってしまった。意味は分からず覚えていたそうだ。
僕はアマール君たちに北斗の拳について説明して、「クエートでもアニメってみれるんだ?」と漫然に聞くと、「もちろんさ、僕達にできない事はブタを食べれない事だけだね、ハハ」と冗談を交えて答えてくれた。

クエートやサウジアラビアなどの中東アジアの人たちはそろって明るいし元気がいいし面白い。僕は彼らの不機嫌そうな姿を一度も見たことがない。休憩時間に、彼らは日本の事を知りたいからと「これ日本語でどういうの?」とよく聞いてくる。サウディ―君は「何?(what?)」をえらく気に入ったらしく、会うたびに「ヘイ、tasuki! ナニ!!」と言ってくる。かなり子供っぽいところがあって面白い。

僕の授業を担当してくれるアリス先生は日本が一番好きな国と言っていて、コロナが収まったら行ってみたいといってるほど興味を持ってくれている。授業で日本の話が出てくるときや、授業には僕を含めて4人の日本人学生がいるのだけれど、僕達が日本の事を説明するたびに、目を開くように聞いてくれる。時にはプロジェクターを使って日本の説明をすることがあるのだけれど、いつもうっとりするように画面を眺めている。そういう姿をみているとなんだかこっちまでうれしくなったりするものです。

アリス先生は博識で、日本のCITYPOPの音楽や、三島由紀夫村上春樹の小説も読んでいたりするほど詳しかったりする。一番面白かったのが原宿系のファッションに熱烈な興味を持っていることだった。「どうして原宿系が好きなの?」と聞いてみると「イギリスじゃこんなファッション見たことないからよ!超クールよ!(super cool!)」と熱く語ってくれた。

僕はイギリスの文化が好きだからアリス先生と休憩時間に簡単な意見交換をしたりする。僕は思うのだけれど、異文化交流という行為はただ相手の文化を知るだけではなく、自国の文化を再認識し、解釈し直す作業も重要なのではないのかとここにきてよく考えるようになった。交流することで他の文化と相対化することで共通点、相違点を確かめ、自国の気付かなかった部分を発掘したり再解釈する。時々話し合う中でこうした経験に巡り合えたりする。この経験が何に行かせるのかはさておいて。

話を戻すと、日本好きの外国人は以外にも多い。とりわけ多いわけでもなく、少なくもない。言いたいのは日本人が思っている以上に彼らは日本の事に興味を持っているのだ。ブライトンに来て何人かの日本人学生と話す中で、ほとんどの人が同じ考えを持っていたので、そうなのだろう。もちろん日本なんてさらさら興味ないよって人もいる。おそらくだけど好きな人は大好きで、興味ない人は全く興味がないのだ。けれども思っている以上に誇りに思ってもいいのではないかなと思いました。


↓ブライトン・チャーチルスクエア内のHMVのコーナー

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