たつ

適当にかいてますー

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最近の記事

カーディガンのある生活

寒さが和らいだり、厳しくなったりと変化する今年の冬。あなたはどんな服を着ていますか。僕は多くの日をシャツとカーディガンで過ごしでいます。 というのも仕事が在宅なので、冬の定番のダウンやコートが必要ないから。お家の中では厚手のカーディガンが一番使い勝手がいいものです。今日もノーカラーのシャツに厚手の黒のカーディガン、最近買ったベージュのバギースラックス。 カーディガンってことは、素敵だと思いませんか?由来を調べてみると、昔のカーディガン伯爵7世が1853年からのクリミア戦争

    • ポパイ的メタ認知

      朝の寒気を感じ、ふとコーヒーを飲みたくなる。少し離れた台所までが億劫だけど、その重い足を動かして向かう。昨夜電気ポットが壊れてしまったから、今日は加熱用ポットでお湯を沸かす。蛇口からの水はなかなか温まらない。水が沸騰するまでの間、僕はFM802を聴くためにラジオをつけた。aikoの新曲。ラジオから流れるaikoの曲ってどうしてここまで魅力的なのだろう。それはyuiでもなくadoでもyoasobiでもダメなのだろう。 やかんからキューーという音が聞こえる。沸騰したお湯を、お気

      • パスタのお話

        彼女と同棲を始めてから、料理を作る機会が増えた。元々料理をすることが好きだったので、マイキッチンがあるというのがとても嬉しい。 料理の中でもパスタを作るのが一番好きだ。 ぐつぐつと沸騰したお湯の中に広がるパスタ、細かく切ったニンニクをオリーブオイルでじっくりと加熱する。キッチンの周りにはなんとまいえない匂いで充満する。パスタが茹で上がるまで、近くに置いているスマートスピーカーでラジオを聴いていると、昔好きだった曲がふと流れる。いいものです。 パスタで思い出したんですけど

        • キッチンから

          綺麗に晴れた平日の午後、キッチンで調理をしている時、白いスピッツは僕に近づいてくる。物欲しそうなそのブラウンの眼差しに見つめられて、つい台所に置いていた新鮮な春キャベツをあげてしまった。 黙々と食べ続ける彼の姿を見ては、いまこの白いスピッツと彼女と共に生活をしているのだと実感する。 以前とは違う生活。それは以前よりずっと新鮮で幸せな生活だ。まるで寒い冬をようやく超え、煌びやかな桜の季節を過ぎた五月の春に似合うような。 包み込むような風と、新緑の緑。そんな季節に今僕たちは同

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          私という物差し

          私とはなんなのだろう。と考えた時に、それは物差しなのだと思う。私と物事の距離感を測る物差し。 自分について考えた時、僕は深い沼にハマったような気分になって落ち込む。自分という存在はもちろん表面上にはあるけれど、その中身へ潜って行くほど理解し難いものになるからだ。 まるで未知の生物が存在する深海のように。 僕は思うのだけれど、自分という存在はその他の存在との関わり、その距離の間に住むものなのじゃないかなと思う。 例えば僕は音楽が好きだ。音楽を聴いている時、心が安らんだり

          私という物差し

          はじめて音楽を聴いた日

          はじめて音楽を聴いた日はいつだったろうか。 と、ふと東へ向かう電車に揺られながら考えていた。電車の揺れというのは人の思い出に、ささやかに響くのだろうか。 鮮明に覚えているのは、初めてウォークマンを買った日だ。 たしかあれは小学4年生の頃。当日家にはMDカセットを再生できるミニコンボアンプとMDプレーヤーがあった。家ではよく音楽をかけていた気がする。オレンジレンジとか宇多田ヒカルとか。 ふと、自分で音楽を聴くためのデバイスが欲しくなった。それは衝動的だった。毎週届く家電量

          はじめて音楽を聴いた日

          時計の針が進むことについて。量子力学と世界の波、12月。

          もうすぐ2022年が終わろうとしている。 やっぱり一年というのは年々過ぎるのが早くなる。小学生の時、クラスの先生が時間の大切さを僕達に伝える為に、ジャネーの法則を僕たちに教えてくれたことがある。私たちが感じる時間は年齢を重ねるにつれて短く感じるようになるらしい。 当時はそんなことはないだろうと思っていた。だって時計の針はいつも同じく進んでいるのだから。けど今ではあの先生の言っていたことがよくわかる。 一年というのが、思っている以上に短くて、年を重ねることが日に日に重みに

          時計の針が進むことについて。量子力学と世界の波、12月。

          フィットオブユアライフ

          その男は黙々と、厚い本を読んでいた。 本のタイトルはフィットオブユアライフ。貴方に合った人生。何か人生についてのヒントを探しているのだろうか。僕は電車の席に座って、向かい側に座っている彼を観察していた。 僕の癖なのだ。よく電車の中にいると、誰かを観察しようとしてしまう。隣にいる人のスマホの画面や本の内容を、つい覗いてしまうのだ。無礼な行いだと十分承知しているのだけれど、人の生活の一部を見ているようで、少し楽しい。 フィットオブユアライフ。自分にとって最適な人生。個人の人

          フィットオブユアライフ

          電車のディストピア

          6月になってから電車通勤になった。JRの新快速に乗って大阪まで向かう。県を跨いでいるのに、たった20分で行けてしまうものだから、乗る度に日本の鉄道のシステムってのはきっちりしているなーと感じる。遅延が1分でも生じると、駅員さんは申し訳なさそうに謝罪をする。なんだかこっちまでせっかちだと思われて申し訳なくなる。 朝の電車の中の9割はサラリーマンだ。僕もその一部だけど、私服で通勤しているから、側から見ると学生のように見えるかもしれない。 そんな9割のサラリーマンを見ていると、共

          電車のディストピア

          言葉の丈夫さ

          9月19日はちょうど自分がイギリスに旅立った日だ。あれから一年が過ぎたのだと思うと、感慨深くなってすこし涙が出た。 無人の国際空港で一人キャリーケースを引っ張って歩いたその日、片手には何十枚もの書類を持っていた。それは全部入国するためのコロナに関する書類たち。書類に一つ不備があったから、急いで書き直してなんとかチェックインできた。トランジェットでまずは香港行きの国際便に乗ったのだけれど、周りには誰一人乗客がいなかった。乗務員に聞くと、この国際便に乗ってるのば僕一人だったのだ

          言葉の丈夫さ

          エッセイ「想像の中、再開発都市、郷愁」

          時々、SF映画を見たとき(この間は押井守さんのイノセンスを観ました。何回見てもいい)に思い浮かべることがある。こんなの誰だって一度は思い浮かべることだろうが、ここは現実なのか?ということだ。 もはやありきたりなSFの設定。マトリックスから始まって、数え切れないほど複製された。最近の攻殻機動隊もそんな話だった。 こんな陳腐な考えをマトリックスを見て一度は考え、多くの人は青年期辺りに捨ててしまうはず。けどふと考えてしまうのはなぜなのだろう。 この間、テレビでどこかの地方に鉄

          エッセイ「想像の中、再開発都市、郷愁」

          Nとはなんだったのか?攻殻機動隊 SAC_2045の考察と感想

          はじめに 攻殻機動隊 SAC_2045を観終わりました。 久しぶりに考えさせられる物語を観たなぁ・・・って消化しながらいまnoteを書いています。 1984やマトリックス、一番感じたのは伊藤計劃のハーモニーの世界へのその後への賛辞を素直に感じました。 これを最新の3D映像で観れたことに本当に感謝です。 以下は感想とか考察をいろいろと書き連ねていきたいです。twitterで散々つぶやいたのですが、noteにも書いてみます。 僕自身攻殻機動隊の猛烈なファンではないので、

          Nとはなんだったのか?攻殻機動隊 SAC_2045の考察と感想

          ショートショート「洞窟とペンライトの夢」

          僕はよくジメジメとして真っ暗な洞窟の夢を見る。僕はその中でペンライトを持って、振り続けて歩いている。どこかに出口があるのか探すためだ。 僕はジメジメとした雰囲気に息苦しさを感じている。呼吸を定期的に整えないといけないほどだ。ペンライトを地面に向けるとそこにはか弱い花が咲いていた。何科のどんな名前かも分からない花だ。咲くことはできたが、茎の辺りが折れかけていた。欲しかったライブのチケットに落選して凹む少女のように。 僕はペンライトを振りながら方向性もなく歩き続けた。そこには

          ショートショート「洞窟とペンライトの夢」

          ショートショート『単純なボレーと複雑な世界の話。』

          中学の時、同じテニス部だったA君がふと尋ねた。「お金が擦れるんなら、もっと擦ればいいじゃん」 僕たちはボレーの練習をしていた気がする。 めんどくさくなるような暑い夏で、お互いにその鬱憤から逃げたくなるような気分だったのだろう。 ただ向かってくる球を、ただラケットを構えて返す作業に飽き飽きしていたのだろう。 どうしてお金の話が出てきたのかは思い出せない。 中学生にありきたりな、たわいのない話から始まったのだろう。 その頃は、ある国の巨大な隠蔽がバレて、仲良くしようと

          ショートショート『単純なボレーと複雑な世界の話。』

          映画の話 チーズタコスとアメコミ映画

          この前に日本でも話題になった「呪術廻戦0」といま話題の「the batman」を観に行った。呪術廻船0はイギリスにいた時に日本で公開が開始されていて、評判も良かったので早く観たいなと思いながら、ようやく見ることができた。快適に観たいし、観客数の少ない平日を選んで観に行った。 平日だから空席も多くて、ゆっくり観れるだろう(僕はぎゅうぎゅう詰めの映画館が苦手だ)と向かったのだが、予想は外れて、70%ほどは埋まっている状態だった。どうやらその日に限って新しい限定特典が配布される日

          映画の話 チーズタコスとアメコミ映画

          目的なんてなくても留学に行っていい話。遠い太鼓の話。

          留学に行く理由とは何だろう? おおよその答えはネットで検索すれば一覧で出てくる。 語学を向上させたいから。将来英語を使った仕事をしたいから。異文化交流をしたいから。色鮮やかな海外生活をしたいから。自分を変えたいから。就職の際にメリットとなるから。 おおよそそんなものだろう。 僕は思うのだけれど、こうした「留学目的」なんて必要ないんじゃないかと思う。むしろこうした「留学目的」が限定されている人ほど、実際に留学した際に現実とのギャップによって悩んだりする気がする。つまり多

          目的なんてなくても留学に行っていい話。遠い太鼓の話。