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人事のDX=HRDXに活用できる最新技術を用語解説的にまとめてみました

最近毎日のように聞くDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉。

世の中のDX化の波はすさまじく、その波はHR業界も例外ではありません。

そんな訳で今回はDX推進企業の現役人事として、人事におけるHRDXについて簡単に用語解説的にまとめてみました。


そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは?


そもそもですが、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル技術の進化により、人々の生活をより豊かにしていくこと」を指します。

似たような言葉として

・デジタイゼーション
・デジタライゼーション

等がありますが、これらは会社等で効率を高めるための「デジタル化」を意味します。

一方でDXは、会社全体の革新、イノベーションとしての「デジタル化」を意味し、変化が激しい現代社会で企業を存続させていくためには、欠かせないモノとなっています。

ここでのポイントはDXとは存続、つまり継続的なプロセスという事になります。

そんなDXですが、近年HR(人事)の分野においても「HRDX」として注目されています。なぜなら、以下3つの理由から、人材の管理がとても重要なものとなっているからです。

・今後長い目で見た場合の少子化による働き手の減少
・働き方の多様化により、人が企業を「選ぶ」時代
・人材の流動化による管理、教育体制の難化


現在は未曾有のパンデミックにより採用ストップしている企業も多いですが、今後長い目でみたときに、採用・人材育成・労務管理など、人事のあらゆる点において変化・改善を図っていかなければ、優秀な人材の確保や、従業員のモチベーションの維持はどんどん難しくなっていくということです。

また、優秀な人材の確保が難しくなっていることから、DXにより業務を自動化していくことで、人に頼らなくても回る仕組みを構築していくことも重要なポイントだと思います。

いずれにせよ、DXの技術を人事の分野にも率先的に活かしていくことが、変化が激しいこの時代に永続的な企業を作る上では必要になってきているのではないでしょうか。

人事におけるDX【HRDXの具体例】


それでは、具体的にHRDXによってどのような変化が得られるのかを、DXにおける主な技術を8個、HR(人事)と絡めてどのような事ができるかをふまえて簡単にまとめてみます。

1.  AI

AIとは「Artificial Intelligence」の略であり、「人工知能」を意味します。

AIが得意なものとして、「ビッグデータの処理」と、そのデータを基にした「パターンに沿った解析」があり、HRDXでAIを活用している事例として、以下が挙げられます。

・自己PR動画や面接の受け答えから適正職種や適正人材かを判別
・日頃の勤務態度、状況などのデータから離職率を予測


データをもとにこれらを判別していくことで、人材管理がより捗りますし、すでにそういったAIを活用した面接サービスも出始めています。

なお、多くのデータをAIに学習させるほど、より正確な解析が期待できますので、導入したらすぐに精度が高いものが使える訳ではなく日々のデータ蓄積が重要になってきます。

例えば新卒採用にAI解析を導入する場合は、今年はまず導入してデータを溜め、そのデータを元に本格的には来年から活用していくような流れになるかと思います。

ただし、これは自社のみでやる場合の流れになるので、ここを例えば企業間で新卒データを共有するような仕組みができれば、もっと効率的に活用する事もできるかもしれません。

参考URL

2.  RPA

RPAとは「Robotic Process Automation」の略であり、ロボットが定型業務を自動化してくれる技術です。

定型業務や単純作業ならロボットに任せることが可能で、業務の効率化を図れます。

▼RPAの活用例▼
・交通費精算、請求書データの入力、問い合わせ内容の転記
・ターゲットリスト作成、SFA入力、広告レポート作成
・顧客データ収集、在庫状況の確認、商品情報の更新
・新入社員・新規職者のアカウント登録
・伝票入力、支払対応の実行、反社チェック など

単純作業という点においては、ヒューマンエラーを防止できる分ロボットの方が活躍できるでしょうし、人件費と比べれば安価で稼働させることもできるでしょう。

ただし、一定のルールに沿った行動しかできないことから、複雑な業務は向いていないので、今後に期待といったところです。

参考URL


3.  IoT


「IoT」とは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」を意味します。

これは、あらゆる機器をインターネットと接続させることで、データの収集や解析に利用するもの。

例えば日立製作所グループでは、名札型のウェアラブルセンサーを開発しており、社員がそれを身に着けることで、社員のあらゆる行動から、業務効率向上のためのデータを収集することが可能になっています。

導き出したのは、「人は動き続けるほど、止まらなくなる」という事実だ。動き続けている時間が長く、頻度が多いほど活性化しているというのだ。「活性度が高い組織は、社員が動き続けていると言えます」(日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 営業統括本部 吉田章宏氏)

 その指標の有効性は、7社、10組織、468人、5,000人日、50億点の計測から検証された。実際に、コールセンターの社員215人にウェアラブルセンサーを29日間装着させたところ、受注率と組織活性度が相関していることが実証された。組織活性度が高い日は、低い日と比較して受注率が34%も高かったのだ。


4.  SaaS 


SaaSとは「Software as a Service」の略で、ソフトウェアそのものではなく、ユーザーが必要な分だけをサービスとして提供することを指します。

ソフトウェアそのものを導入するとなると、それなりにまとまった金額が必要となったり、必要でないサービスも含まれていたりすることも。

しかし、SaaSならば必要な分のみ利用することができ、使用量に見合った費用で済むというメリットがあります。

近年、このSaaSの形式の人事領域のサービスが急増加しており、人事評価システムや給与計算システムなどがサブスクリプション等で利用可能です。

こうしたサービスを利用することで、ソフトウェアの導入や人材を配置するよりも、安価で済ませられる可能性が高いでしょう。

・Saas系人事評価、タレントマネジメント系サービス3選


・Saas系勤怠管理システムサービス3選


・Saas系労務管理サービス3選


5.  クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングとは、企業等が保有する情報システムでデータ処理を行う事を指し、より多くの情報を処理できるなどのメリットがあります。

ここまで紹介してきたように、人事においてもデータ量は非常に大切であり、そういった大量のデータを処理するために利用するイメージです。

先ほどのSaaSの一環といえるでしょう。


6. ビッグデータ

ビッグデータとは、「これまでの管理システムでは記録・解析が難しいほど膨大なデータ群」を指します。

このビッグデータをAI等に学習させ、人事評価の精度を高めたり、労務管理の改善等に役立たせるイメージです。

しかし、1行目で述べたように従来の管理システムでは記録・解析が難しいとされるため、クラウドコンピューティング等と組み合わせ、膨大な量のデータを収集していくのが望ましいでしょう。


7.  ブロックチェーン


ブロックチェーンとは、導入時から現在までの取引履歴を保存できる技術であり、流通経路の視覚化が可能です。

これを人事の領域に活かすことで、以下のような効果が期待できます。

・求職者のキャリアや資格、学位等を正確に判断できる
・採用に際して書類や契約書などはいらず、ブロックチェーンのみで管理できる
・個人情報の保護と膨大なデータの管理


これらに加え、ブロックチェーンを給与支払いに活用するための施策も推し進められており、人事の業務の効率化に大きく役立つ可能性がある分野だと思います。


8.  eラーニング


eラーニングとは、インターネット上で学習できる仕組みを指し、新入社員の研修等に活用されるケースが増えています。

従来の研修と比較した際のメリットとしては、主に以下3点が挙げられるでしょう。

・講師等を毎回用意しなくていい分、低コストで導入しやすい
・新入社員にとっても、自身の時間で学習できたり、繰り返し見られたりと効率的
・補助金にも使える


・オンライン動画学習サービス


HRDXまとめ


今回は、HR領域におけるデジタルトランスフォーメーションについて簡単にまとめてみましたが、今後ますます人材の確保が難しくなるであろう時代において、こうした最新技術を使いこなせるかどうかは、企業の存続に大きく関わってくると思います。

僕もこういった技術は常に全力で調べて自社にも積極的に取り入れていこうと思います。

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