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【目印を見つけるノート】30. 石にまつわるエトセトラ

きのうは8回、救急車の音が聞こえました。

⚫石にまつわるエトセトラ

石のお話ばかりで、恐縮です。

なぜか、三位一体で普段はしまっている石を日向ぼっこさせていました。紫がアメジスト、ピンクがインカローズ、ブルーがアパタイトです。

アメジストの組成はSiO2、インカローズ(ロードクロサイト)がMnCO3、アパタイトがCa5(PO4)3Fですね。少しタイプの違う石です。しまうときはそれぞれがじかに触れ合わないようにします。

アメジストはよく出回っていますけれど、ケイ素化合物の多様さが垣間見られ、独特のノーブルさがある石。アパタイトは生物とつくりが似ているのに、青と何かが混じったような色。インカローズはおもしろいですね。マンガンが入っていると黒いのかなと思ったりしますが、柔らかいピンクだったりする。

石は好きですがパワーストーンというくくりでは見ていません。ですので売ったりもしません。ただ好きなだけなのです。

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そういえば同様にタロットカードも大好きで、Nichiyuさんの『世界のトランプ・タロット』コーナーを書店さんで見つけると、間違いなく連日入り浸ります。巡回で販売されているのですね。最近は書店さんもお休みなので、難しいですね。
一番のお気に入りはドイツ版のモーガン・グリアです。印刷の発色も最高です。
アートとして素晴らしいのです。

このような趣味を「商売」にすることもできるかもしれません。
もう10何年も前になりますが、実際に占い師の面接に行ったことがありました。ホロスコープ作成など占星術のごくごく初歩も本で勉強しました。タロットの本もカードもけっこうあります。手相やスピリチュアルの本も読みましたし、姓名判断もします。

勘が鋭いと言われたこともあったような、なかったような。ピンポイントで当たってしまって返って気まずくなったことも。無難な例だとこのような感じです。

「僕の大学のときのサークル当ててみて」
「うーん、アーチェリーですか?」
「!!!!言ったことあったっけ?」
「いいえ」

ただ、商売にするのはちょっとピンとこなかったのです。今も自分にはちょっと無理だなって思います。
それならばこの特技?は別のことに使おうかと思いました。

友だちの話を聞いたりして、自分の話もして、別れ際にお互いちょっと心が軽くなるような、そんな感じで十分だと思うのです。

などと考えながら、ありあわせの石をゴムブレスにしました。えーと、クリソプレーズと水晶がメイン、翡翠とサファイアとターコイズとサーペンティンとルチルクオーツとアクアマリン、ですね。

クリソプレーズ、いいですね。アレクサンドロス大王が好んだ石だけあって、美しいです。
こういう、売り物にならない感じが好きなのかもしれません。

⚫3つの石のエピソード

さて、話が逸れました。
3つの石はまあ、石なのですが、これらを見ると思い出すことがあるのです。

▲ガラケーの写真なので悲しい解像度です

アメジストは静岡県掛川市の事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)のおみくじに入っていた石です。これを見ると八幡宮の大楠や、杉の大木を思い出すのです。見事ですので機会があったらぜひ。江戸時代の国学者・賀茂真淵が『岡部日記』でこの八幡宮のことを書いています。江戸に上るときに詣でたようですが、大楠も杉も真淵を見送っていたのです。

「大人(うし)、行ってらっしゃい」

ここでお守りを子ども分も分けていただいたのですが、なぜか次々となくなりました。本当にあっという間に。初めてのことで、不思議なことでした。最後に残ったのがこのアメジストでした。
おかげさまでこの石だけは失くなることがないようです。

インカローズは昨年の暮れに代官山のショップで買いました。ライブの入場待ちで列に並ぶ前のこと。そしてライブの間、何となく手に握りしめていました。このインカローズは私の幸せな時間に付き合ってくれたので幸せになりたいときに握ります。

そのときのアーティスト、SIONさんが最近、ふとした折に歌を動画とともにあげてくださっています。それを拝見すると、無意識のうちに張りつめた糸がゆるむ感じがします。涙腺に直結して。
素敵なおくすりをありがとうございます。

アパタイトにそのようなストーリーはありません。川崎の『STONE MARKET』さんで買いました。でも不思議なのです。はじめからアパタイトのタンブル(磨いているけれどカットしていない石)を買うつもりで出かけて、まっしぐらにアパタイトのタンブルのカゴに。そして、パッとこの石を手に取りました。この間の動作の軌跡を図形にするのなら、ひたすら直線です。
この色がもう、格別なのです。
『トートのタロット』のユニヴァースを思い出させるような色です。世界、ですね。これと通ずる石はクリソコラ(組成はCu4H4[(OH)8|Si4O10]・nH2O)かなと思いますが、アパタイトの方がやや硬質ではないかと。モース硬度もアパタイト5に対してクリソコラは2~3です。でも、どちらも硬い石ではないです。組成が複雑な分、結合が不安定でほどけやすいのかなと思います。
ダイヤモンドはC(炭素)でしか結び付いていないので、ガチガチ。

宝石としてはダイヤモンドの方に軍配が上がりますが、多くの要素が混じりあっていて、決して強靭ではないアパタイトやクリソコラの方が「地球らしい」感じもします。

壊れやすい、儚いものを美しいと思う心理って昔からあるような気がします。

アメジストにしても、
インカローズにしても、
アパタイトにしても、
自分に何かの利益を与えてほしいから
大事にしているわけではないのです。

石も私も偶然のであいもの、
それが本質かなって思います。

パワーストーンというと、金運ならこれ、恋愛運ならこれというのがありますが、大事なのはそれを付けて望む方向に舵を切ることではないかって思うのです。

あなたと出会えたことも、
私はそんなふうに受け止めています。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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