Googleが模索する、次なるムーンショット【Off Topic Ep220】
宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するポッドキャスト「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。
今回は「#220 Googleの次のムーンショットとは?」から、Googleが試みる、“次なるムーンショット事業”について。「#212 GoogleのジレンマとAI検索エンジン」でも言及したように、AI検索の時代においては、検索市場において覇権を握ってきたGoogleですらもディスラプトされる可能性がある。次なるムーンショット事業を貪欲に探っていく必要があるGoogleが進める、宮武が注目するプロジェクトとは?
次々と立ち上がるイノベーションラボ
現在、Googleの売上の約78%は広告収入に依存しており、その主な収入源はGoogle検索とYouTubeの広告となっている。しかし、AIの発展や規制の影響、そして検索事業のビジネスモデルが次世代のAIにどこまで対応できるかという課題に直面している。こうした状況下で、Googleは次の柱となる新たな事業を見つける必要があると、宮武はいう。
Googleはこれまで検索に特化したビジネスを展開してきたが、新たな柱となるプロジェクトも模索し続けてきた。プロトタイプを数多くつくる、あるいは買収するなどして、成功したものはスピンオフしてプロジェクト化。場合によっては別会社化してPL(損益計算書)も公開してきた。その最たる例としてはYouTubeやDeepMind、Waymoなどが挙げられるだろう。
企業がこうした新たなプロジェクトやイノベーションを生み出すにあたっては、イノベーションラボを設立することも多い。Googleも、次のムーンショット事業を生み出すためのイノベーションラボ「Xムーンショットファクトリー」を2010年に設立。DeepMind、Waymo、またヘルスケア領域のデータアナリティクス会社「Verily」、製薬メーカーのアイスモーフィックラボ、Google Fiberなど、様々なプロジェクトを輩出している。
宮武によれば、こうしたイノベーションラボは今年も多く立ち上がっているという。例えば、スニッカーズで知られるマース社は、70ミリオンを投資してイノベーションラボを設立。テストキッチンやパッケージング専用のラボを開設している。さらには、サッカーリーグのMLSやジョージア州がイノベーションラボを設立する例もある。
成功するイノベーションラボは1割以下?
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