【全サッカー指導者へ】 指導者が、選手の “夢” を素直に応援してはいけないワケとは!?
━━━━━━ 若きJリーガーが、サッカー指導者のキャリア支援について語る!
第1章では、サッカーというスポーツを拡げるためにマーケティング視点から存分に語っていただいた下澤さん。
▼第1章↓↓
今回は、より現場レベルの視点から「サッカー指導者は、選手の夢をそのまま応援しないでほしい!」というようなパンチある表現をされました。
その本意とは・・・!?
選手のキャリア支援に悩む指導者、そして自身の指導者キャリアに悩む指導者は必見です!!
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【“プロ経験がない(選手経験がない)” は、案外武器になる…!?】
◎八田:
実は、ここからが本題になります!
◉下澤さん:
お、そうなんですか!?笑
◎八田:
結論、「下澤さんが育成年代のサッカー指導者に何か伝えるとしたら、どんなことか?」ということをお聞きしたくて。
多くの子どもたちや選手たちが「プロサッカー選手」を目指す中で、ほとんどの指導者ってプロ経験がないじゃないですか?
◉下澤さん:
たしかにそうですね。
◎八田:
プロ経験がないからこそ、選手たちが目指している「プロの世界」を解像度が高くないことで、結局そこに上手く導くことができないんじゃないかって思うんですよね。
そんな中で、プロサッカー選手として活動しながら様々な発信もされている下澤さんが育成年代の指導者に何か伝えるとしたら、どんなことなのかお聞きしたいです!
◉下澤さん:
前提として、「プロ経験があるか否か」という観点で、僕の意見がありまして・・・
◎八田:
なんでしょうか!?
◉下澤さん:
結論として、プロ経験がないからこそ、選手に寄り添いやすいんじゃないかという視点もあると思っています!
これは自分の偏見かもしれませんが、プロになった経験がある指導者ほど、良くも悪くも「プロになった」という成功体験があるので、「俺はこれで上手くいったんだから、お前もこれをやった方がいい!」というトップダウン式の指導になる可能性も高くなるんじゃないかなと思っていたりします。
もちろん、自分の持っている知識や技術などを状況に応じて伝授することができれば最高ですが、選手は一人一人個性があって、それぞれに合った指導の仕方があると思っています。
それなのに、「俺はこれで上手くいったから、お前もこれをやれ!」という指導になってしまうと、もしかしたらその選手の可能性を潰してしまうことはゼロじゃないと思います。
◎八田:
なるほど、元プロの方々は成功体験が故に価値観が固まってしまう傾向(可能性)があると…
◉下澤さん:
そうです。
そもそも「コーチング(coaching)」は、英語の「コーチ(coach)=馬車」に由来して馬車で目的地まで送り届けるのと同じように、「人が目標を達成するための支援をする」ことであるといいます。
そうであれば、選手が「こんな選手になりたい!」ということに対して、「じゃあこうするといいんじゃない?」とサポートしてあげることが、本来の指導者としてのあり方かもしれないので、そう考えるとプロ経験がない指導者の方がやりやすいのではないでしょうか!!
◎八田:
なるほど!
その観点はなかったので、僕自身も気づきになりました!
【指導者の安易なキャリア支援で、選手の未来を潰す可能性がある】
◉下澤さん:
話を戻しまして・・・笑
指導者の方々に、お伝えしたいことでしたね!?
◎八田:
はい!
プロサッカー選手として、育成年代の指導者の方々にお伝えしたいことはありますか!?
◉下澤さん:
まずは、「あくまでプロサッカー選手は手段である」ということを、子どもたちや選手たちに伝えてほしいという想いがあります。
それは「サッカー以外にも魅力的なことはあるよ!」という意味合いもそうですが、それよりも「プロサッカー選手になることはあくまでも手段で、仮にプロになったとして、そこから君はなにをしたいの?」という意味合いの方が強く、その問いをプロになりたいという選手に投げかけてもらいたいなと思っています。
◎八田:
もう少し詳しくお願いします!
◉下澤さん:
この「プロサッカー選手は手段である」ということを整理しておくメリットはいくつかあると思っているのですが、一つ例を挙げると『手段が目的になることを避けるため』です。
これは意識していないと誰しもが陥る現象だと思います。
例えば「プロサッカー選手になって活躍する!」という目的を持った学生の選手がいた時に。
よくありがちなのが、いつしかその目的を忘れてしまい、本来はそこに辿り着くための手段であるはずの「今所属しているチームで試合に出る」ということに固執してそれが目的になってしまい、「今試合に出ているしOK!」とその場であぐらをかいてしまったり。
逆に「最近は試合に絡めていないなぁ〜」と、最終的に目的地にたどり着いていればいいのに、なぜか無数にあるはずの手段で悩んでしまうということがおきます。
だからこそ常に「今自分がやっている取り組みは何を達成するための手段なのか?」と考えたり、もっと言うと「プロサッカー選手になることは、その先で何をするための手段なのか?」と考えておくことが大切な気がしています。
◎八田:
そう考える背景には、どんなことがあったんでしょうか?
◉下澤さん:
というのも、これは自分がプロ選手になって改めて感じることなのですが、「プロサッカー選手になること」自体が “目的” になってしまうと、仮にプロになれたとしても、上手くいかなくなった時に、ドン底まで落ち込みやすくなると思います。
良くも悪くも「プロになること」が目的だから、なった瞬間にある程度満足しちゃう傾向があって。
その時にうまくいかないことがあると、「大丈夫!最終的にあそこにたどり着いていればいいんだから!」と自分を俯瞰で見れなくて、キツイ時の踏ん張りがきかなくなると思うんですよね。
一方で、「プロサッカー選手になること」が “手段” だと思えていた場合、目的から逆算した時に自分の現状を冷静に俯瞰して見れているため、今自分にできることを考えて、冷静に別の選択肢(=手段)を選択することができるのかなと思っています。
◎八田:
なるほど!
◉下澤さん:
「プロになること=人生」ではなく、そもそも人生レベルで目的を考えた時に、「サッカー選手として何がしたいのか」って観点がすごく大事なんじゃないかなと。
それに、その部分が整理できて、目指している場所が明確になれば、熱量や行動も変わってくると思っています。
例えば、これまでは「なんとなくプロになりたいなぁ〜」と解像度が低い状態だった選手が、「自分は最終的にどんな世界が見たいのか? (目的)」を整理することによって、「自分が最終的に見たい景色は日本代表になって活躍すること!そう考えるとプロになることってスタートラインになるな!よし頑張ろう!」と。
自分の頑張る理由が明確になるからこそ、よりやるべきことがハッキリして取り組みやすくなると思います。
◎八田:
すごくおもしろいです!
これって「受験」や「就活」なんかも同じことが言えそうですよね。
「入ること」がゴールになると、入れなかった時に絶望し、入れたとしても入って満足してその先を見失う・・・というような。
◉下澤さん:
本当にそうですね。
だからこそ、サッカー指導者は「サッカーを教えること」だけでなく、「選手のキャリア」も一緒に考えて挙げることも同じくらい大事な仕事なんじゃないかって思っています。
・・・もちろん、だからといって「なんで自分はサッカー選手を目指しているんだっけ??」と、思考ばかりが先行してしまってプロになることへの熱量が下がってしまうのはダメですし、明確な目的を問い詰めすぎて迷わせてしまうことも良くはないと思うので、その辺りのマネジメント力は指導者に問われるのかなと考えています。
まぁ、選手個人でできたら1番良いとは思うのですが。笑
◎八田:
今のお話を踏まえると、そもそもサッカー指導者自体が「指導者として生きていくこと」とか「指導者として全国大会に優勝すること」自体が目的になっているようではマズイですよね。
◉下澤さん:
たしかに、そうかもしれないですね。
「なぜ指導者なのか?」「なぜ優勝したいのか?」という部分を常に整理しておくことが大事な気がしています。
そこを常に意識しておかないと、例えば「指導者は選手を成長させることが目的だ!」という考え方の指導者がいた時に、いつしか優勝することに目が眩んで勝利するために手段を選ばなくなって、選手の成長を疎かにしてしまう可能性もゼロじゃないと思います。
それって良いのか悪いのかよく分からないですよね。笑
◎八田:
「指導者になってどうしたいのか?」「優勝してなんなのか?」
これがないと、平気で選手の可能性を潰しかねないという想いから、OFF THE PITCH 運営母体であるFiCのコミュニティ活動でも、そういったキャリアのことを考えるワークを重視しているので、めちゃくちゃ共感です!
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【おまけ記事!】“発信の鬼” が語る、発信することを本質的なメリットとは!?
・・・最終章につづく
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