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脳内は化学物質がいっぱい?

十数年前からジョギングを趣味にしている。”ランニング” と呼ぶほどしっかりと走り込むというわけではなく、時々歩いて景色を眺めたり、自動販売機で買ったドリンクを飲んだりしながら、散歩の延長のような感覚で続けている。

そのようなのんびりした走り方でも、たまに ”ランナーズハイ” の状態になっていると感じることがある。その時は、身体がやたら軽く、頭の中がすっきりして、「このまま永遠に走り続けられるかも」という気分になる。

おそらく、身体がこの “ハイ” になった状態を忘れられず、再びその快感を求めるようになるから、10年以上も飽きずにこの趣味が続いているのだろうと思う。

専門家ではないので、正確な記述はできないが、このランナーズハイには脳内化学物質が関わっているようだ。はっきりとした学説は確立されていないらしいが、エンドルフィンやカンナビノイドという名前の脳内物質の麻薬作用によるものらしい。

脳内化学物質と言えば、1980年代に学者タレントの走りみたいな人がテレビでドーパミンの効能をやたら喧伝していたのを思い出した。しばらくこのドーパミンのことを聞かないと思っていたら、最近になって、パーキンソン病を改善する薬を解説する記事の中でこの名前を目にすることになった。

同じく、うつ病にも脳内化学物質が関わっているらしい。こちらは、セロトニンという名前なので、上に挙げたものとはまったく別物質なのだろう。テレビのコメンテーターとしてたまに見かける某脳科学者がこのセロトニンの効能について言及している文章をいくつか目にしたことがある。

何か困難なことに立ち向かうときに「アドレナリンを全開!」などと冗談めかして言ったりするが、このアドレナリンは、脳内化学物質とは少し違うらしい。でも、”やる気” に関わるという意味では。数々の脳内化学物質と似た効能があるのかもしれない。

どの化学物質も、多すぎるとまずいし、少なすぎても何らかの疾病の原因になる。要するに、ほどほどに、バランスよくが一番ということなのだろう。

それにしても、人の気分や、やる気、幸福感、達成感といったきわめて人間的な感情が、このような ”無機質” な化学物質(実際は、”有機物” だけど)ごときで左右されると考えるとちょっと癪に障る。

などと、ぼんやり考えながら、明日もジョギングに出かけることにしよう。運よく “ランナーズハイ” に出会えることを目指して。

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