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人類の知能が上昇するどころか下がっている説

フリン効果

IQテストを行うと、どの世代でも前の世代より高い数値を示す現象を「フリン効果」というらしい。ジェームズ・フリンという人の説。

その一方で、最近の研究では「人類の知能が上昇するどころか下がっている」という説もある。詳細は以下の記事のとおり。

理由は、端的にいうと(1)高い知能を必要としない労働が増加、(2)地球温暖化により食べ物に含まれる栄養素が不足、(3)スマホによって脳のエネルギーが無駄に消費されている、という3点。

なるほどー、さもありなん、と思った。特に(3)が。

数年前、改めて生活の中で費やしている時間をこまかく計測してみた。
そのときに気づいたのは、スマホを触ってニュース記事とかスクロールして読んでいるのに、結果、なんも覚えてない、ということだった。

部屋で、クッションに体を預けて、ダラダラと画面をスクロールする。
ビジネスだったりライフハック等の、さも有益そうなサイトの記事を読む。
でも後になって振り返ると「何してたんだっけ、今日」と途方に暮れる。

ただただ、スマホをスクロールする行為から生じる、報酬系の脳内物質を分泌させているだけだったと、のちに脳科学とか勉強して理解できた。


人の能力を拡張するはずのテクノロジーが、なんで人を退化させているのか。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツが子どもスマホを触らせない、または使用を厳格に制限していたとか。

読書をしていても、スマホの存在が気になって集中できなくなっている。
歩きスマホとかもそうで、怒りを通り越して、なんだか泣けてくる。

以下は関西風に言って「なんてない話」だ。

プレミアムコーヒーを買うオッサン

少し前、ぼくがコンビニの店内にいた。
入り口付近の新聞を取ろうとしていると、歩きスマホをしながらコンビニに入ってきたオッサンが入ってきた。
キャップ帽を被った、小柄で小太りのオッサンだった。

オッサンはスマホを片手に入り口から一直線にレジに向かう。
最寄りのコンビニは、ちゃんと順番を守るのであれば、店内を迂回しないといけないレイアウトになっている。

ただオッサンはもうお構いなしにレジに直進した。
レジ待ちの人がいなかったのは幸いだった。

オッサン「ホットコーヒー」
店員さん「あ、はい」
オッサン「いやそっちじゃなくて青い方」
店員さん「すみません」

青い方とは、その時期のプレミアムコーヒーのことだった。
たしか高級キリマンジャロブレンドだったと思う。

いや、ちゃんと伝えないとわからんやろオッサン、態度が横柄だぞ、と内心思いながら見ていた。オッサンはずっとスマホを片手に握っている。精算を終える。

「あっ」と、少し嫌な予感がして、ぼくはオッサンがコーヒーマシンの前に来るのを待った。

……オッサンは通常の(白い)コーヒーが注がれるボタンを押した。

その間、オッサンはスマホをスクロールし続ける。
完成した後も、それがプレミアムコーヒーだと気づかずコンビニを出た。

なんてない話である。値段にして10円程度の差異だろう。

でも、この日の出来事は、スマホという文明の利器に感じていた恐怖心を強くした。同時に世界中の同じようなオッサンの悲劇を思い、切なくなった。