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尾田わらば
2021年4月11日 15:12
この部屋は、地上15メートルくらいだろう。空気が澄んでいる。と言いながらも実は排気ガスや黄砂がいくらか含まれているのかもしれない。しかし僕にはそういうのは1つも分からない。開いた窓から風が忍び込んでくるのが分かる。テーブルに投げ出した脚をひんやりとなぜるからだ。一対の大きな耳は集音マイクでも搭載したかのように色んな音を拾う。色んな環境音が耳元で鳴る。姿かたちの見えない何かが何も考えずに吐き捨てた
2021年4月6日 23:10
70色入りのマーカーペンが届いたというのに使いこなせない自分がいた。自分の意見や立場が、押しなべてふらふらしているせいだ。○や△や□の連なりや組み合わせを丁寧に結び、あるいは慎重に消し、そうして描き上げた下絵を前に僕は腕を組んで、じっと睨んだ。昔から色塗りは上手くはなかった。配色のチョイスは一見したところ悪くはないように思える。ところが、ペン先が紙に触れインクが染み込んでしまった束の間の後で