見出し画像

#1084 妊娠時に「業務調整は自分でして」という、上司の言葉の本当の意図

おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。

介護の入り口体験放送への温かいコメント、ありがとうございます

今日は火曜日ですが、先週の金曜日に『#1081 介護の入り口で体験したこと&考えたこと』を放送させていただいたんですけれども、いろんな方に「聴いたよ」とか、「応援しているよ」とか、優しい声をかけていただきまして、本当にありがとうございます。
おかげさまで、今の状態を前提とした生活はだんだんオンボードがされてきたなと思いますし、なによりも義理の父と母が、笑顔も忘れずに本当に頑張っているなと思います。
あわせて、それを支える側になったときにめちゃくちゃ痛感したのが、支え手は家族も家族以外も含めて、本当に一人でも多いほうがいいんだなと思います。
例えば、食事にしても、家族だけで何とかするのではなくて、届けるというサービスをしてくれる人がいるとか、ちょっと顔を出して様子を聞いたり見たりしてくれる人がいる、どんな関わりでも、とにかくここがたくさんであるほうが、当事者にとっても家族にとっても、全然負担感が変わるんだなということを痛感していますので、「仕事は自分ひとりでやらない」改め「介護も自分ひとりではやらない」これだなと痛感しています。
いろんな形で思いを寄せてくださった方、どうもありがとうございます。

3月の90分腹落ちセミナーのテーマは1on1

本編に入る前に今日も一つ、お知らせです。

続きはぜひVoicyでお聴きください。

妊娠報告時に「業務の調整は自分でして」と言われ、不安を感じています

今日は、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げてお届けしたいと思います。
質問者さんは、えみるさんです。
えみるさん、ありがとうございます。聴いていらっしゃいますかね?

【いつも小田木さんの透き通った声に癒やされつつ、背筋を立たされております。毎回、すてきな放送をありがとうございます。】

こちらこそありがとうございます。
声と言われると、この声で大丈夫かな?と思いますけど、えみるさん、ありがとうございます。

【お悩み相談があります。
現在、第二子を妊娠中で、第一子は転職前に産んだため、新しい環境での妊娠・産休・育休は初めてです。
先日、マネージャーに妊娠を報告したところ、祝福はしてくれたのですが、「業務の調整は自分でして」とのことでした。
例えば、出張するかしないかも、自分で決めれば良いとのことです。
確かに来年度からはリーダー的な立場を任せるとは言われており、自分のことは少なくとも自分で仕切っていかなければならないとは思っているのですが、すべて自分で調整となると不安でたまりません
前職の第一子妊娠時は、上司が出張調整をしてくれたりしたため、そのギャップにどうすればよいか悩んでいます。
また、現職では、先に産休に入ったリーダー2人が、出産当日までリモートで働いており、復帰も6ヵ月でしているため、復帰後は時短を取りたいと思っている自分としては、新たに切り開いていかなければいけない部分が大きく負担に感じています
新たな道を切り開く勇気を持つべきとは思うのですが、叱咤激励をいただけると幸いです。】

という、えみるさんのご質問を今日は一緒に考えてみたいと思います。
改めて質問の概要をおさえてみましょう。
今回のご質問が、前半でのテーマと後半でのテーマの二つがあるかなと思いますので、それぞれを考えていきたいと思います。
まず前半では、マネージャーに妊娠を報告したところ、祝福はしてくれたが、業務の調整は自分でしてと言われた。そして、前職での第一妊娠時は上司が調整をしてくれた。だから自分で業務調整をすることが不安でたまらない。これが前半の概要ですよね。
そして後半は、過去のリーダー職の先輩2名は、産休後も仕事をしたり、短期間で復帰をしているため、自分が望む働き方は自分で切り開かなくてはならないと負担に感じているという。こんな前半後半構成ですね。
情報は限られますけれども、小田木所感ということで私が考えることを共有させていただきますので、同じようなシチュエーションでみなさんが考える一つの糸口になるといいなと思います。

そんなに緊張しなくて大丈夫

まず、えみるさん、転職と、新しい環境での第二子妊娠と、そしてリーダーへの期待を感じながら、さらに新しい環境への順応もはかっていると。いろんなプレッシャーの中で、よく頑張っているなと思います。本当に心からお疲れさまとお伝えしたいなと思います。
そんな状況であるからゆえ、余裕がないのはめっちゃくちゃ理解します。たぶん私が同じ状況でも余裕がなくなると思います。
だからこそ客観的にお伝えしたいのは、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。これが今日の大事な大事な前提になると思います。
そんなに緊張しなくて大丈夫。
ここをスタートラインにして、まずは前半から考えてみましょうかね。

上司の言葉の本当の意図

マネージャーに妊娠を報告したら、祝福はしてくれたけれども、業務の調整は自分でしてと言われた。えみるさんはこの言葉に「うわ、自分でやらなきゃいけないのか」と、結構プレッシャーを感じているということでしたが、私が考えるえみるさんのマネージャーさんの意図は、ちょっと違うなと感じました。
本当はこういうことなんじゃないですか?ちょっとフラットに聴いてみてくださいね。
妊娠おめでとう。これはたぶん心から祝福してくれてると思います。
これは上司のセリフだと思って聴いてくださいね。
私はあなたではないから、あなたの体調も分からないし、あなたの希望、どうしたいかというのも分からない。ここが大事ですよ。私はあなたではないから、あなたの体調もあなたの希望も分からない。だからこそ、仕事や働き方については、あなたがどうしたいかをもとに決めるのが一番いいと思う。
これがたぶん「自分で決めて、自分で調整して」の本当の意図なんじゃないかなと思います。
なので、一切手伝ってくれないマネージャーなのではなくて、えみるさんの状況と選択を尊重してくれる、私はむしろいいマネージャーだと思います。
でも、そうですよね。出張に関しても、勝手に上司が「もう無理だと思ったので、なくしといたよ」と言うんじゃなくて、「あなたはどうしたい?」体調も落ち着いているし、大事な機会だし、自分でもこれにかかわりたいから行きたいと思うんだったら、行けるように調整したらいいし、今は自宅を離れて外を歩いたり動いたりするのは負担が大きいなというのであれば、代わりの方に引き継ぎをさせていただいて、今回は見合わせたいな。
これが自分で選択ができるというのは、めちゃくちゃいいことですよね。
私たちに大事なのは、相手に勝手な推察だとか、先回りの調整を求めないことだと思いますし、さらにそこから勝手に「理解されない」とか「突き放された」と思わないことですよね。
なので、自分の状況や希望はちゃんと相手に伝える。もし支援してほしいことがあれば、何をどう支援してほしいのか、具体的に伝える。
これが大事だし、その観点でいくと、えみるさんのマネージャーさんは、「まずあなたがどうしたいのか決めて、それを共有して」上司にとって「私に手伝ってほしいことがあれば、具体的に言って」本当にこれだけの意図だと思いますので、むしろえみるさんの状況だとか選択を尊重してくれる、非常にフラットなスタンスを持った方なんじゃないかなと思います。
ぜひ一緒にうまく調整と引き継ぎを進めてみていただけたらなと思います。

自分が望む働き方は自分で切り開かなくてはならないと負担に感じている

そして、後半のテーマですね。
概要としては、過去、リーダー職の先輩2名が、産休後も仕事をしたり、短期間で復帰をしているため、自分が望む働き方は自分で切り開かなくてはならないと負担に感じているという部分ですけれども、これはかなり大事なことですので、まず明確な前提として、ちゃんと明らかにしなきゃいけないことがあるなと思うんですけど、産休後も仕事、これは絶対にだめです。
まず、産休と育休は違う。ここはOKですよね。
育休期間中は、本人も希望し、かつ使用者が適当だと認める事案に関しては、一部仕事ができます。
ただ、産休中の仕事は絶対にだめです。
これは、産前産後休業として厚労省のサイトを検索していただきたいと思うんですけど、産前産後休業は母体保護の見地から労働基準法で定められている休業で、産前6週間以内とか、産後8週間以内、これが双子の場合は期間が変わるんですけれども、労働基準法で定められている休業なんですよね。
なので、産休中というのは、本人の申し出に関係なく、そもそも使用者、会社は、就業させることができないんですよね。
なので、産休中のお仕事というのは、出産する本人と、さらに会社を守るためにも、絶対に仕事をしちゃだめ。
これからリーダーになっていかれるということですけれども、リーダーは仕事をさせちゃ絶対にだめ。
これは大前提ですので、まずそこは押さえておきましょう。

自分で自分にプレッシャーをかけすぎないほうがいい

そんな中で、えみるさんは復帰後は時短で復帰したいと思っているということですけれども、えみるさんは「新しい道を切り開く」こんな意気込みでいらっしゃいますけど、新しい道を切り開くではなくて、めちゃくちゃ普通の選択です。
今のニュアンスだと、人並み外れた覚悟と勇気が必要な選択だみたいな感じになっちゃっていますけど、めっちゃ普通の選択です。
何が言いたいかというと、自分で自分にプレッシャーをかけすぎないほうがいいんじゃないかなと思います。
前述に出てきた上司の方であれば、あなたが決めたことならと、きっと受け入れてくれるんじゃないかなと思います。
なので、この選択をするにはめちゃくちゃ勇気と覚悟が必要なんだみたいな感じで、自分のハードルを上げすぎずに、普通の選択だよね、上司は私がどうしたいかを尊重してくれている、この辺をもとに、私はこういう選択にしますということを、ぜひごくごく普通に選択していただければなと思います。
どんな働き方をするか、どんな選択をとるかと、仕事を大事にしたいとか、仲間に貢献したいって思いは、まったく比例しませんので、自分のハードルを上げすぎない、自分にプレッシャーをかけすぎずに、普通の選択として選んでいただければと思います。

ということで、今日は質問ボックスにいただいたえみるさんのご質問を取り上げてみましたけど、たぶん今は体調も変わるし、仕事のことも心配だし、復職後の生活も不安だし、いろんな不安が渦巻いている時だと思いますので、たぶん実際のサイズ感よりもいろんなことが重く感じやすい時期なんだと思います。
それはえみるさんに起因することじゃなくて、誰でもそういう時にはそういうふうになるんですよね。
なので「大丈夫、大丈夫」と自分に声をかけながら、うまく力が抜けるといいなと思いますので、そんなふうにできることを心から応援しています。
質問ボックスのご利用、本当にありがとうございました。

皆さんも、お聴きいただきありがとうございます。

それでは、今日も一日良い日にしましょう。

小田木朝子プロフィール

「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクールスクラから出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
*スクラ公式HP|https://schoola.jp/
*Facebook|スクラ|https://www.facebook.com/schoola.jp
*Instagram|@odagitomoko|https://www.instagram.com/odagitomoko/
*Twitter|@odagitomoko|https://twitter.com/odagitomoko
*YouTube|小田木朝子の今日のワタシに効く両立サプリ*スクラ|