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プロボノ活動で得られた経験とは

私は日々「何のためにやっているかわからないコト」に忙殺されていて苦しいです。
何とかしたいと悩み試行錯誤する中で、頭に浮かんできた「ボランティア活動」と「プロボノ」という言葉との出会い。ビビッと来てしまった私はプロボノ活動を始めました。

今回はプロボノ活動を通じて得られたことについてのお話です。
私はプロボノという言葉に出会い前のめりに活動して良かったです。


異なる価値観の優しい人に出会える

プロボノには様々な動機で参加している人がいるので、自分とは異なる価値観を持つ人に出会うことができます。

価値観は異なっていても

 「今、困っていることに向き合って少しでも良くしたい」

と言う根っこの気持ちは同じの情熱のある人が集まってくるので、
お金儲けや悪意、やる気のない人が少なく高いモチベーションを持って課題に取り組むことができます。
これって、職場では意外と多くない経験ではないでしょうか。

「無償でも何か行動したいと考える人」は優しい人が多いと思うのです。
少なくとも、私が出会った人はみなさん優しい人でした。

ただ、やろうと思えばいくらでも労力を割くことができてしまうので、自腹の範囲や自分の労力の上限値などをあらかじめ設定しておいてからプロジェクトに参加すると、変なわだかまりや不公平感、過剰な期待を減らせると感じました。
無限に自分の労力を注ぎ込んでしまうと疲労して消耗してしまいますし、その分どうしても大きな見返りを期待してしまうので、ご注意ください。

キャリアやスキルの棚卸し

最近使っていないスキルを使うことができる

仕事をする中で、最近の業務では使っていないスキルを使い、頭を動かすことができました。
チームのメンバーにもそのスキルは新鮮だったようで、みんなが面白がってくれて自己効力感を感じる機会になりました。
社会課題に取り組んでいる人たちが必要としているスキルは、広くいうと社会が必要としているスキルとも考えられるので、転職サイトとは違う視点でのスキルの市場調査にもなりそうです。

スキル不足を感じる場面もある

相手の主張を汲み取ることができず、着地点に悩み難しいと感じる場面があり、得意だと思っていたまとめる力がそんなに強くないことに気づくきっかけになりました。
1人だけで取り組んでいるわけではないので、チームメンバーの力を借りて、みんなでフォローし合いながら最終的には成果物をまとめましたが、「少し自分の力を過信していたな」と感じました。

地域課題との距離が近くなる

プロボノを通じて地域課題を身近に感じることができました。

知らなかったこと。
知っていても正しく理解していなかったこと。
気づかないふりをしていたこと。

そんなことに対して考えるきっかけになりました。

  • 10代後半から20代の貧困は福祉の受け皿がないこと(市役所などに対象となる窓口がない)。

  • 大都市の中にも高齢化や過疎化が進んでいる地域があること。そしてスーパーが撤退してしまって日用品の買い物に苦労している人がいること。

  • 子ども食堂は子供のためというよりも地域の多大交流の場になっているということ

  • 小学校の長期休みの間は給食が食べられないため、痩せて登校してくる児童がいること

  • 地域の人達の善意で成り立っていたが、現在ではもう担い手がいないため成り立たない問題があること(自治会や児童遊園など)。

  • その地域の歴史などが現在にも影響していること(部落差別など)。

    などなど

新しくてゆるいつながりを得られた

一緒にプロボノ活動したメンバーとはサービスグラントさんのイベントで会ったり、他のプロボノ等活動でご一緒することがあったりしてゆるーくつながっています。
社会人になると仕事に関連する以外の新しいつながりを得る機会は少ないので、その意味でも活動して良かったと感じています。

地域課題に向き合うNPO団体さんを支援するので、その地域コミュニティとつながりが生まれるかもしれないと当初は考えていましたが、参加したプロジェクトでは地域コミュニティに直接的に関わることはできませんでした。

これは、社会人(ビジネスマン)がプロボノ活動に参加しやすいように、課題を絞り込みそれを解決するプロジェクトとして範囲を決めて活動がスタートしていることが理由と考えています。

逆に言うと、課題を絞り込んでくれているからこそ3ヶ月〜半年くらいで成果物を作成できるように調整されていると言うことです。
NPO団体さんの課題はいくらでもあり、それを全て解決するのは難しいのが現実なので、よく考えられた仕組みであると考えています。

地域コミュニティとのつながりたい場合は、自らそのコミュニティに直接的に関わっていくことが必要なようです。
(あくまで私が参加したプロジェクトでの話です。参加するプロジェクトによっては、もっと地域コミュニティに関わることができる可能性がありますが。)

プロボノ活動をして感じたこと

「何のためにやっているかわからないコト」に忙殺されていて苦しい私にとって、情熱のある人が集まって高いモチベーションを持って課題に取り組むことができるプロボノ活動は得るものが多く「プロボノ活動をして良かった」と思える経験になりました。
また、成果物を提出したときに団体さんから感謝していただけることが多く、微力ながらも「自分の活動が社会に貢献している」ことを実感することができました。
日々のモヤモヤを、少しだけ、 プロボノ活動は拭い去ってくれました。

ただし、別のモヤモヤが残ることもあります。
プロジェクトを通じで作成する成果物は、支援先のNPO団体さんの行動が変わるきっかけになることに重点を置いて作成されます。
成果物を通じてNPO団体さんが行動を「少し」変えるようなきっかけを提供することはできるのですが、「団体さんの根本的な問題を解決できた」と言う手応えまでは得ることができませんでした。
これは短い期間で、少ないエフォートでできることの限界なのだと思います。
社会課題は継続的に課題と向き合い対処していく必要があることを実感しました。

価値観がひっくり返るほどの経験ではないにしても、

 新しい出会い。
 新しい気づき。
 自分との対話(リフレクション?)。

などは、みな感じることができると思います。

この記事を読んで1人でも多くの人がプロボノに興味を持ち、活動を始めて下さるととても嬉しいです。

まとめ

  • プロボノ活動では異なる価値観の優しい人達と、情熱を持って課題に取り組むことができる

  • プロボノ活動はキャリアやスキルの棚卸しの機会になる

  • 地域課題との距離が近くなり視野が広がる

  • 関わる課題は社会課題の一部なので、社会課題解決の難しさを実感できる

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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