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詩集

26
たまに詩を書きます。
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#音

音の波|詩

音の波|詩

寄せては引き
途切れては静かに始まる

まばゆい光線に貫かれ
瞬く間に暗闇へ溶ける

光も空気も
鋭く切りひらかれる

遠い世界のようで
同じ空気のなか

その響きをこの身で
確かに受け取って

響かせながら
帰路につく

夏のあさ|詩

夏のあさ|詩

デーデーホーホー
鳴き声がきこえる
気だるい朝

目覚めると
ここぞとばかりに張り合う
扇風機と蝉と工事の音

デーデーホーホー
あれはどうやら夢のなかで
鳴っていたようだ

名をキジバトというらしい
群れない孤高のハト
なんだか妙に親近感が湧く

いつの間にか
夢のそとでは鳴らなくなった
都会は窮屈なのだろう

デーデーホーホー
鳴きたいときに鳴ける
あいつがうらやましい